日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

ちょっとなめてた古賀志馬蹄形で少々難渋し、おかげで赤川ダムからの綺麗な夕景を観る。 古賀志山、赤岩山

2013-11-21 02:35:19 | 山行

入山日 2013年11月17日(日) (晴) 単独   (赤川ダムのほとりに到着したのは、山の稜線に太陽が沈みかけの15時台になっていた。逆さ古賀志とさかさ紅葉が綺麗だった。)
17日は久しぶりにちょっとはまとまった歩きがしたく、また紅葉もまだ楽しみたかったので、その条件を満たすということで古賀志山山塊の馬蹄形コースと呼ばれているルートを歩いてみた。
昨年から数回、この山域に通うたびに、この山の人気の高さ、特に一般ルート以外のコースを歩きまわっているマニアックなかたがたが多くいる事に気がついた。その人達の話を聞くうちに馬蹄形なる言葉が出てくることが何度かあり、この山域で馬蹄形って?? 即座にそのラインが頭に思い浮かばなかったことを覚えている。よくよく地形図を見ると岩崎観音あたりから尾根伝いに444mを経て、古賀志、鞍掛間の稜線に合流できる尾根らしきものが確認でき、これを歩ききって古賀志、赤岩山をつなぐような周回なのかしら、と思っていた。
今回、決行するにあたり他のかたの馬蹄形に関する記録をいくつか見たが、それぞれ様々な歩き方をしていることがわかった。スタート地点が森林公園だったり、西登山口だったり。コースにしても北尾根の444mを経たり、通過せずその先の鞍部から尾根に乗ったり、古賀志、鞍掛間の稜線に合流するコースも方向は同じでも、微妙に尾根が違ったり。私は古賀志山のマニアではないので、自分の面白そうだなと思ったルートを周回できればよいので、自分なりのルートを計画してみた。(自分の計画ルートは下記 "course"とほぼ同一です。)
 

(7:34 朝の古賀志山)


course : 森林公園p 7:32 ・・・ 東稜への尾根取りつき 7:43 ・・・ (中仙道経由)  古賀志山頂 8:45 ・・・ 赤岩山山頂 10:01 ・・・ 林道出合い 11:01 ・・・ 444pへの尾根取りつき 11:07 ・・・ 444P 11:40 ・・・ 383P 12:40 ・・・ 古賀志,鞍掛間稜線合流 13:10 ・・・ 559P 13:58 ・・・ (中尾根経由で下山) 森林公園p 15:38 

登りは最近よく使用する東稜へ直登する尾根から。 赤川ダムを通り過ぎて少し林道を歩きすぐ尾根に取りつく。最初は急登、いつも立ち寄る展望岩に着くと、周囲は素晴らしい天気もあっていつも以上に爽快な景色が目の前に広がる。岩の上に登り立つと、前方の風景があまりに急にパッとひらける為、遠近感がつかめないような、ちょっと頭がくらくらするような感覚を味わった。
(下山に使用する予定の中尾根)



(展望岩からの古賀市山方面)


尾根取りつきから35分経過地点で、中仙道と呼ばれているルートと思われる左折分岐があった。ここから古賀志山頂までは特に行き方を決めていなかったので、今日は初めて登りでこの中仙道ルートを使ってみる。昨年秋、鹿沼のかたに一度下山時に教えてもらい、一緒に歩いた道でもある。
中仙道ルートは急な斜面をトラバースするようになだらかに登っていくルート。途中東稜へ尾根や、その先の鞍部へのルートらしきルートを2,3度右に見て進んでいく。
(中仙道ルートは、巨岩の脇を巻くように進む。)



15分ほど中仙道を歩き、3度目くらいの尾根との出会いで、この尾根が山頂へ直に行く尾根と判断。この尾根に取りついて登ることにする。
(山頂へ直に行く尾根との合流点)


山頂へ直に至る尾根と思われるルートは、岩混じりの急登が続く。危ないところにはロープが渡してあるが、おおむね非常に危険と思われる箇所はなし。



8:45 古賀志山頂に到着。 まだ誰もいなかった。登り途中であちこちから人の声が響いていたので、これからいろいろなコースからたくさんのハイカーが登ってくるのだろう。




山頂から少し先に行った地点からは日光連山方面がよーく見渡せた。男体山の左の白根山は白くなっていた。




御岳山に向かう稜線は、時に岩を乗り越えて行くコース。(P ↓)は乗り越えた岩。




遠くに日光連山と高原山、手前もこれから歩く予定の北尾根の連なりが見える。


岩場だけかというとそういうことでもなく、時に気持ちの良い自然林の尾根道ともなる。



眺望のすばらしい御岳山を通過し、赤岩山に尾根の道なりに進んでいく。時に岩のヤセ尾根もでてきて結構おもしろいルート。ちなみに御岳山より先は、自分としては未知の尾根あるきになる。岩のピークをいくつか超えて進んでいく。
一か所猛烈な10m超だろうか?。(P ↓) 岩の下り、降下地点上から見おろすと少々恐怖心を覚えるくらい。ロープが3本垂らしてあるが、うち2本は変色し少々安全なものなのか、疑問が湧くようなシロモノ。最初の下り始めの1脚を出すまでが怖い。2本をつかみながらも3点確保で恐る恐る下った。こういう場所は登りのほうが楽だと思った、ここは登りから入りたかったな。
なな”は子供のころ、東京下町の子どもたちと近所で遊ぶと、危険な塀の上とかを仲間は登って歩いたりしていて、自分だけがそれをせずに見ていたようなことが多かったらしい。近所のおばちゃんなんかが、それを見てうちの母親は”○○ちゃんはえらいねー、危ないことはしないよ”とよく言われたらしい。 実を言うと、危険なことをしたくても、当時の自分は恐くてできなかっただけなのだ。今、だれもめったに入らない道なしのヤブ山に入って歩いたり、今日のようなことをしているなんて、なんだか面白い。




次のこぶに乗り、御岳山方面を振り返る。



ここも猛烈な岩の下り、ロープはあり。慎重に下った。(P ↓) 赤岩山までの尾根道、人も結構歩いているようだし、楽勝かな、と思っていた。しかし、ここまでどうして結構起伏もありスリルのある場所もありでたいそう充実の歩きができるコースだった。



赤岩山山頂、ここまで思っていた以上にボリューム感ありだった。


次の三角点432.7mに行く途中にあった巨岩、向こう側にかまど倉が見えた。


三角点432.7mに到着。御岳山から先は、恐がりのなな”はメット姿になっている。




三角点432.7mからは西方面にやや心細いが、よく見れば明瞭な踏跡をたどりいったん下山。岩混じりの急降下をしばらくこなし、傾斜が緩やかになるころには周囲は鬱蒼とした尾根型のない植林帯に入りこむ。 (P ↓) なな”はこの植林帯の中で一時踏跡を失い、狭い範囲だが、ループをしてしまう。めざす方向は間違っていないと、草の生えた林のなかを緩やかに下って行くうちに、明瞭な作業道らしいものに合流した。



作業道だか林道だかを少し歩いて、444mピークを北方面につめる尾根末端のような地点にピンクリボンがあった。せっかくなのでそこから取りつく。あっという間に明瞭な尾根型にのり、しばらくゆるやかに登ると岩混じりの自然林の中の急登となった。こちらのサイドの尾根も踏跡はほぼ明瞭、目印もあり準一般ルート急。岩場も巻きながらなんとか登って行ける。


444m山頂部には石の祠が一つ。山名板は確認できなかった。



444m周辺からは、先ほど歩いた対岸の稜線が見える。(赤岩山方面 ↓)



444mの東は、地形図では恐ろしげなことになっている。444mからは尾根なりに東方面に向かうのだが、少し進んでいきなりびっくり。続いているはずの尾根の先が見えない。この岩の急降下するの?? って感じ。いったん降下をあきらめ巻き道を探すが、あるとしたらの左サイドどうも気持ちよくは進めそうもないこれも急斜面。諦めて岩の急降下を試みる。この時、ここで引き返そうかなー、と少し思う。ここの岩の急降下はこの日一番怖かった。ロープが垂れていなく、自分手持ちもなかったので3点確保のみで勝負。ゆっくり慎重に・・・、何とか約10m?くらいの岩を下れた。
実はこの岩の降下地点、絶好の古賀志山方面のビューポイントだったのだけれど、ルーファンと岩の下りへの不安の為、心の余裕がなく、写真を撮るのを忘れてしまった。



少し行くとまたロープ無しの岩の急降下。ここは先ほどほど恐くなかった。岩場の登り下りが続くと、個々のそれがさほどの難度でもないけれど、引き返す場合のことなどを考えると結構なストレスを感じてしまう。まして今日は森林公園に車を置いている。ここから引き返して、車道歩きで帰るとそれはそれで、かなりの距離歩きになってしまう。できればこの馬蹄形を完成させて駐車車に戻りたい。この先唯一の気がかりは、この先の未知尾根が険しい岩稜の連続で途中で引き返さざるおえなくなる事態が発生しないか。と少々の道迷いの心配である。



さらに444mの先を進むと、さすがにこの岩場は下れないでしょう、と言うような下降地点に出合う。尾根を左折する方向にも尾根型があり、ピンクの目印が付いている。方向的には危険な岩場下降方向なのだが・・・。
ここは目印に従って一旦左折し、すぐ薄っすらの踏跡をおって危険な岩場の下部の方向にトラバースする。先ほどの大岩を巻いた形になった。その先はしばらく尾根型に乗り安心するもつかの間、尾根歩きを感じさせない広い樹林間を緩やかに下り始めてしまう。薄っすらの踏跡と、稀に目印もあったのでなんらかのルートの一部を一時なぞったのかも。その後、送電線巡視路のようなものに合流し、その道を利用し383P手前の鞍部の尾根上に乗ることができた。少しの間、南に寄り過ぎてあるいてしまったようだ。
(巡視路らしきものに導かれて復帰した尾根の鞍部、本来歩いたはずのピークを振り返る。)



その鞍部から383Pは少し登り返してすぐ到着。ピークは樹林間の目立たないピーク。テープが木に巻いてあり383Pとマジック書きされていた。そこで尾根分岐があるが、道なりに直進し、綺麗な自然林の尾根を進む。(P ↓)


383Pからは、歩きの面では意外にも問題なかった。迷いやすい場所もなく、心配した岩の乗り越えや降下もなかった。古賀志、鞍掛間の稜線合流へのT合流に近づくと、傾斜がにわかに急になり最後は尾根形の感じられない急な直登になるのは、地形図を見て覚悟の上だった。最後の最後に巨大な岩稜を左に巻きT合流部に到着。
(T合流手前の急登地点)


T合流からのルートは昨年秋、鞍掛山から歩いたルートと重複するので、安堵感。今日、ここまでハイカーさんには駐車場以外ではだれにも会っていない。T合流後もだれもいない静かな尾根歩き。紅葉は終わりかけだけど、結構きれいなのがまだ見られる(P ↓) 559P手前2、300m付近でちょっとだけ道迷い。方向を合わせて藪歩きをして踏跡に合流。(前回と同じところでの道迷いか?)


559Pに近づくと、後方の今市方面の景色が眺められるようになった。
(鞍掛山から続く稜線。)



559P手前で、559P辺りにいるハイカーさんの会話が聞こえたが559P到着した時はすでに無人だった。もう午後14時近く、今日はずいぶん歩いたな、というのがこの辺での実感。
(559Pからの古賀志山方面)



559Pからは中尾根と呼ばれている、559P東に続く尾根を使い森林公園に向かう。今日も559Pから直に降りて少々トラバースし中尾根に10分足らずで合流。
(559Pからの下り時、中尾根から見た559P)


中尾根を下る途中3人のおやじさん(各単独)にすれ違う。こんな遅くの時間でも登ってくるのは、地図も診ずに歩ける自信なのか。この尾根を歩く時間帯は、すでに太陽の光は夕方の色彩、木々も紅葉で綺麗だった。


あそこの下まで下る赤川ダム、とその向こうに多気山が見下ろせた。


この尾根、下りで歩く場合、2,3度用心が必要。うっかりすると、バリエーションの違う下りルートに引き込まれる。実際今年春、甥のあつとそんなことをしてしまった。今回は地図を見てちゃんと歩いた。尾根は下り一辺倒ではなく、かなり岩場の登り返しもあり、最後まで心地よくなな”をしぼってくれる。
古賀志山も西日のシルエットに・・・。行きで登った尾根が見える、ずいぶん前のことのように感じられた。


林道に降り立った、この時はちょっとばかり達成感。


森林公園は西日を浴び、夢のような美しさ。山帰りのハイカーや、行楽でのもみじ狩りの人々がまだたくさん周囲を散策していた。


来週くらいまで、紅葉もたのしめそう カナ?



ダムサイトに立って、他のハイカーさんたちと、湖面に映る山々や紅葉の写真(見出し写真)を収めていると手前の稜線にちょうど日が沈んでいくのが見えた。今日は、曲がりなりにも馬蹄形を歩いたといってもよいでしょう。今日の岩の登り下りは、なな”ができるのだから大した難度もないものだろうけれども、特に下りの局面、落ちたら次に人が来るのがいつになるかわからないような場所では、十分な用心が必要だと思う。
赤岩山や444mピーク付近の岩稜帯歩きは、骨もあり、ボリューム感もありで味わい深い。とても600m足らずの低山歩きとは思えないおもしろさだった。  ■■



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8 コメント

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古賀志 (雪田爺)
2013-11-21 21:53:02
こんばんは、古賀志にも馬蹄形ルートなるものがあるのですね.藪山歩きの人達はいろいろなバリエーションを考えるものなんですねぇ.ひたすら感心します.
ところで、同じ日に私も古賀志でした.尤も、鞍掛~古賀志の一般ルートですが、、
559Pには午後1:25分位までいたのですよ.惜しかったですね(笑)
ラジオを持ってツバ付きハイキング帽子を被った青年がいたのですが、ザックが紅いのでななさんかも知れないと思ったんですよ.でも、ラジオは持って歩かないっすよね.
お疲れ様でした.
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赤岩の岩場 (みー猫)
2013-11-22 00:16:45
こんばんわ。
あのあたりを歩くとベテランのおばちゃまが歩いていて、岩場もサクサクと進んでいくんですよね。ボランティアでガイドをやっている方でレクチャーしてもらったことがありましたです。いわく、そこらの岩場を安定して歩ければ大抵の高山の岩場は問題ないとのこと。確かにそうだなと怖がりの自分は思ったものでした。それでも、444Pのほうはかなり激しそうですね。参考になりました。雪田爺さんに会えなくて残念・・ていうか、一般ルートは意外ですね。紅葉いいですね。
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馬蹄形 (ハイトス)
2013-11-22 00:30:26
古賀志山の馬蹄形ははじめて耳にしました。
なかなか面白そうではありませんか。
自分らがはじめて鞍掛~古賀志山へ行ったときに途中で出会った人がとんでもない場所から出てきて驚いたことがありますが、その時もその方からいろいろなルートが有るんですよと教えられました。
ななさんがその時の人の様になってしまったでのですねぇ。
この山塊は低山と云えども侮れませんし、楽しめますね。
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雪田爺さん (ななころび)
2013-11-22 02:01:37
こんにちは。
もうちょっとで、バッタリでしたね。私がもうちょっとシャキシャキと歩いていれば、ちょうど鞍掛、古賀志稜線合流あたりでお会いしていたのにと思うと残念です。
そういえば、今日偶然,「古賀志ってあの大きな山域のわりに沢とか、ほとんど見ないな。」とか考えておりました。古賀志あたりで雪田爺さんにお会いしても、あまりに場違いなのと、登山者の多さで、ちょっとわかりませんよね。
当日、途中からずっと私はヘルメットで歩きとおしました。(笑)
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みー猫さん (ななころび)
2013-11-22 02:11:39
こんにちわ。
古賀志でボランティアでガイドをやられているおばさんの話、私も聞いたことがあります。もしかして、みー猫さんからお聞きしたんでしたっけ ??。「あの辺の岩場を安定して歩ければ大抵の高山の岩場は問題ない」、確かにそう思います。北アや南アであれ以上のスリリングな場所は、記憶にないですねー。
444pのほうの岩も、気をつければ私が通過できるくらいなので大したことはないのだと思いますが、補助器具が一切ないので、十分注意が必要だと思いました。
森林公園スタートにしたのは、公園周辺の紅葉が見たかったためです。
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ハイトスさん (ななころび)
2013-11-22 02:24:47
こんにちは。
古賀志山の馬蹄形って、あの山の常連さんとお話すると、結構多くの人がその事を言うんですよ。昨年秋から気になっていました。
古賀志は都市のすぐ近くの山なのに、入るとすごく山深い感じが味わえ、今回歩いたルートの脇にも、いけそうな尾根や踏跡がどんどん出てきて、行くたびに新たなあるきの計画が発案されてきます。
岩場の登攀技術のあるハイトスさんなら、岩の下りも問題ないはずですし、馬蹄形は自分としてはかなり面白かったです。
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444Pに山名板はなかったですか? (ノラ)
2013-11-22 20:59:20
ななころびさん こんばんは。馬蹄型は大変ですね。私の2回分を1回で回られてるんですね。赤岩-御岳間は赤岩からが2回,御岳からが1回です。昔はロープも満足になく相当に恐かったです。あそこをいければ西上州も楽に行けます。444Pは山名板は今年の5月ごろまであったのですが。444Pの下りは恐いですね。左も相当戻れば左側から巻けます。あそこも下りよりは登りのほうが怖くないです。今度は是非,岩崎観音から回ってください。ルーファンが楽しめます。
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ノラさん (ななころび)
2013-11-22 21:51:46
こんばんは。
馬蹄形、結構ボリュームありで、古賀志山塊ではないみたいでした・・・。
444p経由の古賀志稜線へのルートは、ノラさんに以前歩くことを推薦されたことを覚えています。
赤岩-御岳間の岩場、昔はロープ無しですか。私がそれを下れるか、ちょっと想像できないですねー。
444Pの山名板は気づかなかったです。よく観ていればあったのかもしれません。444Pの下りは本当に怖かったのですが、相当戻れば左側から巻けると知っているノラさんもすごいです(笑。
いつか、岩崎観音からスタートし、手岡(ちょうか)に下ってみたいともくろんでいます。
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