ねこネットあま

ダブルキャリアの詩音①


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 3月19日仕事中に出会った子
この日はいつもとは反対周りで車を走らせていました。
右に曲がったすぐ右側のお宅の玄関先
私の目に留まったその子。
 
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痩せている。。。
脱水が酷く毛はぼさぼさであちこち毛玉になっていました。
よだれも出ていてとにかく臭いが酷かった。
 
逃げちゃうかな。。
おいで。
 
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するとこの子は寄って来た。
耳カットがある。
この辺で大事にされている地域猫だろうか。
配達車に常備している猫のパウチをあげてみる。
少し食べたけどほとんど残してしまいました。
絶対お腹は空いているのに。。
口が痛いのかな。
何が考えられる?
歯周病?
口内炎?
エイズ、白血病キャリアだろうか。
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右目ダメかな。
きっともの凄く辛いよね。。。
お外で生きて行く子達の過酷さを物語る姿。
 
玄関先にはお皿に入った猫のご飯が置いてありました。
ここでご飯を貰っているんだ。。
それだけでもこの子は幸せなんだと思います。
人に大事にされているから人を怖がらない。
ここのおうちの方とお話がしたい。
留守でした。
 
この子はここが居場所だからここから離れない。
体力もないからずっとこの場にいる。
いつでも保護できる!
とりあえず仕事に戻りました。
 
仕事をしながら考えるのはこの子のことばかり。
仕事を終わらせあの子がいた場所へ向かう。
いない。。。。
さっき留守だったおうちに車が止まっているので
おうちの方が帰って来ている。
 
チャイムを鳴らし出て来たのは
40代くらいの女性。
この辺に何頭かいる野良猫のご飯をあげている。
捕まえられる子は手術をしているが
たまちゃんと名付けられたその子は6年ぐらい前からいて
その時すでに耳カットがあったのだそうです。
 
この場所にはボス猫が何頭かいるので
弱いたまちゃんはやられてしまう為
現れるのは数日に1回くらい
姿を見れることがレアだとその方は言いました。
 
周辺を歩いて探します。
たくさんの家が並ぶ集合住宅街
家と家の間に入ったら全くわからない。
結局見つけることができませんでした。
 
6年ぐらい前ということは
少なくとも6歳以上。
そしてたまちゃんは
その時から今のようにに痩せていたんだそうです。
 
痩せた状態で長く生きているんだ。
何かの病気が慢性化している可能性が高い。
もう会えないのかな。。
 
たまちゃんを保護したいことを伝えました。
姿を見かけたら連絡をもらえるよう連絡先を渡し
肩を落として帰りました。
 
次の日
配達の合間合間でその周辺を走ります。
昨日と同じくらいの時間にまた来るかもしれない。
去勢手術がされた♂
徘徊する範囲もそんなに遠くはないはず。
絶対近くにいる!!
 
現場へ向かう道
野良猫を何頭も見ました。
集合住宅街は野良猫達にとって住みよい環境です。
必ずご飯をくれる人がいて
隠れる場所
寝床になるような空き家
暑さ、寒さをしのげるそんな環境。
左側、家と家の間からふらっと出て来たその子
たまちゃんでした。
いた!!!
 
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少なくとも6年以上をお外で暮らして来た子。
人に馴れているとはいえ
この子を保護するということは
この子にとってもの凄いストレスになるのは間違いありません。
おとなしくキャリーに入ってくれるだろうかと
不安でしたが
抵抗することなくキャリーに入ってくれました。
 
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不安そうに鳴く。
ごめんね。
とりあえず会社の事務所に連れて行きます。
 
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右目からは膿のようなものが出ています。
おいしい匂いのご飯も食べない。
野良猫達を何頭もお世話している事務所ですが
この子はキャリアの可能性もあるので
気をつけなくてはいけません。
 
事務のお姉さんがちゅーるを持ってきたら
もの凄い勢いで食べ出しました。
 
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良かった。。
さすがちゅーるですね。
事務仕事を片付けの病院へ走ります。
 
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この日はいつもお世話になっている動物病院がお休みで
他の病院へ走りました。
 
乗り馴れない車、負担になるキャリー
道中逝ってしまうんじゃないかと思うくらい心配な状態。
到着が診察時間より早かったですが
状態が状態なだけに
診察時間を待たず診て下さいました。
 
まずは熱や体重を測り
血液採取で検査をします。
 
結果が出るまで車で待機。
 
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体温が低いこの子。
車の暖房をつけたらうとうとしていました。
昼間は暖かい日が続いていますが朝晩は冷える。
この子にはこたえるだろうと思います。
 
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心地よさそうに寝ていますが
お腹が動いているかどうか何度も確認しました。
 
結果。
 
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慢性腎不全
かなり数値が悪かった。
この病院で測れる最大数値を超えている。
年齢10歳以上。
体温が下がってきているのでかなり危険な状態だと・・・
 
そして。。
 
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エイズ、白血病共に持つ
ダブルキャリアでした。
 
さっき保護したばかりの野良猫。
かなり悪い状態のこの子を前に獣医さんは言いました。
 
「どこまでやりますか?」と。
私「この子は保護します。
やれることは全部やって下さい。」
 
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明日かかりつけ医に行くことを伝え
今日できることをすべてやってもらいました。
かかりつけ医にも連絡がしてあったので
お休みの日だったのにも関わらず
そちらの獣医さんもこの日のうちに診て下さると
連絡がありました。
 
終わったと同時に検査結果を持って向かいました。
 
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検査結果を見た院長先生の最初の言葉
「この子は厳しいよ。
この数値ではご飯も食べられない。」
 
私には数字はわかりません。
それでも腎臓、エイズ、白血病は治らないことは知っています。
 
最悪な状態の中で私に何ができる?
 
この子を連れて来て本当に良かったのだろうか。。
 
もしもキャリアの発症だったとしたら
今日投与した薬は全く効かず反応もない。
1週間持たないと院長先生は言いました。
 
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おうちへ連れて帰ります。
この子の為に組んであったケージに入れました。
 
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もしもこの子が短い寿命だったとしたら
ここで最期を迎えることは決して幸せではありません。
この子に出会えた意味をずっと考えていました。
 
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初めてのおうち。
昨日会ったばかりの私。
 
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痩せた汚れた体で一生懸命私に甘える。
 
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ご飯少しだけ食べてくれました。
腎臓が悪い子は薄いおしっこをたくさん出します。
1日どんぶり1杯のおしっこが出るそうです。
 
猫が水を飲める量は限られます。
そんなにたくさん飲むことができないんです。
飲みたい時に飲みたいだけ飲めなかったであろうお外での生活。
この子はここまでよく生きてきたと思います。
 
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この子と過ごす時間が愛しい。
 
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いろんなご飯を試しますが
どれも受け付けないといった感じでした。
ちゅーるはちょっとだけ舐めてくれます。
 
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そんなこの子に*詩音(しおん)*♂
と名前がつきました。
優しい音がこの子にいつまでも響きますように。
 
3月22日(金)
獣医さんへ。
道中キャリーの中で立派なうんちをしました。
ちょっとづつでも食べられていて
食べたものがちゃんと消化されています。
 
キャリーの中でずっと鳴き
点滴も動いてなかなかできなかったと院長先生は言いました。
 
「それだけ元気になったんだね~」と。
無事点滴を終え帰りました。
疲れただろうと思います。
帰ってからぐったりでした。
 
3月23日(土)
 
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朝から調子悪そうな詩音。
 
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それでも私に寄り添う姿。
 
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何度もお水のところへ行きます。
お水飲みたいのに飲めないんだ。
お水も飲めなくなりました。
 
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この日は土曜日だったので
何もしないで午後からはずっと詩音と一緒にいました。
 
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どんどん体温が下がっていって
それなのに冷たい床の上に行く。
私はそっと毛布を掛けてあげることしかできません。
 
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ボロボロになって頑張って生きて来た詩音。
濡れタオルで綺麗に拭いてあげたいけど
体を冷やしてはいけない。
肉球も冷たいね。
 
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詩音?こんなに早いの?
まだうちへ来て何日も経ってないよ。
 
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私の顔を見ては小さな声で鳴く。
10年以上お外にいた子
もしも逝く時が来たら
自分のテリトリーでひっそり逝きたかったのではないか?
保護したその時からそう思っていました。
不安なのかこうして私に寄り添ってくれる姿。
 
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詩音くん、横で一緒に寝るからね。
 
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安心しきった表情で眠る詩音。
お布団の中で気持ち良さそうにスースー寝息をたて
スヤスヤ眠る姿に
連れ帰って本当に良かったと思いました。
 
お外で10年以上も生きて来れた詩音は幸せだったと思いますが
その中のどのくらいの時間
詩音は幸せを感じたのだろう?
詩音の寝顔を見ながらそんなことを考えていました。
 
電気を消し、一緒に眠ります。
夜中に何度か目が覚める。
詩音がお水を飲みに行き
トイレで何度もおしっこをしていました。
そして朝方、カリカリって音で目が覚めました。
 
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詩音がもの凄い勢いでご飯を食べていました。
ササミを出したら夢中で食べています。
いかに夢中かがわかる姿↓
 
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昨日の晩
何度も何度もお水の場所へ
飲みたいのに飲めない姿に悲しくなって
注射器で口の中へお水を入れました。
それから自分で飲むようになりました。
 
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高カロリーのご飯をお湯で溶き
何度も何度も口の中へ入れました。
嫌がったらやめようと思いましたが
詩音はちゃんと飲み込んでくれました。
 
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叶わないと思っていましたが
詩音と朝が迎えられました。
 
残された時間は短いかもしれないけど
もう少しこの子と一緒にいたい。
美味しいものを食べさせてあげたい。
暖かい布団で寝させてあげたい。
 
神様、力を貸して下さい。
 
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