3月19日出会った子。
次の日保護。
その日のうちに獣医さんへ。
診断は最悪でした。
慢性腎不全
かなり数値は悪く
病院で測れる最大数値を超えていました。
年齢10歳以上。
体温が下がりかなり危険な状態でした。
そして、エイズ、白血病を共に持つダブルキャリア。今までいろんな子達を連れて行って
お世話になっている獣医さん。
院長先生が初めて口にした
「この子は厳しいよ。」
水分や栄養などを点滴してもらい
脱水、貧血が少し楽になったようでした。
と名前がつきました。
優しい音がこの子にいつまでも響きますように。
2日に1度点滴に通うようになった詩音
前日21日に獣医さんから戻って様子がおかしくなる。
3月22日(土)
朝からふらふらでぐったり。
ずっとそばにいましたが
どんどん体温は下がり、衰弱していく詩音を前に
時間の問題だと思いました。
この日は隣で一緒に眠りました。
朝方「カリカリ」って音で目が覚めて
詩音がご飯を食べている光景。
3月23日(日)
詩音と過ごす時間。
ご飯が少し食べれても
お水を飲むことができても
水分も栄養も全く足りません。
腎不全
それは体からたくさんの水分を奪います。
私はね、薬漬けにはしたくはないと思いました。
室内温度は保たれ
飲みたい時に飲みたいだけのお水
食べれるものが出てくる。
初めてのおうちの中で
詩音は出たがることもなく
穏やかにのんびり自由に過ごしている。
もしも逝く時が来ても
あのままお外で力尽きるよりも
この子はいい状態でここで逝けるのではないか?
頭を撫でてあげることも
それは私のしてあげられることの一つ。
詩音の横でそう思いながら涙する。
それをね、こうして見ているんです。
泣いてる私の顔を詩音が見ているんです。
ご飯もササミ、ちゅーる
1種類のパウチを1度に半分たいらげる。
それを見ているとこのまま回復していくのではないかと思う。
3月24日(月)
詩音を残し仕事に行くのが辛いです。
これが最後になるのではないか?
そんな想いが頭をよぎる。
今はちょうど春休み。
家にいる息子にラインをします。
「詩音大丈夫?」
息子に甘える詩音の姿がありました。
息子「この子洗ってあげられないの?」
私「弱っているから洗ってあげられない。
もっと弱ってしまうから。」
この子汚いね。
そういう言葉じゃなく
この子を想った言葉が私は嬉しかった。
体力がないのですぐに横になってしまいますが
ご飯を食べた後
初めておもちゃに手を出す姿がありました。
私は延命治療をするつもりはありません。
だけどそれが今なのか?
院長先生は言う。
「食べられると言うことは
今詩音を苦しめているのは腎臓でもキャリアでもない。
治せないそのどちらかが原因なら全く食べれない。
まずは脱水と貧血を取り除けば
詩音はまだまだ生きられる可能性がある!」
だけど私はどうしても病院へ足が向かない。
どうしても。。どうしても。。
前回病院へ行って生きるか死ぬかになった詩音
その姿を目の当たりにし
次あの状態になった時
詩音はもう無理かもしれない。。
院長先生「脱水が酷いから点滴をした方がいいけど
とりあえず自分で水を飲めているなら
薬だけでも飲ませてみるのもいい。
落ち着いて連れて来れると思ったらその時でもいい。
いろいろ考えてみよう。」
前回処方された薬
貧血を良くするステロイド
口の痛みを取る痛み止めと抗生剤
病院から帰ってから調子は良くなかったので
薬は飲ませていませんでした。
その日早速薬を飲ませます。
ステロイドは苦いので当然嫌がります。
お水もご飯も食べなくなりました。
この子は病院も薬も受け付けていないんだ。
10年以上も薬に頼ることなく
自力で生きて来た子。
その子にステロイドはきっと強いんだ。
薬はもうやめようね。
強い子が生き残る世界で生き残ったあなたは
本当は凄く強い子だと思う。
痩せた体で何年も何年も
お水もご飯も十分じゃなかった環境で
ここまで生きてきたんだもんね。
もしかしたらあなたの底力をまだ見れるんじゃないか?
そんな気がしているよ。
保護して10日
一緒に過ごすことができました。
頭を撫でるとごろごろ喉を鳴らし
鳴いて私に甘える詩音。
あなたが力尽きる時がくるまで
私はそばにいるからね