先日美容院に行った。アツミは美容院が苦手。美容院、それは淑女が集う場所。CHANELのNo.5の香りが漂いそうな、白金や高輪、芦屋の街が凝縮されたような空間。国生さゆりさんがいそうな雰囲気。アツミが足を踏み入れるのは多大なる勇気がいるお店の場合が多い。
「いらっしゃいませ、ご予約のお名前は?」「お荷物お預かり致します。」とまるでエレベーターガールと同じテンションの受付嬢にたじろぎながら、その後ろでブランドバックにまぎれて並べられるアツミのくたびれたバック。すでに入り口で軽いジャブをくらう。
椅子に座り、横に置かれた雑誌に目をやると、そこには到底アツミには似合わないエレガントな装いの例えば梅宮アンナ様が表紙のようなファッション誌。「あなたに読めるかしら?オホホ!」とまるで試されているような被害妄想、挫折。アツミ完全に場違い。
カットの時「お仕事何されてるんですか?」と聞かれる事が多い。これが一番困る。なんて答えていいか解らない。美容師さんもこの質問をとっかかりとして社交辞令的キャッチボールトークで場を和ませるはずだっただろう。しかしこの質問に口ごもるアツミに「あんたにゃお手上げ!!」というふうに互いに無言のままカットの時間が流れる。逃げたくなる。
ようやく長いトンネルを抜けて支払い。「お客様のお荷物はこちらでよろしいですか?」と聞かれ「はい。」と答えるアツミ。心の中じゃ「そのバック以外にないだろ!その隣のFENDIじゃ合わないだろ!」と叫びつつ脱出の機会をはかる。笑顔で見送られるアツミ。「もういいから…。ドア開けてくれなくていいから…。見送りはいいから…。」
よろめく足取り、1,2,3,(カンカンカ~ン!)完全KO~~~!
美容院、おそるべし!
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