1968年、大学を卒業した私は、音楽学部が新設されたばかりの「徳島女子大学」に赴任し、合唱の育成を託されました。
私の合唱人生は中学の頃より始まります。
まず、小学四年生の妹、中一の私、高一の兄、父の4人でファミリー合唱団を始めました。
それでハーモニーに目覚め、中学、高校では合唱団を結成し、合唱コンクールに応募しました。
大学では神戸女学院のオペラ公演に参加したり、大阪放送合唱団が中心になって、中世の合唱曲を研究するロベルト・ヴリーゲン先生の指揮する「カテドラル合唱団」に参加しました。
「徳島女子大学」で合唱の育成を託された私は、全日本合唱連盟の主催する夏季合唱講習会を受講しました。
そこでご指導いただいたのが「田中信昭」先生でした。
私がモデル指揮をすると「田中信昭」先生は「貴方はパレストリーナをよくご存知のようですね!」と不思議そうに誉めて下さいました。
ロベルト・ヴリーゲン先生の下で沢山の中世の合唱曲を経験したことを話すと、納得して下さいました。それが「田中信昭」先生との出会いでした。
「田中信昭」先生の指揮される東京混声合唱団の響きの繊細で柔らかいことにはいつも尊敬して参りました!
大学ではその後、オーケストラや、吹奏楽の指導が中心になってしまいましたが、合唱の楽しさは忘れられず、時間を見つけては阪神地区の合唱団に参加し続けました。
田中信昭 氏
1956年東京芸術大学を卒業と同時に東京混声合唱団を創立、常任指揮者に就任。多くの作曲家と協力して新しい日本の合唱音楽の創造に力を尽くされた。