バリ記 

英語関係の執筆の合間に「バリ滞在記」を掲載。今は「英語指導のコツ」が終了し、合間に「バリ島滞在記」を連載。

バリ記15 おそらく必要となる産業

2019-12-27 10:53:38 | バリ記
2000年3月4日
おそらく必要となる産業


 昨日、空港の免税店から、「本木さんの選んだものなんでも結構ですから、本木さんのゴンドラ(コーナー)を作りたい」という申し出があった。と言ってはなんですが、他の商品ラインアップの点検とPOPなどの協力をしてもらえないだろうかという裏もある。僕は、サービス精神はあるほうだから早速あれこれと思いをめぐらせ、今日は早速、空港に出かけ僕のコーナーのサイズと他の商品のチェックをした。
タバコを点検すると「峰」がおいてあるし、昔のセブンスターが置いてある。僕だったら、タールとニコチン1mgとか3mgに分類して置くかなとか、コーヒーは、日本人がドリップやコーヒーメーカーで使えるミディアムファインを並べるがなぁ、といろいろ思う。

 空港に二つの大きな免税店をもつ社長は女性である。一年前、マグネットを制作した頃に、委託販売の交渉に出かけた時に知り合った。今回会ったのは2度目である。
 マグネットがよく売れたということがまずある。それから対葉豆を作り、ローションを作り、ドアストッパーやマスコットなどを作ってきた。おそらく、彼女に決定的に僕の存在を思わしめたのは、「ジャムー」だと思う。ジャムーに外国語から光をあてた。自慢ではないが、そういうことだと思う。
日本のハーブ産業は一千億円市場になろうとしている。インドネシアは、ハーブの宝庫である。

 彼女は驚いたに違いない。商品をただ置いておくだけではダメであると思ったに違いない。ひたすらわかりやすいものを置こうとする気持ちはわかるが1行か2行の説明でわかりやすくなるものもあるのだ。昨日もここで書いたように、バリ島はこの産業がまだ弱い。弱いから、僕の存在でもありがたがってくれる。
この手のプロがバリ島に乗り込んできたら、ちょっとかなわないな、と思うがあれこれ考えられるのは、楽しいの一言に尽きる。

2000年3月5日
突然の乗り込み


 H.P掲示板で「バリニーズマッサージを習いたいのですが、学校とか教えてくれるところを知りませんか」というメッセージが東京の女性からあった。ちょうど、エステの店を計画中、実行中だったのでよろしかったら研修に参加したらどうですか、という返事をしたところから、話が進み、ついに実現の運びとなり、その女性と昨日初めて顔を合わせることになった。
 そして、翌日、つまり今日、僕の会社のスタッフにも紹介しようと彼女を事務所に連れて行き、皆に紹介していたところ、入国管理局の男性二人が乗り込んできた。乗り込んできたという言葉がぴったりである。
「店員は、あなたの事を(僕にはおまえのことを、と聞こえるが)コンサルタントだと言っているが、どうか。」
「そのとうりコンサルタントだ。しかし、P.T.Bali Book Treeのプレジデントディレクターでもある。あそこの前の店はヤーマという会社で、その会社に対してはコンサルタントだ。」
「あなたは、インドネシア滞在許可証では、プレジデントだ。コンサルタントを名乗ってはいけない。」
「どうしてだ。」
「あなたは、プレジデントでトップクラスの人で、コンサルタントはそれより下の人だ。身分は偽ってはいけない。」

 そんなやりとりが10分ほど続き、相手は興奮して、今すぐにでもビザを取り上げ、収監することもできるのだぞ、と脅し文句も並べる。いんぎんさのひとかけらもない。
ついには、着いたばかりのその女性にまで、パスポートを見せろ、どうしてミーティングの席にいるのだ。このような席にいてはいけない。と言い始めた。
結局、僕は法を犯しておらず、合法的にやっているためか
「今回は許してやる(何を話すのかわからない)、次に警告されたらキックアウトだ。」という。そしていそいそ帰っていった。

 なんだあれは一体?とスタッフと話をしていた。お金が欲しいのか、なんでコンサルタントを使ってはダメなのか、など、10分ほどが過ぎるとまたやってきて
「どうしてこの女性が(僕には「女」と言っているように聞こえる)まだここに座っているんだ」と言う。
「単なる話をしているだけなのに、なんだ」と僕も怒り始める。
「ここはミーティングの席だろ。ツーリストはいっぱいお金を使い、歩き、見物する。それがツーリストだ。」とか説教をする。僕が笑うと怒ってくるし、「すまん、すまん」と言うと説教をまた始める。それでその女性を事務所から出すことにし、なんとかその場をおさめたのである。
その後、僕はウブドに行く用事があり、1時間のタクシーの中で考えてみた。そうしたらだんだんと腹が立ってきてなんだあれは、と怒りに充ちてきたのだった。

 入管の男は、六日の十時から新しいエステの店のための面接をすることも知っていて、また来るという。
そのときは、身分証明証を再度確認し、それをメモし、ついで入国管理局と日本領事館に行ってみようと思った。
 明日からやってくるエステのオーナーたちも活動がしにくくなる。ビザの許可がおり、発行されるまでには、どうしても会社の設立手続きが必要であり、その会社がビザ取得の為の招聘書を発行しなければならない。

 だから、ビザを実際に手にするまではどうしても観光ビザで一度か二度来なくてはならない。
 彼の話では、その女性に言ったようにミーテイングの席についてもいけないということである。
 それは、明日来る人たちも同じだろう。
 そんな矛盾があるものか。
 インドネシアに投資してくれ、投資してくれ、といいながら、あるいは、日本に援助してくれ、援助してくれと、いいながらやることは幻滅させることである。
 しかし、ここでそう思わないで裏構造があるのかと考えてみる。その辺の感覚がもうひとつわからない。マジで真剣な取締りで、あんな態度なのか、裏の取引の為の態度なのかわからないのだ。バリのスタッフは「お金だ」という。
 3日付けの新聞で公務員の給料が30%アップされることが報じられた。その代わり利権もなくしていく方向なのだ。
 それにしても、入管や警察など、どうしてこの人達はヒゲをはやし、いかつい顔をしているのだろうと思う。ちょうどミュージシャンはすぐそれとわかるファッションスタイルがあるみたい(僕は笑ってしまうのだが)なんとなく仲間どうし伝染しあっているのだろうか。
恐ろしそうに見えるのは、こちらの妄想なのだろうか。
やはりバリに何度も来て仕事をしていると、それはもういろんな初めての体験をするものだ。と自分自身あきれている。


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