ちょい、ゆらっと

ち～とだけ
ほんのち～とだけ
揺れちまったの、ココロがね



秋風に
　　　　　髪もココロも
　　　　　　　　　　　　　ふわぁ～ふわ


おじいちゃまの付き合いで某レストラン
開店前のプレご招待だったんだけどさぁ～
な～んか見たことあるよ～な？
な～んか聞いたことあるよ～な？
ヒト多くて、あんまはっきり聞こえなかったんだけど、ん？って思ったわけよ

おじいちゃまに引っ張られて、いろんなヒトに紹介されて、愛想笑いして
疲れちまった
んで、テラス出てたらさ
背後から、ん？って思った声が聞こえたんだよ
誰かと話してたんだけど、後ろ通ったとき、あっ！って思った
憶えてる！この香り！
でもさ、な～んか振り向くのもなぁ～
ちょい、ドキドキしながらスル～
あぁ～行っちゃった～
おいおい・・・・な～に期待してんの？あたしってば
自分で突っ込んで、ひとりで苦笑しちまった
怪しかったかもしれん

なんとかっつ～代議士夫人に「まぁ～ayapyonさん、お久しぶりね」って声かけられたけどさぁ～
はっきし言って、あんたダレ？
ウチの母親がど～こ～、おじいちゃまがど～こ～
とりあえず得意の笑顔で聞いてたけどさ
おばちゃん去って、おもわずふぅ～ってため息ついちゃった
そしたらさぁ～

ふわふわもいいな

髪の毛、すっと触られた
いつの間に来てたんだよ
気配しなかったぞ、おい！

ayapyon、気付いてくれないから声かけちゃったよ

近い・・・近いっつ～の
とりあえず、「あら？お久しぶりです」っつったらさ

こんなふうにまた会えると思わなかったよ

だから、近いんだって・・・あいかわらず距離感のないオトコだなぁ～って思いつつ、指輪のチェック
あれ？マリッジリングがない？

「そうですか？」

今日はムリして来て良かった。ayapyonに会えたからね

ぁあ～？

「わたしもお会いできて良かったです。お元気そうで」

当り障りなく、ふつ～に話してたらおじいちゃまに呼ばれちゃった
んで、「失礼します」っつって離れたとき、こそっとささやきやがった

ゆっくり話したいな、食事でもしながら

名刺？
ちょい小ぶりな名前と電話番号だけの名刺、勝手にバックに入れられた
えっ
ニコニコしてやがんぞ、こいつ
でもさ、おじいちゃま呼んでるし、ぁあ～も～

ってなカンジで、揺れてしまいました
むか～しむかし、ちょいお気にだったオトコ
ダーリンとくっついたり離れたり、とにかくイチバン体力あって遊んでたころのハナシ
ちょい年上で、みんな「いいけど、ちょっと怖いかも」っつってたオトコ
１０代の頃って、そ～いうのに惹かれんじゃん
「ayapyonちゃんの髪、ほんときれいなストレートだよね」
会うたび、髪の毛す～っとかる～く触るんだよ
ふつ～だったら「おい、こら、触ってんじゃねぇ～よ」だけど、な～んか許せちゃう
や～らしくないし、単純に感想言ってるカンジでね
なんだったのかなぁ～？
あのスパイシーな香りでいろんなこと思い出しちゃった
あたしもお子ちゃまだったのね

名刺、ど～すっかなぁ～
う～ん・・・