「浴衣のお仕立てができました」
娘の2日間の春期講習が終わってから今日は縫製の職人さんからそんな連絡を受けました。
そう、、、あの浴衣。。
2022年夏の話、浴衣のオーダーで返品を初めてされてしまいました。今日はそんな1枚の浴衣が私に教えてくれた事についてのブログを書きたいと思います。
2022年の事
2023年からは仕事が減る事は目に見えてわかっていました。と言うより動けなくなると言った方が正しいかもしれないです。
2023年2024年から娘の用事で動けなくなる
だから私はとても急いで焦って仕事をしていました。
またありがたい事に仕事の依頼もたくさん来ていました。
初めての百貨店ワークショップ。
初めての量販店ワークショップ
グループ展と予定はぎゅうぎゅう
有松はイベント続き
呼ばれた交流会に家族旅行
もう予定がぱんぱんでした。
そこで腕にひどい火傷を負いました。
でも病院にいけたのは5日後。
痛む腕を隠して続けました
コロナにもなり限界でした。
3反絞った中の1枚に起きた柄のムラ。
染めはアルバイトの子に任せアイロンがけもアルバイトの子に頼んでいました
縫製職人さんもベテランで確認しないまま、報告もこれと言って受けないままのお客様のもとへ。
残りの2反は反物で手元にありました
大変美しく自分でも満足のできでした。
同じ時に絞った2反が綺麗だったからからなんの疑いもしなかった。
3反のうち一度も確認がされないままだった1反の着物。
沖縄での現地での納品。
染め傷がおもいっきり後ろの表に入ってしまってました。
明らかでした。
現地納品で謝罪したものの
お客様のショックは大きく返金キャンセルとなりました
それぞれが確認、報告不足だったために起きてしまったトラブル、
3反のうちアイロンと染めを任せたのは1反でした。自分でアイロンしたならばすぐに気づいた傷。
縫製職人さんもベテランで腕は確かな方。
直接納品のため予定にむりくりねじ込んで縫製をしてくださりました。
普段ならば写真での完成報告があるものの今回に限ってそれは無く、前はいいのに後ろがとにかくひどい状態の浴衣が完成してしまいました。
縫製職人さんへの信頼は厚く私も確認もしなかった事も反省点です。
誰からも着られることもなく、捨てる事になってしまった浴衣。
忙しいすぎて本来あるはずの確認、お互いの報告が抜けてしまった浴衣。
腕に負った傷を見るたびに思い出されます。
「もうあんな働き方はやめよう」
反省も兼ねてその浴衣は自分で着る事にしました。
傷の部分には隠れるおくみのところに入れてもらいました。
それからは
浴衣の染め、アイロンはアルバイトに任せない自分の責任で最後まで見届けること。
縫製職人さんは完成したら必ず裏表の写真撮影と報告はすること。
私は働き過ぎない
この3つが徹底され、再犯防止に努めています。
あの時絞った浴衣は全てお客様の元にいきました。
たまたま起きてしまった一枚の浴衣が私に教えてくれた事です。
まだ傷が入っているのですが、帯で隠れる位置に持ってきてくださっています。
またお尻にズドーンと入った染め傷はお仕立てにより気にならないほどに変わりました。。。
よかった。。。
本当にありがとうございます。
事件が起きた時は
なんでアイロンの時に報告してくれなかったの?気づいていたでしょ?
なんでそのまま縫製しちゃったの?
見れば気づいたでしょ?
ってやっぱりどこか人のせいにしちゃってました。
働き過ぎだった
余裕がなかった
アイロンを人に任すなんて私が作品にたいする愛情が足らなかった
お仕立てしたら裏も開いて確認するべきだった
私が全部悪いのです。
私のトラブルに巻き込んでしまったお客様に申し訳がないです。
腕の傷は治ったのに、、、
どこかまだ痛い気がする。
腕に傷なんてなかったのに
一生の傷を負った。
ひどく反省したし
ひどくショックだった
職人辞めようと思った夏
もう私無理かも。。。
でも受け入れ反省し
努力を続けます
あの浴衣。
かけた時間は正規品と同じ。
私のサイズへとお仕立てしなおされ、本日生まれ変わりました。