
高校生の頃、横顔がとても可愛いと思うクラスメイトがいて、それを誉めた。
当時女の子に人気だった水森亜土の絵のようだったから。
しかし、彼女は喜ぶどころか顔をこわばらせて、中学の時に男子にこの横顔を散々虐められたと言った。
アヒルがガーガーガーとか言われて、と。
それは男の子が可愛い女の子をわざといじめる類の微笑ましいエピソードではなかった。
思いもしなかった反応に驚いて、
意地悪じゃなくて本当に可愛いと思ったんだと何度も言い訳したけれど、
耳を貸してはもらえなかった。
それからしばらく経って、
その子に突然わたしの眉毛が変だとみんなの前で言われた。
漫画みたいと言ってゲラゲラ一人でずっと笑い転げていた。
あーあの時の仕返しをされたんだなと思った。
周りの友人達は誰一人同調せず笑いもせず、
いつまでも笑い続ける彼女を少し諌めて
困った顔をしていた。
みんな彼女が私に仕返ししたことが分かったのだ。
この時の光景を、
半世紀近く経った今も鮮明に覚えている。
私の言葉に傷ついた彼女の姿も、
私に仕返しして馬鹿笑いする彼女の姿も。
悪意など無くむしろ好意から出た言葉でも
あれほどに人を傷つけるという驚きと
申し訳ない懺悔の気持ちが
今も生々しく胸に残る。
そして、その私達を、全てを理解した上で見守っていたあの時の友人達の
なんと大人びていたことか。
改めて感心する。
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