こんな時代が来るなんて、かつては予想もしなかった。
私の若い頃は西武グループの隆盛とシンクロしている。
プリンスホテルと言えば、若い女性の憧れのホテルだった。
特に旧館として残されているかつての宮邸は
おとぎの国の主人公になったような気分にさせてくれた。
国土計画も何をやっているのか分からない会社だったが
アイスホッケーが強かったので名前だけは知っていた。
西武と国土にはカナダ出身の日系人若林兄弟がいたから。
渋谷の公園通りの開発はあの時代の象徴だ。
西武デパートやパルコは、それまでの渋谷を代表していた
東急デパートに比べると一段と垢抜けて見えた。
「おいしい生活」などと言うわけの分からないコピーや
イメージ先行のパルコのCMが最先端に感じられたものだ。
堤清二と義明兄弟の確執にも週刊誌的な興味をそそられた。
正妻の子の兄清二ではなく、お妾さんの子であった弟義明が
跡取りになるというまるでテレビドラマのような展開。
その上、兄は東大出の秀才で小説家、左翼思想に被れ
自分の家を糾弾する活動もしていたとなれば、
作り物のドラマよりはるかにドラマティックだ。
清二氏は文化人を自負していたから、劇場を作ったりして
自ら芸術文化の振興に尽くした。
しかし、商売人としての力量は無かったのだろう。
結局経営に失敗して退任した。
義明氏は自分の好きなスポーツまでも商売にして
いろいろ悪口を言われていたが、
如何にもインテリ然とした清二氏と好対照で
二人はキャラクターとしてもドラマになるなと感じた。
おまけに、一代で富を築いた父康次郎氏の派手な女性関係や
臣籍降下して金に困った貧乏皇族から
次々とお屋敷を買い取った逸話などを絡めれば
見応えある大河ドラマになること間違いなしの一族だ。
でも、誰もそれをしなかった。
怖かったからだ。
当時、堤家は強大な権力を持っていたから。
いつか、堤一族の栄華が終焉を迎える時、
こうしたお話が面白おかしく一気に噴出すのだろうなと思ってはいたが、
まさか、本当に現実になるなんて・・・。
テレビ朝日が昔放送した秘蔵フィルムを盛んに流している。
題して「堤義明のカッコイイ青春」。
でも、何だか笑えない。生々しすぎて。
それまで尻尾を振っていた人間が、彼の凋落にいち早く逃げを決め込み
舌を出しているようで嫌な気分だ。
もう少し時が経ち、騒動が一段落して、
関係者がこの世を去ったら、
ドラマとして脚色されたこの一族の愛憎と盛衰の物語を
是非見てみたいものだ。
私の若い頃は西武グループの隆盛とシンクロしている。
プリンスホテルと言えば、若い女性の憧れのホテルだった。
特に旧館として残されているかつての宮邸は
おとぎの国の主人公になったような気分にさせてくれた。
国土計画も何をやっているのか分からない会社だったが
アイスホッケーが強かったので名前だけは知っていた。
西武と国土にはカナダ出身の日系人若林兄弟がいたから。
渋谷の公園通りの開発はあの時代の象徴だ。
西武デパートやパルコは、それまでの渋谷を代表していた
東急デパートに比べると一段と垢抜けて見えた。
「おいしい生活」などと言うわけの分からないコピーや
イメージ先行のパルコのCMが最先端に感じられたものだ。
堤清二と義明兄弟の確執にも週刊誌的な興味をそそられた。
正妻の子の兄清二ではなく、お妾さんの子であった弟義明が
跡取りになるというまるでテレビドラマのような展開。
その上、兄は東大出の秀才で小説家、左翼思想に被れ
自分の家を糾弾する活動もしていたとなれば、
作り物のドラマよりはるかにドラマティックだ。
清二氏は文化人を自負していたから、劇場を作ったりして
自ら芸術文化の振興に尽くした。
しかし、商売人としての力量は無かったのだろう。
結局経営に失敗して退任した。
義明氏は自分の好きなスポーツまでも商売にして
いろいろ悪口を言われていたが、
如何にもインテリ然とした清二氏と好対照で
二人はキャラクターとしてもドラマになるなと感じた。
おまけに、一代で富を築いた父康次郎氏の派手な女性関係や
臣籍降下して金に困った貧乏皇族から
次々とお屋敷を買い取った逸話などを絡めれば
見応えある大河ドラマになること間違いなしの一族だ。
でも、誰もそれをしなかった。
怖かったからだ。
当時、堤家は強大な権力を持っていたから。
いつか、堤一族の栄華が終焉を迎える時、
こうしたお話が面白おかしく一気に噴出すのだろうなと思ってはいたが、
まさか、本当に現実になるなんて・・・。
テレビ朝日が昔放送した秘蔵フィルムを盛んに流している。
題して「堤義明のカッコイイ青春」。
でも、何だか笑えない。生々しすぎて。
それまで尻尾を振っていた人間が、彼の凋落にいち早く逃げを決め込み
舌を出しているようで嫌な気分だ。
もう少し時が経ち、騒動が一段落して、
関係者がこの世を去ったら、
ドラマとして脚色されたこの一族の愛憎と盛衰の物語を
是非見てみたいものだ。
恐怖政治だったんだろうね。
しかしあの2人、顔立ちが似ていないと思ったら異母姉妹だったのねぇ。
お金持ちのやることは訳分からんよ。
友達は作るなと言う父親の教えに従って、仕事以外の付き合いはしない孤独な人だったとか、母上は堤の姓も名乗れず彼の結婚式にも出席できず、一緒の墓にも入れなかった。でも、新聞の死亡広告には堤の名前で出した。とか・・・。
彼は、自分は西武を一人で支配したけれど、子供に権力を委譲しようとは思わなかったんだね。そこが、ダイエーの中内とちょっと違う。
知れば知るほど複雑で不思議な人だな。