一笑一杯

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親父の唄 ③

2019-12-07 06:55:00 | 日記
告別式の話に戻る。喪主の挨拶は3年2ヶ月前の母親の時以来である。
周りからは「男は連れ合い亡くすと意外と早く逝くもんだ。2年くらいかもなぁ」
と聞かされていた。心の中ではそんなはずは無いと思っていた。食事のバランス、月2回の病院での輸血と検診など出来ることはやってきたつもりだ。が、3年2か月..…どちらにしても天寿を全うした形だ。

 喪主の挨拶はネットをみても簡潔に述べる事を勧めている。
音楽好き、楽器好きな親父に最後くらいなんか出来ることはないか?必死に考えた。
意表を突く家族しか出来ないこと。
「そうだ!」
3年前に親父の録音したテープが見つかった。元気なうちに「これCDに(デジタル化)しておくわ」と確かパソコンに保存してた事を思い出した。
その中に
「高原列車よ」という昭和29年頃流行った曲があった。今から40年前に親父47歳の頃に録音されたものだ。
「よし、喪主の挨拶の最後に流そう」
誰かに言うと反対されそうだ。せめて自分の息子にだけは伝えようと2人には話しておいた。

とうとう自分のスマホに入れて何度もテストした本番がやってきた。
「最後に、親父の唄聴いてあげてください」イントロが流れた。マイクを近づけ音を拾った。曲に入り歌声が流れると村の人(観音講)達がすすり泣いた。いい声だ。
確かにのど自慢を荒らしただけある。
このオレの中にはあんたの才能が少しはまだ眠っているかもね。もう49日の旅も終わりに近づいてる。早く母親と会ってくれ。




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