
白山は石川、福井、岐阜にまたがって
聳える標高2702mの山で、富士山、
立山と並んで日本三霊山の一つです。
加賀には古くから白山信仰が根付き、自
然の神を崇めてきました。
小松
小松駅からバスに乗り40分余り。終
点で降りて15分程歩きました。
那谷寺(なたでら)は、717年泰澄が
開創したと伝えられています。
高野山真言宗別格本山です。

巨大で幽玄な岩が多く残る土地にお堂を
建立し、本尊十一面千手観世音菩薩を安
置したため、当初の名は「岩屋寺」と呼
ばれていました。
花山法皇が986年、西国三十三観音の
一番「那智」と三十三番「谷汲」の山号
から一字ずつ取り「那谷寺」へ改名しま
した。
南北朝の争いで多くを焼失しましたが、
寛永年間に加賀藩主・前田利常によって
復興され、現在も白山信仰自然智の森と
して祈りを捧げています。

(鐘楼)
前田利常の建立。入母屋造の純粋な和
様建築で袴腰の上部まで石造となって
いるのは、全国でも例がないそうです。

(大悲閣・本殿)
一向一揆の兵乱で荒廃しましたが、利常
により1642年再建。
中に本尊千手観世音菩薩を安置。

(鎮守堂)
展望台上にある鎮守堂では、白山の神・
白山妙理大権現をお祀りしています。

(奇岩遊仙境)
奇岩霊石に窟が開口する様は観音浄土
浮陀落山を思わせ、心の奥深くの<自
然智>を呼び起こす景観といわれてい
ます。

(金堂華王殿)
南北朝の戦火で消失しましたが、19
90年(平成2年)に再建。
ここで全ての法会が行われます。
1689年(元禄2年)、芭蕉は曾良
と山中温泉で別れ、小松へ戻る道中参詣
し、奇岩霊石のそそりたつ遊仙境の岩肌
を臨み
「石山の 石より白し 秋の風」
と詠みました。境内には句碑があります
。
(撮影は2017年12月です。)