5月1日動物管理センターから
SOSで入ってきた乳飲み子11頭。
1日だけでこれだけの頭数がねこネットに入ってきました。
ミルクボランティアさんが授乳をし
寝不足になりながらも愛情いっぱい育ててくれます。
その間に募集をかけ
お見合いをし
離乳したらお届けとなります。
簡単なことではありません。
そして私達の元には
管理センター以外にもたくさんのSOSが入ってきます。
4月24日
「3日ほど前から住んでいるマンションに迷い猫がいて
エサも食べてないみたいでずっと鳴いています。
保護センターに連絡したところ
持って来ても殺処分にします。
と言われてしまいました。
我が家では飼うことができなくて困っています。
どうしたらいのかわからないのでご連絡しました。
何かいい方法はないでしょうか?」
そんなメッセージが届きました。
こうした相談やSOSが入ると
ねこネットあまで共有するラインに届き
メンバーみんなが見ることになります。
そこで意見交換や
今後の動きが話し合われます。
仕事中も待ったなしです!
もちろん相談は1件や2件ではないので
分担をし、連絡をし
動けるメンバーが動くことになります。
こちらの相談、仕事中のお昼前
私が連絡することになりました。
相談者の方はマンションに住む女性。
何日か前からマンションの下でずっと鳴いている猫がいる。
人に馴れていて、鳴いて寄ってくるのだと言う。
抱っこもできるその子は絶対に飼い猫で
捨てられたか迷子ではないかという話でした。
お腹を空かせたその子があまりにもかわいそうで
3日前に缶詰をあげたそう。
でも、居座ったら大変だよ!と近所の人達に言われ
ご飯もあげられないとのこと。
更に話を聞くと
最近マンションに引っ越して来た人が何匹か猫を飼っていて
凄い悪臭から管理会社に苦情を言い
管理会社がそこのおうちへ入ったトラブルがあったのだと言う。
相談者の方はそこから出た猫ではないか?と。
こういう相談があると必ず言う。
私「私達は猫の引き取りはしません。
まずは相談者さんがその子を保護し
里親さん探しのお手伝いはできます。
おうちに入れてあげることはできませんか?」
相談者さん「無理です。」
私「自宅で保護はできないけど
どうしても里親さん探しをしたいと思うのなら
あづかりさんという
ボランティアでお世話してくれる方はいます。
ですが、そこでその子にかかる費用は
相談者さんが出さなくてはいけません。」
相談者さん「お金がかかることはできません。
それならかわいそうだけどそのままにしとくしかないですね。」
かわいそうな子を見て
何とかしてあげたいと思うのだと思います。
でも、自分で何とかしょうとするのではなく
何とかしてもらおうと思う相談者さんは多いです。
かわいそうな子はいっぱいいます。
その子達をすべて助けることはできません。
私達はお手伝いに過ぎないのです。
この日は冷たい雨が降っていました。
飼い猫だったかもしれないその子は
マンション下のタンクの下で
丸くなってずっと鳴いているのだという。
かわいそうな子はいっぱいいます。
だけど、飼い猫はダメだよ。
だってお外を知らないから。。。
午後の配達を回りながらずっとその子のことを考えていました。
私のうちの子がもしもお外に出て帰れなくなったら
どこへ行けばいいのか?
どうしたらいいのか?
お腹もすいて、おうちに帰りたい。
そう思って動けずにずっと鳴いているに違いない。
仕事帰りにそこへ行ってみよう!
そう思い、仕事を急いで終わらせました。
だけどね、その時すでにメンバーが現場へ向かっていたんです。
猫を愛する人達が集まった団体だから
考えることはみんな同じです。
二人のメンバーが走っていました。
メンバー「ハチワレの子発見!
そこまで痩せてはいないけど
この子ずっと鳴いてる。」
メンバー「凄い勢いでご飯食べてる。
もの凄くお腹が空いていたんだと思う。」
ご近所の方達も出て来て事情を聞く。
マンション内の飼い猫かもしれないとのことで
そちらも訪問。
ご近所の方もこの子のことで何度も訪問したらしいが
トラブルから警戒しているのだと言う。
ここのマンション内の子であるなら
この子がずっとここから動かず鳴いている理由も納得できる。
この子がそこのおうちから出たのか?
出されたのか?
それともどこかから迷い込んで来たのか?
真相はわかりませんが
やはりこのまま放置はできません。
子猫ではないけれど
1歳にも満たないくらいではないか。
去勢手術がされたオスでした。
一人のあづかりさんが手を上げて下さり
その子はそのままあづかりさんのおうちへ。
良かった。
これでひとまず安心です。
そして、迷子猫の掲示板で
飼い主さんが探していないかをくまなく探します。
該当はありませんでした。
それから二日後。
メンバーから連絡が入ります。
保護したハチワレの子がずっと鳴きっぱなしで
あづかりさんがもう見れないと申し出てきたという連絡。
今はどこも子猫であづかりさんはいっぱいです。
その時、おうちに離れの別宅がある
一人のあづかりさんがOKして下さったと連絡が入りました。
でも、離れにその子一人でかわいそうではないですか?
あづかりさんは心配していました。
私はね、その子が何故そんなに鳴いているのかを
ずっと想っていたんです。
おうちにいた、飼い猫だったその子は
不安でずっと鳴いているのではないだろうか?
心細くて、どうしていいのかわからない気持ちで
鳴いているのではないだろうか?
だとしたら、離れに一人ぼっちはその子が壊れてしまう。
中学生の息子を呼び話をします。
この子の保護、今の状況
この子をうちに連れて来てもいい?
連れて来たら息子の部屋に入れることになるからです。
息子「いいよ。」
私「だけど凄い鳴くんだって。
ずーっと鳴いてるんだって。
それはずっと続くかもしれないよ。」
息子「そんなの今までだってあったし
我慢がたりん!」
私「一緒に迎えに行こう。」
息子「行くよ。」
メンバーに送る「私が迎えに行きます!!」
夜の道のり、片道40分ぐらいかかったかな。
あづかりさんのおうちに入り
その子は大きな2段のケージ内で落ち着きがなく
ずっと動き回っていました。
ご飯はひっくり返り、とにかく鳴いている。
その子をゆっくり抱っこする。
私「大丈夫!!
おうちに行こう!!」
キャリーに入れ、帰りの車の中でずっと鳴いていました。
この日私は何故息子を一緒に連れて行ったのだろう?
見ててほしかった。。
人に馴れたこの子はできればケージに入れたくはありません。
ですが、縄張りが変わり
環境の変化、匂い、他の猫さん達。
落ち着くまでは仕方がない。
おうちに入ってからもずっと鳴いて
ケージの中を動き回り
とにかく落ち着かない。
この子にはきっと大切な人がいたに違いない。
寂しくて不安でどうしようもない気持ち。
この子を想うと涙が出る。
絶対大丈夫!!
絶対何とかするからね!!
そこまで痩せている訳ではなく
体もそこまで汚れていない。
まだそんなに日にちが経ってないように思いました。
いつからお外で
いつからずっと鳴いていたの?
きっと疲れたんだろうと思います。
子猫のようにはいきません。
お互いもの凄い威嚇。
落ち着きがなく鳴きっぱなしのこの子
本人も先住も疲れてしまいます。
先住はイライラし始めました。
この子を抱き
想うことはたくさんあります。
大丈夫だからね。
その一言です。
保護した地名の一文字を取って
名前「きよし」
命名 ねこネットあまSさん(≧◇≦)
おうちに入り1日1日変化があります。
きーちゃんは少しづつ落ち着いてきました。
人がいない時は鳴きません。
人が入って来るとスイッチが入ったように鳴き出す。
まるで、一人にしないで。
そう言ってるように見えてならなかった。
お互い威嚇をします。
でも攻撃性はありません。
大丈夫!
こんな時、私は笑顔で2頭の名前を呼びます。
大丈夫な雰囲気を作ります。
きーちゃんの表情が変わって行く。
もうほとんど鳴きません。
ご飯が欲しい時と
甘えたい時に鳴く。
あなたはあの場所で
ずっと何を想っていたんだろうね。
ずっと鳴いていたのは
寂しいよ。不安だよ。
そう言っていたんだろうね。
甘噛み
おもちゃで遊ぶ事を知っていたあなたは
あなたの大切な人とも
そうして過ごしてきたんだろうね。
少しづつ距離を縮めていきます。
私はね、こういう優しいところがある
猫さんが大好きです。
自分の縄張りを守る威嚇
自分を強く見せるための威嚇
それは本能なのかもしれません。
だけどここで長くは必要ありません。
きーちゃん、あなたはまだまだこれから。
楽しいことも
おいしいものも
たくさん幸せが噛みしめられる
そんなおうちを探そうね。
あなたはこんなにも
愛らしい猫さんだから。
by 会員K