日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

ブナの森と深山の雰囲気と、スラブ地形を楽しむ    会津朝日岳

2015-06-22 22:39:56 | 山行

2015年6月14日(日)  (雨、曇)       (前の週に蒲生岳から見た会津朝日岳、手前は柴倉山)
こんにちは。今、たそがれさんとブログのデザインがかぶっているななころび”です。これどちらが先でしたっけ?、まあいいや。どちらにしても、なな”はたそがれさんの弟子のようなものなのですから。
6/14は会津朝日岳の山開きに参戦です。豪雨災害で4年ぶりの山開きだそうです。4年前には、福島の山なんてほとんど歩いていなかったなな”ですが、この山は昨年あたりから特に登ってみたくなっていました。私にとっては、山深くて未知の山。行程もガイド本で7時間30分、主催者案内では9時間見込みと、充実歩きもできるはずです。

当日は午前1時に起きて、2時に今市を出発して、4時少しすぎに集合場所の只見中学前に着きます。4年ぶりで皆さん待ちに待ったのか、集合時間より90分も早いのに、中学に入る前に渋滞で、中学校の敷地に入るのに十分以上費やします。只見辺りに入ると、雨が降っていて、朝日岳の方向の空遠くで一度だけ雷の光を見ました。
小ぶりの雨が降る中、支度をして登山口のいわなの里までの送迎バスに乗るための列に並びます。聞く所によると、マイクロバスは8台用意されているようです。
(中学校付近からは東に低山(辛山?)の稜線が見えて、幻想的でした。)


コース: いわなの里 5:50 --- 叶の高手 7:51 --- 会津朝日岳山頂 9:21-9:39 --- 叶の高手 11:00 ---  いわなの里 12:23
3台めか4台めのバスに乗り込んで、しばらく待って出発ですが、リラックスしすぎて走行中に睡眠もできました。いわなの里らしい広場で下ろされてウロウロしているとtom君が見つけに来てくれて、彼のいつもの友達もいてご挨拶です。それとBROCKENさんとも初めから合流です。
今回は式典に参加せずスタートしました。最初は沢沿いのルートを緩やかに登って行きます。ちょっとした起伏や沢を渉る地点では渋滞ができます。雨は小雨程度、時に少し強くなります。レインウェアは着ないで進みます。
さすが会津の山です。沢にはまだ残雪が豊富にあり、早くも谷は急峻な地形を見せ始めています。



残雪も豊富にある大きな沢の左岸を45分間ほど歩いて、その頃は渋滞でした。最初いつもの仲間と一緒に歩き始めましたが、一旦誰かがなにかの用で立ち止まると、間に他の参加者が入ってしまって、そのまま歩いているといつの間にか、なな”が一番前で先行してしまったようです。
いつの間にか沢から離れて、なんとなく尾根の上を歩いている状態になりますが、ジグザグに付けられた道なので尾根歩きという感覚が起きません。
かなり多くの回数ジグザグを繰り返して、登って行きます。(p ↓) その頃には、休憩している他のハイカーをかなり追い越して、周囲に歩く人はめっきり少なくなってきました。雨は引き続き降り続いています。


歩きだして1時間40分ほどで人見の松と呼ばれている地点に到着。その尾根の突端には大きめの松が生えていて、そこから明瞭な稜線歩きになる変化点でもありました。目の前にはこれから目指す朝日岳の残雪をたたえた稜線が見えています。まだ遥かかなたに感じられます。



すぐ左手の斜面は豊富な残雪があって、周囲にはツツジやタムシバが咲いています。でもここでも、ヒメサユリはなぜか少数しか咲いていません。


叶の高手と言うピークはなんでもないただの通過点的なピークで1430p。名の書かれた表柱がありました。そのピークからは、一旦大きく下ります。下りの過程で見たこともないようなブナの巨木に巡り会えました。やはりこの辺の山は自然のままの姿が残っています。


人見の松からは概ね緩やかな稜線歩きが続いて、少しずつですが山頂に近づいていきます。



3年だか、4年登山禁止状態だったにしては、コースはとても明瞭です。樹林のなかの稜線を進みます。



残雪地点を通過する場所ではイワウチワやショウジョウバカマがひっそりと咲いているのを楽しめました。


これはタムシバでしょうか。タムシバもあちこち沢山さいていましたが、この花は写真に収めるのが難しいですね。



かなり長い残雪通過場所があったので、休憩しながらアイゼンをつけます。ここで皆さん休憩するので、また少しまとまっての歩きを再開です。



残雪通過はさほど長くもなく、またブナの森の中の歩きになります。結構急なの登りがあったりしますが、人見の松あたりから雨が止んで、また自分的にはある程度クライミングハイ状態で、調子がいいのでさほど苦もなく登っていけます。


周囲の林では白いこんなお花も咲いています。



いよいよ先ほどからずっと見えていた朝日岳の稜線に、T字に突き当たるように合流する斜面下に来ました。残雪が豊富にあるその斜面は結構急です。一人で来てアイゼンを持っていなかったら引き返すかもと思うような傾斜です。この日はこのイベントに合わせて、只見のスタッフの青年達が一生懸命スコップで残雪にステップを作ってくれています。ゆっくり階段状のそれを登って行きます。



振り返ると、こんな感じ。何かあったらただでは済みそうにないレベルです。途中、スタッフの青年に感謝の言葉をかけると、気持ちのよい返事が返ってきました。


残雪の急登をなんとか終えると、稜線上がお花が周囲に咲いています。岩場の上り下りで数分待ったりする局面があって、撮影時間にあてたりしました。


これはコケモモですかね。


スタートから約3時間30分で山頂に到達。さすがに嬉しいです。狭い山頂は20人くらいのハイカーで混んでいます。



雨がやっとやんだレベルの曇天ですが、意外に周囲の山は見えます。これは南方面で会津駒ですかね。でっかくて立派な山容です。



山頂の真ん中に山座同定用の円盤が置いてありますが、よくあることで、それを見てもよそ者にはさっぱり山が同定できなかったりします。今回もそんな感じで、他のかたも似たりよったりのようで、「地元の人(周囲の山名に詳しい人)いないのー?。」なんて声も聞こえてきます。

(これは西方向、手前に近いのは高倉山ですかね。するとその向こうの薄い稜線は猿倉山の稜線。毛猛岳の稜線はその向こうの消え入りそうな薄い稜線かも。)



浅草岳も薄ら見えていたけれど、映りが薄すぎて写真としては不掲載。その手前、この朝日岳直下の足元のスラブ地形を見ました。身のすくむような光景でした。




この山頂はほぼ360度の眺望です。晴れていたら素晴らしい写真が撮れるのではないでしょうか。いつか、また訪れることができるでしょうか。山頂到着はなな”は全体の5%以内くらいの前の方のはず、これからどんどん他のかたが上がってくるでしょう。山頂直下の狭い稜線でのすれ違い渋滞も恐怖なので、20分くらい山頂居て、降り始めます。山頂直下の狭い稜線でBROCKENさんとすれ違いです。
(アカモノでしょうか。)



これはウラジロヨウラクですかね。


稜線から岩場を少し急に降りる場所は案の定、すれ違い渋滞があって、なんとか降りきると、沢山お花の咲いている岩場があります。ツマトリソウとか咲いています。最近、どの山開きでもあうオジサンが、「珍しい花が咲いていますよ。」と教えてくれたのがこの花。(P ↓) その時、花の名を口にしていたのだけれど、見事に忘れました。



主稜線直下の例の残雪急斜面を用心して下ります。登ってくるハイカーを待ったりしていると、最上部で、残雪が大きな塊として崩壊する音と、人の驚く声が聞こえました。とっさに振り返ると、左上方で自動車くらいの広さの雪の塊が割れて、落下し始めた所を見ました。一瞬こちらに来たらどうしようと思いました。あまりに傾斜が急なので、すぐ塊は粉々に小さな氷塊になって、ばらばらと自分たちのいる斜面の横30M先くらいに落ちていきました。我々の上部で同じことが起きたら、かなり危ういですね。
(下山は登ってきたコースをピストンです。ピストンと言えども下りも長いです。山頂から続く稜線を振り返ると、登りの時より明るく見えました。)



避難小屋は大きくて結構立派。中を覗いたらオッサンが一人、地図を読んでいた。聞くところによると小屋に暖炉があって焚き火ができるらしい。なな”のあとに来た女性も小屋を覗き込んで、なな”と同じような事をしている。

叶の高手が見えてきます。ここから、あのピークまでちょっと最後のひと頑張りしなくてはいけません。



森の中は、あくまで手付かずの自然のまま、深山の趣もあります。福島のこういった山をあるく年配のかたは健脚なかたが多いです。なな”がだらけて歩いているわけでもないのに、同じペースで進んでいきます。




叶の高手直下にあるもうひとつの巨木。これも生きているようですが、凄い太さだったです。



朝日岳主稜線がかなり遠くに見えるようになりました。(P ↓)そのあたりからは、ジグザグのブナの森の中の下りです。よくこんな所を登ってきたな、と下りながら感心するくらいしつこくジグザグしながら下ります

ほんの数輪しか見られなかった。



今頃になって日差しが出てきました。沢の脇の歩きも後半なので、結構長く感じて、ようやく登山口に到着です。渋滞と休憩も込みで6時間30分だから、がんばったのではないでしょうか、



今回は雨ふりも前半だけで済んで、快調に歩けてよかったです。さすがに、この山は通常の山開きの山よりは、行程は長いと感じます。ここは初夏も楽しめるだろうし、秋は紅葉が素晴らしいのではないでしょうか。避難小屋があったけど、のんびり登山もいいかなと思います。このエリアは、とてもじゃないけれど、ヤブ尾根歩きは無理かな、あのスラブ地形を見たら、下手なことはできないと思いました。
登山口手前にテントがあって、只見のお姉さん達が、参加者をもてなしてくれます。恒例の冷えひえの甘酒は、このエリアに来る時のお楽しみになりました。
帰りは、イベントでもらった割引券使わせてもらって、10キロほど帰宅方面に自動車で走った温泉センターのような場所で湯に浸かります。あとからBROCKENさんも入ってきて、ゆっくり湯に浸かり、駐車場でも同じスバリスト同士、アイスを食べながらXVを見て話をしたのも、いい思い出です。
さて最後にクイズです。只見四名山って何と何と・・・でしょうか?(笑)。 そういえば伊南三名山ってのもありましたね。   ■■





(只見の皆さん、今回もありがとうございました。)



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8 コメント

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会津朝日岳 (たそがれオヤジ)
2015-06-22 06:03:05
こんにちは。記事のアップ、お待ちしていました。
いいですねぇ。花も満開、残雪ありですか。
行ったことのない山だけにうらやましく拝見いたしました。
それにしても、こう、ハイカーが混んでいる中、6時間半で歩くっていうのは、早くはないですか?
ここ、9時間コースの山でしょう。
ほとぼりがさめたら、いずれ行ってみますよ。ずっと待っていた山でもあるし。
ところで、いつもなら、いわなの里まで車で入れるのでしょうか。
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記録アップご苦労様です (ノラ)
2015-06-22 21:45:58
ななさん こんばんは。会津朝日岳のアップご苦労様です。あの会津駒って書いておられるのは丸山岳じゃないかと思いますが。名前の出てこない花はクワガタソウの一種なんでしょうがミヤマが付くのかな?昔あった山座同定板は未だ健在のようですね。山頂の名板だか標柱の写真が無いですね。あと避難小屋はありましたでしょうか?それにしても歩きは早いですね。確かボロボロの避難小屋に泊まって山頂に登った記憶があります。4年も登山禁止だったのですか。もっと静かな時にまた行ってもいいななんて思いましたです。私も一日目はガスの中で何も見えませんでした。スラブは圧巻ですね。ヒメサユリはまだ早いのではと思います。けっこう花が一杯見られて羨ましいです。
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たそがれオヤジさん (ななころび)
2015-06-22 22:50:39
こんにちは。
福島の山は、雪が遅くまで残るせいか、どの山もこの時期お花が豊富ですね。
山ケイの分県ガイドでは、確かコースタイムは7時間30分くらいでしたから6時間半って、そんなに早くはないですよ。前後にハイカーがいると、ペースを作ってもらって、かえって早くなるような気がします。
山が静かなら、もっといいでしょうね。じわじわと楽しめそうです。
数年前の水害後、いわなの里までの道は整備されたようで、ほとんど舗装路、それも結構幅広だったような記憶です。いわなの里はかなりの数の車が停められる十分な広さです。でっかいSUVで行っても、問題なしです。
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ノラさん (ななころび)
2015-06-22 23:09:32
こんばんは。
ご指摘ありがとうございます。そう言われると、確かに丸山岳のような気がします。といっても、この時まで丸山岳なんて知らなかったのですが。会津駒にしては近すぎますね。会津駒は晴れていれば見えたのでしょうね。
花の名も、教えていただき助かります。
昭和54製の山座同定板の土台が、山頂標柱の代わりのようで、山名板のようなものは一切なかったです。
避難小屋はぼろぼろではなかったです。建て替えられたのかもしれません。その写真を追加しておきました。
山頂周辺のスラブは初めて見るようなもので、圧巻でした。
ところで、先ほどの丸山岳とは、何気なく地図を眺めていたら、とんでもなく行きづらい山じゃないかと感じました。
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会津朝日 (みー猫)
2015-06-23 00:45:55
こんばんわ。
2010年9月に登りました。ガイド本のコースタイムはいわなの里から7時間20分になってますね。確かに6月の残雪期には頂上直下の岩場は要注意になっています。ご無事でなにより・・・・ノラさんのおっしゃるようにミヤマクワガタ、丸岩岳だと思います。当時、頂上には三角点の傍に地味な「朝日岳山頂一六二四・二米」と書かれた標柱がありました。心残りは、山頂と反対側の鋸刃という点線(荒れた踏み跡とカガイド本に書かれている)部分を見に行ってないことです。たそがれさんが見に行っていただけるでしょうか(笑)・・・お疲れ様でした。
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みー猫さん (ななころび)
2015-06-23 22:33:49
こんばんは。
みー猫さん、当時は別のブログで記録出していたのですね。初めて知りました。
あの斜面の雪塊の崩落はびっくりしました。一瞬みー猫さんのいつぞやの動画を思い出しました。
私も福島版の分県ガイドを持ってまして、鋸刃の記述は気になっていたのですが、その方面も結構なスラブ地形の崖であるのを現地で見まして、入り口の確認もしないで下山に向かいました。
そんな事言うと、本当にたそがれさんは確認しに行っちゃいそうですね。その時は皆でお供するのも面白いかと思いました。
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気になりますね (みー猫)
2015-06-26 07:20:59
おはようございます、ななころびさん。
すみません、前のブログというものはありません。ヤフーので一時期、アップ画像サイズの制限があったときにブログの引越しをしようとして、ななさんはその際のコピーを見られたのだと思います。消しておきました。山頂と反対側は逆光で見づらかったのと、山頂からの周囲が切れ落ちてとても尾根伝いにいけそうに見えないような景観に見入ってしまい、すっかり失念しておりました。
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みー猫さん (ななころび)
2015-06-27 03:46:43
こんにちは。
会津朝日岳のおかげで、知り合う前のみー猫さんの記録を読みに行けました。以前から味な記事を出していたのですね。
鋸刃は地図でみると、両側が結構急峻に読み取れますが、ガイド本にああ書いている(荒れた踏み跡あり)ので、行けるのでしょうね。
行ってみたい気もしますが、怖いような気もします。
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