それから3年間 私からミクと退路を経つまでの短い出逢いです
ミクは私より2歳年下でした
今は58歳になっているはずです
ミクに関しては その後どんな人生を送ってきたか 想像もつきません
少女ゼンとしたミクの記憶が鮮明で強すぎ そこでストップしたままです
ミクは孤児でした
赤ちゃんの時 捨てられたそうです
ミクが自分の生い立ちを私に語り出した時のことを
鮮明に記憶しています
表情 ヘアースタイル 服装までも 詳細に蘇ります
「すごいでしょ 自分の本当の親が わからない人生なんて」
ミクの言葉に 私は黙るしかありませんでした
ミクは赤ちゃんの時 養女に出されましたが
祖父母に近い年齢の養父母だったそうです
自分は介護をするために もらわれたと 自虐的に 言っていました
日々の生活は慎ましい養父母でしたが 東京の一等地に土地付きの持ち家がありました
当時ミクはアングラ劇団の劇団員でした
地方公演で家を留守にしている時
その養父母たちが相次いでなくなってしまいました
死後一週間ほど経過していました
勿論警察の介入もあり 病死と判断されたそうですが
その後すぐ 家に親戚達が 入り込み住み着いてしまいました
ミクは裸同然で追い出されたのです
預貯金の有無もどうなったかわからないそうです
養子縁組をしているのだから 権利はミクにすべてあるはずで
その事を指摘すると ミクは黙ってしまいました
戸籍上の名前が変更したので 複雑な事情があったのでしょう
私もそれ以上は聞きませんでした
一人暮らしを始めたミクと よく飲みに行くようになりました
なんとなく満月の夜ばかりです
私とは 裏表のない良い関係と思っていたのですが
あるときミクが 私の友人に詐欺をハタライテいることが発覚
その詐欺は私にも及んでいました
金額的には少額なものでした
私にされたことに対しては 全然怒りはありませんでしたが
私の友人にまで及んでいるとなれば それは私に対しての最大の裏切り行為です
とても許せませんでした
私の責任に於いて事後処理をし それ以後ミクからの誘いには一切応じることはなくなりました
ミクは自分の詐欺行為が 私にバレてしまったことは知りません
どうして私が自分を避けるのか戸惑ったと思います
ミクからもいつしか連絡がこなくなりました
37年になります
後ろ姿がとても綺麗な女の子でした
瞳も・・・
ただその鼻は特徴的で
今再会しても すぐミクを見つけ出す 自信があります
満月の夜 ミクを思い出す度に心が痛みます
もっと 違う対処があったのではと・・・・・
でも私も当時23歳でした
正義感いっぱいの 大人子供でした
月は未だに 物悲しい存在です
板消しを されて喜ふ 姥の花
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ふき
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