では。
昨日言ってた「情景が脳内自動映像化される歌詞」なこの曲について。
なんかね、自分の中では以前ブログに書いたつもりなんだけど、過去記事検索しても無かった。
誰か他の人が書いたのを読んで自分が書いたと勘違いしてるのかもと思い調べたけど無さそうだし。探せないだけの可能性もあるけど、それはそれでよしとしていただければ。
さて。まず、どう言う基準で自動映像化されるされないが決まるのか自分でも分からないこの現象。
先日のキスギストトーク大会(笑)でも、以前別巻で取り上げられた『「ゆっくり夏が」の不穏感』と言う記事について意見交換してた時に、自分的に類似した曲としてこの「つれない夕暮」が瞬時に浮かび語り出す自分に驚いた。
つまりこの曲については完全に映像化されて、さもその情景を見たかのようにすり込まれていると言うこと。
まずは歌詞。
「つれない夕暮」
冬はつれなく暮れて行く
都心のビルの一角も
ヒューと寒さに風が鳴り
誰もが 足早に歩み去る
そんなたそがれに二人して
じっと向き合う喫茶店
手持ち無沙汰に時間は過ぎて
肝心なことは何も言えない僕がいる
行きたいところはないから
どこでもきっと同じことだろう
しばらくここにいるかい
君もそれでいいのかい いいのかい
僕は退屈な男かな
君はつれない女かな
手持ち無沙汰に時間は過ぎて
せつない心に満ちる はかなさひと啜り
行きたいところはないから
どこでもきっと同じことだろう
しばらくここにいるかい
君もそれでいいのかい いいのかい
構成は、『AーBーサビーBーサビ』かな。
【イントロからAメロ】
キーボードメインの演奏は哀愁が漂い、枯れ葉が風で飛ぶカサカサと言う音が聞こえてくるよう。
【Bメロ】
ここからドラム、ギター、ベースなどが加わり、重い空気感が漂うが、「喫茶店」のところでメジャーになり、「肝心な」でまたマイナーになる。「肝心なこと」とは何なのか。もしや別れ話なのか。そんなシーンが浮かぶ箇所だ。
【サビ】
ところが一転、サビはメジャーコードメインで進行してさっきまでの重い空気感が消える。
「君もそれでいいのかい」
この言葉は、どこにも行かずここにいる事と、ふたりの関係の事と、両方にかけているように思える。
あ、もしかして「プロポーズ」の言葉が言えないって事なのかな。
何となく恋人関係を続けている今の状態。
そんな風にも思える。
【Bメロ】
「僕は退屈な男かな」
あれ、ここは彼女から別れ話を切り出されそうな雰囲気を察している風にもとれる言葉だな。
「君はつれない女かな」
“つれない”と言う言葉には、冷ややか、表面に出さない、よそよそしい、何事も無い、鈍感である、などの意味があるのだが、はたしてこの歌詞の中ではどの意味合いが正解なのだろうか。
それによって展開が大きく変わってくる。
さらには「はかなさひと啜り」と言う言葉。
これがまた意味深である。
もしかしたら彼女の方が冷めてしまっている事を察して、この先どうしようか考えているシーンなのか。
【サビ】
結局ふたりの行く末が見えてこない。
色んなパターンが想定できる歌詞なのだ。
彼の心情しか描かれていないが、彼女の立場になって妄想してもやはり色んなパターンが思いつく。
「いい加減プロポーズしてよ」かも知れないし、
「あ〜、最近うまくいってないし、そろそろ別れどきかな」かも知れない。
案外彼の思い過ごしで、「私はふたりで過ごせるならどこでもいいけど、彼はどうなのかしら」
なんて事もあるかも知れない。
それとも付き合い始めたばかりで、ふたりともまだぎこちないだけなのかも知れない。
アウトロがまた、色んな捉え方が出来る雰囲気を漂わせて終わるのだ。
とにかく、私にとっては色んなパターンであれこれ映像化できる稀な曲で、もはやドラマのワンシーンとして擦り込まれている曲のひとつなのである。