あむのロードス

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第46話目♪ ディードリットの追憶 ドワーフの古道、死者の寝床

2023-09-19 14:08:00 | お話♪


あっ!あれは?
ぼんやり光っているのは、もしかして人魂でしょうか・・?

キレイ・・

ウィル・オ・ウィスプですね・・
特に害を成すものではありません、気にせず先に進みましょう・・



うええ・・やっぱり人魂か・・
ああはなりたくないものですね・・

このドワーフの古道で力尽き
志なかばで亡くなった者は数知れんからな・・


(ゾンビ)
明日の我が身よ・・
ホレ!来おったわい!

ぞっ!ゾンビっ!

でぃやアアア!!

パーン!


ワイト(屍霊)ですか・・!
くっ!しかし数が多すぎるッ!

このままじゃ・・キリがないわ!
スレイン!魔法は!?

これでは魔法詠唱のスキがありません!

魔法を、と・唱える前にやられてしまいます!

“死者の寝床“へ入り込んじまったか・・!
エトッ!!
お主僧侶じゃろう?!
神聖魔法でこやつらを浄化せんかい!


あわわ・・!



エトッ!?

ごっ!ごめ・・!
実はニース様の所で修行して学んだのは
“体術“と“徒手空拳“ばっかりで・・!



マホウはほとんど
習ってないんですぅ〜〜〜!!



やれやれ・・
・・仕方ない!スレイン!
ワシらで時間を稼ぐから
お主の魔法でなんとかせい!



よし!スレインを中心に円陣を作るぞ!



ええ!


・・わかりました!

・・スウゥ・・

・・すべての生命の源となる水の精霊よ・・!
・・我が友に力を与えたまえ!・・


お・・おお!

力が漲ってくるあぁ!!

スレイン!頼むぞ!



・・大いなる風を司る精霊よ・・!

・・古の理と盟約と契約に依って


我が身と友をその息吹で護りたまえ・・!


・・ストライバー!!(風精霊遮壁結界陣!!)



ブアァッ!!
ドドドッ!



風の精霊の力によって、私の周りに分厚い真空の幕を、作りました・・!
・・これなら、もうワイトは私達に近づくことが出来ません!

さっすが!

・・やれやれ、しかしドワーフの古道・・だいぶ進んだはずだ
・・まだ先は長いのか?ギム?


・・んん?
いや、もうとっくにモスの領域内に入ってるハズ・・
あとは出口を見つけるだけじゃ!

ちょっと!
アナタは道案内するために居るのでしょう?
出口が分からないなら案内の意味が無いじゃない!


トラップ・ザ・ラビリンス(迷宮の罠)ですね・・?



さよう・・この古道は何百年も前に造られた、その時の魔法がいまだに掛かっておるんじゃ・・

・・げ!?


む?!






あっ!あれは?

まずいぞ!



アシッドドラゴンだ!!









第45話目♪ ディードリットの追憶外伝 戦火の中で

2023-06-08 13:45:00 | お話♪


ベルド率いるマーモ軍とファーンを始めとするヴァリス連合軍は、最終決戦を迎えていた。

最前線に送られた、マーモ軍の黒の導師バグナードは次第に周りをヴァリス兵に囲まれ絶対絶命の窮地に立たされていた。



ゲヘナの火よ・・!爆炎と・・なりて敵を滅ぼせ!!


・・なんだ?!






ボ・ボボ!
フレイム・ボム!

ドゥーン!!
ぐぁっ!!



・・ぐッ!!
(・・これしきの痛み気にせねば、どうと言う事もないが、流石に魔法の連唱はできぬ・・!!)


おい・・!
あれは?!
マーモの軍師、バグナードではないのか?

なぜ、かような所にて闘っているのか?!

それほど、マーモには余力が無い、と言うことなのか・・!



わからん!どちらにせよ、
これは好機!!



皆の者!バグナードだ!討ち取って名を上げろォ!!

オオオッッ!!



まずいぞ・・!
バグナードはヴァリス兵達に取り囲まれた・・!



ピロテース!
一隊を率いて、孤立無援のバグナードに合力せよ!



ハッ!

足りなければ、俺の隊も連れていけ!






無用にございます!
アシュラム様!
では!



ピロテース隊、いくぞォ!!
私に続けェ!!



ウォオオオ!!

ドドドドッ!!



・・空を切り裂く、天上の雷よ!
我が剣となりて、敵を滅ぼせ!!


ディ・ヴァジュラ!!(轟雷)

バリッ!バリバリ!
ドドドォォン!!!



ぐあっ!





ぎゃあ!






くそっ!






えいッ!





ぐぁッ!



フン!
ヴァリス兵など他愛無い!
このピロテース一人で
蹴散らしてくれよう!






・・む!
あの右手より出て来た一隊は何だ?!
広範囲の魔法を使える者がいる・・!





ダークエルフの仕業でございましょう!

ファリスの名にかけて私が止めて参ります!




ウム!・・頼むぞエルム!





バグナード殿ォーーッ!!



おお!ピロテースか・・!




さあ!
我が隊が御守り致します故、アシュラム様の元へ退却くだされ!

そうは、いかん!




!!

バグナード覚えているか?
アラニアの賢者の学術院を・・!!


同胞と我が師、ラルカスを葬り去った
貴様だけは、生かして帰すわけにはいかん!



・・クク!
これも運命か・・!
まさかこんな所で、あの時の生き残りに出会うとはな・・・!



ピロテース殿、すまないが、この者と
決着をつけねばならん!

その間、ジャマをする者共を蹴散らしてはくれぬか?


・・承知しました!



バグナードォォオ!!





聖なる光よ!邪悪なる者を打ち砕く剣となれ!


レイニング・ボウ!!
(聖光鉄鋼破弾!)
ドドドドッ!!



ぐッ・・!



フンッ!

バキンッ!

・・ゲヘナの火よ!爆炎となりて敵を滅ぼせ!!




ボボボ!

エレエレナムメイリン!水の精霊よ!
我が盾となり給え!



フレイム・ボム!


ドゥーン!!

水の精霊の盾の前では
おまえの火炎魔法は
無意味ぞ・・!


・・・

ズド!



かッ・・!?
(バグナードの手にしていた剣がエルムの胸を貫いた)






これで禍根は残すまい・・!































第44話目♪ ディードリットの追憶外伝  マーモでの一件その後

2023-06-07 16:08:00 | お話♪



・・クソッ!
・・灰色の魔女のせいで・・!
私は終わりだッ・・!





ベルド皇帝は次の戦で戦果を
上げなければ、私を許さないだろう・・!



・・一体何を閣下に言われたのだ?
バグナード・・?


次のヴァリス攻め、・・この私が
最前線で戦闘をせよとの事・・!



・・なんと!








・・私にはもう後が無いのだよ・・!
アシュラム・・



アシュラム様・・!



・・うむ!
分かっている、ピロテース!







(バグナードは
ラルカスの呪いも残っている・・
満足に戦なぞ、出来るはずがない・・!!)






黒の導師バグナードはかつて、アラニアの賢者の学術院に於いて、将来を有望視された天才魔術師だった。院長のラルカスのまさに右腕として手腕を発揮していたが、禁忌とされる火炎魔法を始め、封印されていた暗黒魔術に手を染めたため、ラルカスが魔術を行使出来なくなる強制の魔法“ギアス“をバグナードに掛けた。この魔法は対象者が魔術を行使すると、耐え難い激痛が全身を襲う、というもの、バグナードはそれでも己の魔術への執念は衰えず、自身の弟子数名とともに暗黒の島マーモへ渡り、力を蓄え、復讐すべく再びアラニアの学術院を訪れ、老境のラルカスを始め、高位の魔術師達を皆殺しにし、学術院秘蔵の数々の魔法の道具(マジックアイテム)を強奪、その後、建物を燃やしアラニアの学術院を完全に滅ぼした。







閣下・・




・・アシュラムか?
何用だ・・?!

閣下・・恐れながら申し上げます
此度のバグナードへの仕打ち・・
余りにも非道かと・・




フン・・!
何かと思えば、その様な事か・・!








あやつ(バグナード)は少し考え違いをしておる・・









我がマーモの宮廷魔術師で在る事を
いいことに、あぐらをかき、さも自身が戦局を左右して居るかの如き
振る舞い・・!
捨て置けぬ!





お言葉ですが閣下・・
バグナードはマーモの軍師でも
ありましょう?


その様な事、カーラにやらせれば良い!



シャイニングヒル城の件、余はワザとバグナードの居る前でカーラを褒めたのだ!



・・は?!



忘れたか?アシュラムよ・・!
このベルドがマーモを築く時、誓った
“血の掟“を・・!



はい・・!忘れてはございません!



例え小鬼(ゴブリンの事)一匹といえど、殊勲を挙げればその功を認め褒美を取らせ優遇する事をな・・!

例え貴族で有ろうと無かろうと
武勲によってのみ
このマーモでは、のし上がる事が出来るのだ・・!
必要なのは強者のみ!!
この事は余も同じ!
それは絶対の掟よ!

功なき者に居場所はないわ!



あやつはシャイニングヒル城を3日で落とすと言ったが、落とせなかった
ばかりか、マーモ軍に多大な損害を出し敗走した!





カーラはほとんど犠牲も出さず
僅か一日で落城させた・・!



あやつには、
・・ちと灸を据えてやらねばいかん!



















第43話目♪ ディードリットの追憶外伝 マーモでの一件

2023-04-12 16:36:00 | お話♪
魔神戦争で六英雄の一人となった
赤髪の傭兵ベルドは
暗黒の島マーモに流れ着き、
マーモ島に於いて、
それまで群雄割拠していた
諸々の勢力、暗黒神ファラリス教、
暗殺者ギルド、
闇の森に住まうダークエルフ族、
らにはゴブリン族や妖魔すら、
その強大なカリスマで短期間の内に
まとめ上げ
一代でマーモ帝国を築いた。

・・それから、数年後
満を持して、
マーモ帝国の皇帝ベルドは、その圧倒的な武力を持って、
ロードスを統一するべく、
兵を挙げた!
またたく間に、隣国カノンを
攻め滅ぼし、ロードス全土
混沌のるつぼと化していた・・

そんな最中、
ベルドと同じくかつての六英雄の
一人である、
ヴァリスの白き王ファーンは、
国であるアラニア王国に加え、モス公国、そして中立を保っていた
フレイム王国がヴァリスを擁立し、
対マーモ帝国連合として立ちはだかるのであった。

そして、ベルドとファーンの対立からなる、この戦いは、いつしか
“英雄戦争“と呼ばれる様になった。








ベルド陛下・・!
中立を貫いていたフレイムは
我らマーモの誘いを断り・・
ヴァリスに奔った模様ですな・・



フン・・!
よかろう・・!
ファーンもろとも、フレイムを叩き潰すまで・・!!



ヒョォォオオ・・!


厶・・!?



何奴・・!





カーラか・・!
此度のシャイニングヒル城の一件、聞いておるぞ!
見事であった!!



・・いいえ、
私はただ・・最後の一押しを行ったに過ぎませぬ・・
実際にカノン王国を攻め滅ぼしたのは
精強なマーモ軍でありましょう・・!



ハッハッハ!!
謙遜するでない!カーラ!!
シャイニングヒルは難攻不落の名城!
そなたの隕石落としあっての勝利よ!!




(・・・・)




カノンが裏切ると言う、先見の目もたしか!
フレイムもヴァリスに組みするとの予見も当たった!
軍略も見事!
さらには魔導師としても強大な力をもっておる!
これ程の参謀が我がマーモに加われば
ロードス統一も夢ではないわ!
ガハハハハハハ!!



(・・これでは、バグナードの立場がないな)





(ぐっ!・・忌々しい魔女め!)



陛下・・恐れながら申し上げます
ヴァリスに潜む密偵の話によれば、パーンなる者共が
かの、荒野の賢者ウォートに会いに旅立ったとの事・・
・・もし、ヴァリスにウォートが加わる事となれば、わがマーモにとって
脅威となりましょう!!




・・それは無い
ウォートと、このカーラは協定を結んでおります故・・
ヴァリスにウォートが付く事は
あり得ませぬ・・



何故、そこまで言い切れるのだ?
其許はその協定とやらを破って、今、我らがマーモに組みしておるではないかっ・・!!



・・これは異な事を申されますな
私がいつマーモに組みしていましたか?
このカーラ、あくまでも
ベルド陛下個人の
相談役に過ぎませぬ・・



・・それと、ウォートに会いに旅立った輩・・
はたして無事に会えますでしょうか?



なに・・!?

ヴァリスからモスへ入る為には、
かの悪名高いドワーフの古道を
通らねばなりません・・



・・あの洞窟には、寝起きの悪いドラゴンや
血肉に飢えた亡者共が待ち受けております故・・



なるほどな・・既に計算済みと言う事か・・



はい・・!
では、私はこれにて・・

ヒュオオオオ・・!!







フン!・・魔女めが・・!
信用ならん・・!





まあ、そういうな、アシュラム!
使えるうちは使うに越したことはない!

それより・・
次の戦、いよいよヴァリス本体との決戦よ!
我が長年の宿敵ファーンを下す時がきたのだ!!



ハ・・!


ロードスを、我が手に!!!





















第42話目♪ディードリットの追憶 ヴァリスでの一件 その後

2023-02-11 06:28:00 | お話♪

ぐすっ!ぐすすっ!
なんじゃ・・!
みんなして、わらわをのけ者にして、
みんなキライじゃっ!!

コン・コン・・
フィアンナ姫、居るかしら?
入るわよ・・



その声はディードか?!
はいれ!はいれ!



パーティから抜け出してきちゃった・・
フフ・・
パーンもいるわよ

おお!パーン!



俺たちはああいった硬苦しいパーティは
どうも苦手でね、ずっとという訳にはいかないけど
ここに居ていいかな?

モチロンじゃ〜!
パーン大好き!



邪魔するぞ!



・・いいのですか?王女様の部屋を貸し切ってしまって・・


遠慮しなくて良いぞ!
パーンの仲間達なら大歓迎じゃ!


わらわ一人でこんなに広い部屋は、寂しかった所なのじゃ!





ねぇ・・パーン、ファーン王に
“聖騎士への入隊“が認められたんでしょ?

・・ああ

なんで断ったの?



そうですよ・・
しかも入隊した暁にはヴァリスに伝わる伝説の鎧“ロードオブセインツ“(聖なる鎧)までくれるって言ってたのに・・



・・父さん

俺の父さん・・かつてテシウスはここ
ヴァリスの聖騎士だったんだ・・父さんは聖騎士の“掟”を背いて、
いや・・背かずには居られない事情があったために
聖騎士から追放されたんだ・・

テシウスはヴァリスの国境警備に当たっていた・・



ある時、守備をしていた近くにある、小さな村が夜盗の群れに襲われ父さんに助けを求めやって来た

しかし・・国境の守備を放棄して村へ助けに行くことは、聖騎士の“掟“に反する行為・・




聖騎士にとって“掟“は絶対なんだ・・
破ってしまったら、聖騎士では無くなると言うこと


だが、
父さんは迷わずたった一人で
村へ行ってしまった

村はテシウスの活躍で救われたが、
父さんは戦いの中、
帰らぬ人となってしまった・・





悲しい話しよのぉ〜
父上はこの出来事、知っておるのか?

ああ・・
ファーン王は知っていたさ・・
でも
“掟“を捻じ曲げてテシウスを助ける
事は出来ない・・

だから、ファーン王は父さんが死んでからも聖騎士の資格を剥奪しなければならなかったんだ・・


(お前の親父は聖騎士の掟を破って追放された 
裏切り者だろうがッ!!)




・・・・





なるほど、それで、いまだにテシウスを“聖騎士の裏切り者“として憎む輩が多いのですね・・


この事は、ファーン王と一部の聖騎士でしか知らない事だからな・・


俺を“聖騎士”として認めてくれるのは嬉しいし
とても栄誉な事さ・・
でも一度、聖騎士となったら、
お前たちともう二度と冒険に出掛けることは出来なくなる・・



なるほどね、いかにもアナタらしいわ・・フフ





ぐぬぬ・・
よし!パーン!
この事、わらわに任せるが良いぞ!

えっ!?



わらわがこの一件を、“聖騎士の伝説“として
ヴァリス国中に語り伝えてやろうではないか!!



えええっ!?






(一同の不安をよそに、
この後、フィアンナが取った行動は、
パーンの父テシウスの“聖騎士の名誉の一つの形“として広く認知され、伝説となった。
裏切り者の汚名は完全に払拭された。
そして、騎士の中にはテシウスの除名を解除し復職を懇願する者すら現れたのだった。
ヴァリスの国王“白き英雄王ファーン“は“勇ましき者“と言う意味を持つ“勇者“の称号をテシウスへ贈った。)