小保方晴子氏の記者会見を見た。
会見の冒頭、涙をため上ずった声で彼女が話し始めた時、
これはまずい、泣くのか? 泣き落とし作戦なのか? と焦ってしまった。
論文の改ざん・捏造などと言うと物凄く悪いことをしたように聞こえるが
殺人でも傷害でも強盗でも詐欺でも薬物乱用でもない、
学問研究の世界で批判され糾弾されているだけだ。
だから、彼女が申し訳ありませんでしたと
日本全国に向けて深々と頭を下げ謝罪する姿を見て非常に違和感を覚えた。
というか、ここまでさせる必要があるのかと疑問を感じた。
今回の記者会見は彼女が研究者として自分の立場を弁明するためのものだ。
ならば堂々と学問的に反論すればよいだけで
泣いてしまったら素人の女の子が媚びて情けを乞うような姿になってしまう。
それは違うだろう。
だから焦ってしまったのだ。
しかし弁護士による説明が続いている間に彼女も落ち着いたのか
質疑応答に入った時には涙を見せることなく淡々と受け答えをしていた。
それで良いのだとほっとした。
ところが今後の身の処し方に話が及ぶとやはり泣いてしまった。
この先研究者として生きて行くためにはどこかに研究する場を得なければならない。
そして、それは彼女の力ではもうどうすることもできない。
それこそ情けにすがるしかないのだ。
だから彼女も思わず泣いてしまったのだろう。
でも、マスコミは待ってましたとばかり彼女の涙に飛びついたね。
彼女が泣いたのはその時その件についてだけなのに
「涙の謝罪」とタイトルをつけて一斉に報道した。
まんまとマスコミの術中にはまってしまった。
だから絶対に泣いたらダメだったのだよ。
それにしても、この問題が起きた時、私は不思議でならなかった。
学問研究の世界のことを多少なりとも知っている私にとって、
レフェリーのついた世界的に権威ある学術雑誌に論文が載るというのは
それはもうものすごく大変なことという認識だ。
ところがその著者が実験の仕方も論文の書き方もはなはだ未熟だったという。
そんなことがあるのか。
ハーバードに留学し有名な先生の指導を受けたり
理化学研究所にポストを得ることも決して容易なことではないはずだ。
それなのに彼女の話し方や反論の内容はまだ右も左も分からない女子学生のようだ。
私の常識ではちょっと理解しがたいことばかりだ。
今朝のワイドショーでは相変わらず彼女の服や化粧やヘアースタイルが話題になっていた。
痩せて綺麗になったとか泣いて可哀相とか女に嫌われるタイプとか、
それらがかつて一度は「ノーベル賞級の発見」をしたともてはやされ
今その発見自体に疑念を抱かれて反論している研究者を語るに
ふさわしい言葉とは私には到底思えない。
本当になんでもかんでも下世話な話になってしまうのだな。
私はマスカラばっちりの目で顕微鏡をのぞく小保方さんの姿に、これは日常ではないだろうと思いながらも化学者としてどうなのだろうとひっかかるものがありました。
それと、山中先生のips細胞に対抗するような様子。
これは小保方さんというより理研が強く意識していたのでしょうけれど。
過剰演出だった発表時との比較と言う意味でも今回の記者会見は注目していました。
洋服は紺のおとなしめなワンピースで化粧もかなしげな雰囲気でなるほどと思いましたが、美容師をホテルに呼んで巻き髪を作ってもらったという話を聞いて笑ってしまいました。
小保方さんはなんだか漫画チックですね。
それがマスコミにはたまらない魅力なのかも(笑)
彼女って男性が好ましいと思う感じなのかもしれません。実際にファンもいるみたいだし。
マスコミの騒ぎ方がちょっと目立つ女の子をいじめて喜んでいる悪ガキみたいと言ったら的外れでしょうか。
「だから女は」って嫌ですよね。
「だから男は」って思うことだってたくさんあるのに。
社会の第一線に出て行こうとする女性を叩くときのこの常套句で足をすくわれないように、活躍している女性には肝心な時には絶対に泣かないでほしい。
田中真紀子氏が外務大臣の時に泣きべそをかいたのを見て以来、特にそういう思いが強くなりました。
記者会見までして(視聴率の話題まで!)
どうも本質(というか本業)と違う方向にマスコミが持って行ってしまう気がしてこの話題を見るたびにげんなりします。
amenboさんの人格者の記事の時に
なんとなく、本当にちょっとした感覚ですが
当時の話題に妙な演出感があって
すーっと受け入れられずにいました。
どんな人でも自分の本分を全うしようと生きるのが一番だと思うので
彼女にはとにかく余計なことは考えず、するべきことをただこなして欲しいです。
それさえ出来ていれば
こんな騒ぎも起きなかったと思うのです。
と思っていました。
会見を全部みていないのですが、
とにかく会見場でのマスコミの様子を見ているだけで、
腹立たしいし、
NHKのように意図的に
「理論も分からないような素人は、女の涙に騙されるな。専門家(誰とは言わない)はみんなSTAP細胞はないと言っている」的な報道をしているし、
報道の内容なんかどうでもいいから、も一回STAP細胞作って見せればいいのよ!
と気が短いオバサンは思うわけです。
小保方さんもamenboさんの言うとおり、
なんだかぽーっとした話し方なのが、30過ぎてこれでは。。。とオバサンはまた思ってしまうわけです。
やっぱり髪型とか容姿とかの話がでてしまうのも、
男の研究者だったらそんなことにはならないだろうな、
と思ってしまいます。
男社会なんだよな~ああいう業界も。
媚を売るつもりはないのでしょうけど、も少し頑張ってほしいですね。