すでにギターからベースに転向していた10代の頃、
ストレイキャッツが大好きになり「アップライトベースもかっちょええなあ」って思ったけど
ずっと今までアップライトは触ったこともなかった。
両親が健在だから、タトゥーも入れなかった。
べつにイイコぶってたわけじゃないけど
普段から迷惑ばかりかけていたガキだったから、いずれ親孝行したいって考えていて
その時になって消すことのできない過去は自分自身に刻みたくなかった。
もしもその頃アップライトを持つようなことがあったら
ブリブリのソリッドベース音が好きだったからベースを始めた僕がファッションに走る結果になり、
間違いなく親不孝の印を体中に刻んでいたことだろう。
だからベース弾きの僕としては、意識的にアップライトの選択肢を封印していたんだ。
そんな僕が、アップライトを持つことになった。
つまり、スタイルとかじゃなく
「音」としてアップライトが好きになり、僕の人生に必要になったんだ。
多感で何でも突き進んでしまう当時でさえ手にしなかった逸品。
それは、まぎれもなく
まわり道をして最後にたどり着いた、夢であり生甲斐だ。
今までキレイな身体でいることができた両親の存在。
Jazzというアップライトの切っ掛けを教えてくれたあの人。
僕のこのタイミングに、繋がってくれている人たち。
みんなに心からの感謝をします