バリ記 

英語関係の執筆の合間に「バリ滞在記」を掲載。今は「英語指導のコツ」が終了し、合間に「バリ島滞在記」を連載。

バリ記13 ああ、マッサージ

2019-12-25 10:42:41 | 私の英語講習
2000年3月2日
ああ、マッサージ


 「オカ、今度の店のスタッフは集まったかい?」
と、5日から始まる面接を心配して、バリに着くなり僕は、バリのマネージャーであるオカ(名前はオカでもバリ人)に聞くと
「ノット、イエット。殆どがジャワからの女性で、バリ人は2~3人。全部で18人」と答えた。
不思議な答えだったので、
「どうしてジャワの人が多いんだい?」と聞き返すと
「マッサージの仕事には、バリ人は来ない。」と言う。
「どうしてだい?」
「イメージ!マッサージというと売春をイメージするんだ」
「ええっ!なぜ、そんな大事なことを僕は今日知るんだ。募集広告には、なんてかいたんだい?」
「エステっていう言葉は、バリ人はわからないし、バリニーズマッサージという言葉を使ったから、たぶんバリ人は敬遠したのだと思う」

 僕は、オカの気の利かなさを嘆き、あぁ、こういうところにもイメージの違いがあるのかと、またひとつバリを知ることになった。
5つ星のホテルでは、部屋に来てくれるマッサージサービスがある。日本にもある。僕もマッサージを頼んだことがある。
 「それじゃぁ、オカ、僕はバロンコテッジ(1泊3千円くらいの安いホテル)で、マッサージを頼んだことがあるけど、マッサージにきた女性はセックスにも応じるのかい?とてもそんな風に見えなかったけど。」
「ケース バイ ケースだけど、前もって、ホテルにそう言えば、応じると思うけど…」
会社の他のスタッフもオカに同意する。みんな、マッサージはよろしくない職業と考えているようだ。
観光客相手のマッサージ兼セックスプロバイダーが元締めでいるらしい。
 
 僕は、エステの店を立ち上げたら、小さなホテルにもマッサージの要望があれば派遣するつもりだったので、この会話でこの計画にブレーキをかけてしまった。
 そう言えば、サヌールのバリ・ハイアットに泊まった時、海辺で女性が近づいてきて、マッサージをしないか、と誘われたことがあり、マッサージをしてもらいながら、セックスはどうか、と誘われたことがあるのを思い出した。僕は、あれは特別なことだと思っていた。また、昨年、メリア・バリに泊まった時、マッサージを頼んだら、二人の女性がやってきて、部屋に僕の妻がいることを確めてから一人が帰ってしまったことがある。
 もしかしたら、防衛のためかも知れない。マッサージ=セックスと勘違いしている男もいるかも知れないし、マッサージ中、男がその女性にしつこく交渉を始めるかも知れない。
ここ三、四年でエステの店が雨後の竹の子のように増えた。しかし、エステという短縮形の日本語は、バリに定着していない。さて、どうやって良い人材を集めるか。思わぬ障壁である。
広告の出しなおし。しかし、スタッフのトレーニング開始は八日である。あと一週間。うまくいくのやら。


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