VOL. ７5 ぼくのともだち

　夏かい？この暑さ・・・本来ならば梅雨の最中で引きこもってるのに、なんか変だ。体調も異変中。。　発熱が知らせてくれる。

　気付いたら　また緑深き公園の中におりました。ここでは、みみず、アリ、黄色いクモ、蚊たちがぼくに向かってきました。　ぼくは、じっと本を読んだままの姿勢でほとんど動きませんでした。　
　ごごごーっと、遠く上の方で音が聞こえてくるだけで、辺りはとても静かでした。みみずはへんてこダンス。アリは行ったり来りのブレイク。クモはぼくの自転車ベルの傘に隠れたり出たりとうろうろ。蚊はぼくを刺すことなくふわふわ目の前を飛んで舞うだけだった。
　でも、ぼくにはとても大事なともだちがいて、人間はそのともだちを嫌ってるようだけど、ぼくにはとても役にたつともだちなんだ。　　
　なのに、ある日そのともだちが、迷って人間のお部屋におじゃましたところ　みんなパニックになって　追い払おうと騒ぎ立てるから、ぼくのともだちはびっくりしてしまったんだ。　逃げられなくなって追い込まれたともだちは、　いい笑顔した人間に、一息で叩き殺されてしまったんだ。　・・・ごめんよ、ぼくが助けてやれなくて。そんな君のために、ただ祈る事しかできなかったぼくを許してね。

　おねがいだから、ぼくのともだちが迷い込んできても騒いだり、逃げ回ったり動かないで欲しいんだ。そっとしてくれれば、帰れるから。甘い花の蜜を探して