あむのロードス

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第45話目♪ ディードリットの追憶外伝 戦火の中で

2023-06-08 13:45:00 | お話♪


ベルド率いるマーモ軍とファーンを始めとするヴァリス連合軍は、最終決戦を迎えていた。

最前線に送られた、マーモ軍の黒の導師バグナードは次第に周りをヴァリス兵に囲まれ絶対絶命の窮地に立たされていた。



ゲヘナの火よ・・!爆炎と・・なりて敵を滅ぼせ!!


・・なんだ?!






ボ・ボボ!
フレイム・ボム!

ドゥーン!!
ぐぁっ!!



・・ぐッ!!
(・・これしきの痛み気にせねば、どうと言う事もないが、流石に魔法の連唱はできぬ・・!!)


おい・・!
あれは?!
マーモの軍師、バグナードではないのか?

なぜ、かような所にて闘っているのか?!

それほど、マーモには余力が無い、と言うことなのか・・!



わからん!どちらにせよ、
これは好機!!



皆の者!バグナードだ!討ち取って名を上げろォ!!

オオオッッ!!



まずいぞ・・!
バグナードはヴァリス兵達に取り囲まれた・・!



ピロテース!
一隊を率いて、孤立無援のバグナードに合力せよ!



ハッ!

足りなければ、俺の隊も連れていけ!






無用にございます!
アシュラム様!
では!



ピロテース隊、いくぞォ!!
私に続けェ!!



ウォオオオ!!

ドドドドッ!!



・・空を切り裂く、天上の雷よ!
我が剣となりて、敵を滅ぼせ!!


ディ・ヴァジュラ!!(轟雷)

バリッ!バリバリ!
ドドドォォン!!!



ぐあっ!





ぎゃあ!






くそっ!






えいッ!





ぐぁッ!



フン!
ヴァリス兵など他愛無い!
このピロテース一人で
蹴散らしてくれよう!






・・む!
あの右手より出て来た一隊は何だ?!
広範囲の魔法を使える者がいる・・!





ダークエルフの仕業でございましょう!

ファリスの名にかけて私が止めて参ります!




ウム!・・頼むぞエルム!





バグナード殿ォーーッ!!



おお!ピロテースか・・!




さあ!
我が隊が御守り致します故、アシュラム様の元へ退却くだされ!

そうは、いかん!




!!

バグナード覚えているか?
アラニアの賢者の学術院を・・!!


同胞と我が師、ラルカスを葬り去った
貴様だけは、生かして帰すわけにはいかん!



・・クク!
これも運命か・・!
まさかこんな所で、あの時の生き残りに出会うとはな・・・!



ピロテース殿、すまないが、この者と
決着をつけねばならん!

その間、ジャマをする者共を蹴散らしてはくれぬか?


・・承知しました!



バグナードォォオ!!





聖なる光よ!邪悪なる者を打ち砕く剣となれ!


レイニング・ボウ!!
(聖光鉄鋼破弾!)
ドドドドッ!!



ぐッ・・!



フンッ!

バキンッ!

・・ゲヘナの火よ!爆炎となりて敵を滅ぼせ!!




ボボボ!

エレエレナムメイリン!水の精霊よ!
我が盾となり給え!



フレイム・ボム!


ドゥーン!!

水の精霊の盾の前では
おまえの火炎魔法は
無意味ぞ・・!


・・・

ズド!



かッ・・!?
(バグナードの手にしていた剣がエルムの胸を貫いた)






これで禍根は残すまい・・!































第44話目♪ ディードリットの追憶外伝  マーモでの一件その後

2023-06-07 16:08:00 | お話♪



・・クソッ!
・・灰色の魔女のせいで・・!
私は終わりだッ・・!





ベルド皇帝は次の戦で戦果を
上げなければ、私を許さないだろう・・!



・・一体何を閣下に言われたのだ?
バグナード・・?


次のヴァリス攻め、・・この私が
最前線で戦闘をせよとの事・・!



・・なんと!








・・私にはもう後が無いのだよ・・!
アシュラム・・



アシュラム様・・!



・・うむ!
分かっている、ピロテース!







(バグナードは
ラルカスの呪いも残っている・・
満足に戦なぞ、出来るはずがない・・!!)






黒の導師バグナードはかつて、アラニアの賢者の学術院に於いて、将来を有望視された天才魔術師だった。院長のラルカスのまさに右腕として手腕を発揮していたが、禁忌とされる火炎魔法を始め、封印されていた暗黒魔術に手を染めたため、ラルカスが魔術を行使出来なくなる強制の魔法“ギアス“をバグナードに掛けた。この魔法は対象者が魔術を行使すると、耐え難い激痛が全身を襲う、というもの、バグナードはそれでも己の魔術への執念は衰えず、自身の弟子数名とともに暗黒の島マーモへ渡り、力を蓄え、復讐すべく再びアラニアの学術院を訪れ、老境のラルカスを始め、高位の魔術師達を皆殺しにし、学術院秘蔵の数々の魔法の道具(マジックアイテム)を強奪、その後、建物を燃やしアラニアの学術院を完全に滅ぼした。







閣下・・




・・アシュラムか?
何用だ・・?!

閣下・・恐れながら申し上げます
此度のバグナードへの仕打ち・・
余りにも非道かと・・




フン・・!
何かと思えば、その様な事か・・!








あやつ(バグナード)は少し考え違いをしておる・・









我がマーモの宮廷魔術師で在る事を
いいことに、あぐらをかき、さも自身が戦局を左右して居るかの如き
振る舞い・・!
捨て置けぬ!





お言葉ですが閣下・・
バグナードはマーモの軍師でも
ありましょう?


その様な事、カーラにやらせれば良い!



シャイニングヒル城の件、余はワザとバグナードの居る前でカーラを褒めたのだ!



・・は?!



忘れたか?アシュラムよ・・!
このベルドがマーモを築く時、誓った
“血の掟“を・・!



はい・・!忘れてはございません!



例え小鬼(ゴブリンの事)一匹といえど、殊勲を挙げればその功を認め褒美を取らせ優遇する事をな・・!

例え貴族で有ろうと無かろうと
武勲によってのみ
このマーモでは、のし上がる事が出来るのだ・・!
必要なのは強者のみ!!
この事は余も同じ!
それは絶対の掟よ!

功なき者に居場所はないわ!



あやつはシャイニングヒル城を3日で落とすと言ったが、落とせなかった
ばかりか、マーモ軍に多大な損害を出し敗走した!





カーラはほとんど犠牲も出さず
僅か一日で落城させた・・!



あやつには、
・・ちと灸を据えてやらねばいかん!