日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

予期せず足尾の魅力を知らされる 中倉山 

2012-08-14 22:48:57 | 山行

入山日 2012年8月13日  晴 曇り  単独  (見出し写真は 山頂部の中倉山とその先の稜線)

 せっかくの夏休みが始まったのだが、天気はぱっとしない。曇りや雨の予報が続く、今日の予報も曇り、近場の足尾を歩いてみよう。私にとっての足尾とは庚申山である、まだ若い頃初めて行った晩秋の庚申山の紅葉の見事さに驚かされた記憶がある。それ以来秋に庚申山は何度も登っている。ほとんどが同じ一般ルートであるが・・・ 新しいアプローチの山登りを始めたからには、せっかくだから違う山に登ってみよう。ハイトスさんのレポを参考に中倉山に登ることにする。

コース 銅親水公園スタート 6:45   急カーブミラー有り、A地点 7:33   中倉山  10:33~11:00   林道出合B地点 12:23 ~12:35   A地点 12:55~13:05   スタート地へ 13:25  (A地点 N36,40,36.1  E139,25,36.4,   B地点  N36,40,20.3  E139,24,58.1   下りでの間違い始め地点  N36,40,53.3  E139,24,51.3) 

 もう少し早くスタートしたかったが、また二度寝してしまった。銅親水公園に車を置きスタート、今回はハイトスさんが以前沢入山まで行った同じルートで中倉山まで、状況によっては沢入山に行きたいと思っていた。林道を歩き20分ほど沢と堰堤らしきものに出会う、大きなカーブとミラーのある場所、ここが取りつき地点か?(A地点)沢の左からいきなり取り付いてみる、草ヤブを少々行く、踏跡はうっすら。すぐにガレ場の急登が待ちうけていた。最初は何とかなったが、次第に足もとがひどくなる。一歩進むたびに足場が崩れる有様、この尾根所によりかなり崩落が激しいようだ。ほんの数十メートル上がるのにかなりの時間がかかる。20分ほどもそんな格闘をしただろうか、いきなりひょっこり尾根上に出る。林道A地点から40分も経過していない。(写真 下)無理やり登った足場の最悪な斜面を振り返る・・・  上から来た道ならこの斜面は絶対降りない。

 

(写真下) 尾根の南側、仁田元沢をはさんで対岸の稜線、なんとなく稜線上に道らしきものの雰囲気。いつか歩けるのであろうか?

 

  いきなり中倉山に通じる尾根のひとつの尾根上に立った、あれ、参考にさせていただいたレポはもう少し尾根に立つのがあとになるニュアンスであったことを思い出す。違う所から取り付いてしまったか? でも前にそびえるのは方向からして中倉山、そこに延々と続く稜線が確認できるので、(写真上)そのまま進む。稜線は崩れやすい岩稜帯をメインに途中樹林帯もあるように望めた、思ったより堂々とした山容だ。高度を上げる、足元が悪い箇所が多い、時に土砂を崩す。それに草ヤブ、稜線上を行くだけなのでルーファンに全く不安は無い。それにしてもものすごい暑さだ、水の消費が早まる。行く手右に社山と奥に男体山(写真下)・・・

(写真下)見晴らしの良いところで来た方向を振り返る。 真ん中の尾根が今登って来た尾根だ。

 この後1200Mあたりからルートは樹林の中へ、広葉樹の蜜な林の中を縫うように登る、さほど急登ではないが 結構長い。踏跡は薄くある、テープも散見できる。 (写真下)樹林を抜けるころ、北方向に太平山の山容が見える、普段全然意識にのぼらない山だがここからだと凄い存在感だ。

(写真)頂上直下の日当たりの良い場所に3リンだけ発見、正式名は? 凄いきつい香りを放つ・・・

 樹林帯を抜けると、気持ちの良い草原上の緩やかな斜面となる。相変わらず薄い踏跡はある。頂上に到着、岩石の折り重なった場所に山名板がある。林道からの取り付きから3時間かかった、ちょっとかかりすぎか? 途中暑さに負け、珍しく頂上に着く前に水分補給を兼ねた早弁を食べてしまった。(言い訳)
 とにかく頂上は気持ちのよい場所で、文字通り360度の大展望だ。2時間くらいゆっくり寝そべっていたいくらいだ。 (写真下)来た道の道なりには沢入山、オロ山、庚申山が続き(その向こう側に皇海山)

 (写真下)荒涼とした松木沢とその向こうに三俣山?方面・・・

(写真下)頂上付近の斜面・・・

 

 本当は沢入山までは行きたかったが今日は、なぜかここまでで十分感が漂ってしまった。そもそも2日前の女峰2209m峰の激戦で満腹感がでてしまっていたのだ。それと持ち前の根性無しもあるか・・・、
 今後この山周辺には何度も来るような気がする。自分にとって足尾というと庚申山に代表される渋い樹林帯の山、紅葉がきれい、沢と樹林がさわやかなどのイメージであった。今回ここに来てこのアルペン的でダイナミックな眺望、それでいて人がほとんどいなく適度にルーファンも必要とするルートなど、新たな魅力を見出してしまったのだ。
 すばらしい雰囲気の頂上に惜しみながら別れを告げ下山を開始、下山路は来た道のピストンしか考えられなかった。登り始めの崩落地の斜面だけ避ければあとは問題なし。広葉樹林間を下る、テープが頻繁に出てくるので追う。往路、こんなにテープ有ったっけ? 巻いてちがう道を行ってる気がしたが先で往路と合流するだろう、進路は南、南東が主、東を指して欲しいのだけど・・・テープが本当に良く出てくるので、往路と違った道でもいいかなと少し思い出していた。樹林間で踏跡を見失う、テープも見渡すが周辺には無し。こんな時のいつものいやーな感じが漂う。すぐ上に尾根状の部分が見え上ってみる、何かあるかも。尾根に上がると薄踏跡テープが1つだけ、でもその先がわからない、周辺をうろうろ。先ほど尾根に登りだした同じあたりに2つくらいテープを発見、先ほどの道なりの方向でいいようだ。ゆっくり気を落ち着け作動中のGPSを確認(E36,40,53.3  N139,24,51.3)から往路を大きく外れて南に迂回してしまっていた。テープは頻繁に出てくるので、そのままこのルートで降りても大過なかろう。尾根筋ではない林間の斜面をジグザグに降りる、踏跡あり、しかし落ち葉と時に倒木等で時に判りずらい時がある。3回ほどどちらに行くべきか迷う箇所がある。その地点で次のテープは見当たらない。行けそうなほうへ少し進んでみると、2度は岩場の急斜面に出るので少し戻る。それ以外は曲がる度に丹念にテープの目印がある、ジグザグの下りが続く。この道は往路で歩いた林道のもっと上部(西側)に出るのだろう、なんとなく往路で通った崩れやすい岩尾根を歩かせないように公的機関が拓いた道のように感じたがどうだろうか。(写真下)下りの迷って入り込んだルートと赤リボン・・・

  頂上を出て1時間半弱で林道B地点に降り立つ(写真下)その地点には目印が数本ある。無ければなかなかそこからは取りつけないだろう。上久保沢の少し西か?往路を外れたのを確認し少し焦りだしてからも1時間程度の多少のルーファンとスリルのおまけ付きという感じだった。標高を下げたので暑さも増す、手元の時計は30度を越している。多少の早歩きで東に林道を進み20分ほどで往路の取りつき箇所A地点に着いた。そこに流れるきれいな清流で顔を荒いタオルをぬらし、腕や首筋を拭う。たったそれそれだけのことで気分ががらりと変わる。そこから銅親水公園まで、南側の稜線を眺めながらゆっくり林道を辿って戻った。今回中倉山は往路、復路とも当初考えたルートと部分的に異なるルートを取ってしまった、考えようによってはそれだけ一筋縄ではいかない、思ったより数段面白い山であったと思う。



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6 コメント

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いやはや (たそがれオヤジ)
2012-08-15 08:54:13
拝見いたしました。随分と荒っぽい登り方をされたようですね。
どうも釈然としませんが、難所の刃渡りに出てしまったのではありませんか?
ななころびさんは、もしかして怖いもの知らず?
ネットの地形図で調べてみましたが、A地点は(NとEが逆になっているようですが)826mポイントのあたりのようですよ。自分にはかなり手ごわい歩きですね。ちょっと尻込みルートです。
ハイトスさんも、単独の際は随分と手前から取りついていますが、普通、今回の下山地点から入りますよね。
まぁ、何もなくて良かったですよ。
庚申山とは違って、せっかくのアルペン気分に浸れたのですから、次回は、沢入山、オロ山まで行ってみてください。紅葉のきれいさは庚申山にはかないませんけど。

今回も、きつい満腹感でした。ごちそうさまでした。
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たそがれオヤジさん (ななころび)
2012-08-15 17:09:31
こんにちは。ご指摘のとおりNとEは逆でした。無学を曝してしまいました。(以前みどり岩をへき岩と呼んだことを思い出します。)
ご指摘どおりA地点はまさしく826Mポイントですね。あの鋭角なカーブとそこにあったカーブミラーをよく覚えています。あの尾根、そんなに危険と悪名高いルートと露知らず登ってしまいました。ハイトスさんも最新の掲示板で禁断の尾根とかおっしゃられてますし・・・その情報知っていたら自分の性格からして絶対行ってません。しかし、信じて欲しいのですが、私がぐずぐず斜面を乗り越えて(2枚め写真)立った部分から上のその尾根は特に身の危険を感じるほどの危険な場所は皆無でした。やんちゃオヤジさんがこの尾根で苦労されたのは積雪の為ではないでしょうか。積雪期は私なら絶対通りません。尾根に乗った場所は尾根上にトラロープがたらされており、その最上部あたりで尾根に乗りました。もしかしたらその場所より下が危険箇所?それならかなり尾根末端部分になり短区間だけでしょう。この尾根確かに浮石が多く何度も石を崩しました、確かにあまり歩かないほうが自然にも優しいことになりそうです。あと、歩きずらい為尾根が長く感じられて大変でした。
今日は一般ルートで十数年ぶりに根名草山にいってまたしてもプチ彷徨をしてまいりました。
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禁断の尾根 (ハイトス)
2012-08-15 20:49:25
こんばんは。じっくりと拝読いたしました。
A地点は826m標高点でしたね。
まさしく自分が言っていた禁断の尾根の突端です。
怖いもの見たさで周回時の戻りルートで歩こうかと思っていた場所です。
ななころびさんの事例で大丈夫そうであると判りました。
やんちゃオヤジさんの場合は強いて難所と云えばと云うことで教えていただいたのですが、この方は積雪時にオロ山まで往復される強者ですので、自分としては結構割り増しして考えなくてはなりません。
しかし初めての中倉山でこのルートとは恐れ入ります。
しかし地形図を見てルートを決めちゃうなどなんだか同じにおいがしますよ。(笑)
復路で使われたのが上久保沢西側の正規ルート(最近一般登山道並になったらしい)だと思います。
たそがれさんも書かれていますが、次回は是非沢入まで、出来ればオロ山までの静かなアルペン気分の味わえる稜線歩きを楽しんでください。
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ハイトスさん (ななころび)
2012-08-16 00:29:04
こんにちは、私も石塔尾根の浮石のガレ場が危険との事前情報はあり、そこからの登りは避けようと思っていました、今回はこの登りに使ったルートしか思い浮かばなかったというのが正直なところです。ハイトスさんがアップしてくれている地形図をよく見ていれば、最初から上久保沢西側のルートで登れたのに・・・ でも南東の尾根を歩けたのは今となってはいい思い出です。次回はお勧めいただいた、沢入、オロ山もいつか目指したいと思います。(でもオロ山は遠いですね、自分には・・・)
禁断の南東尾根を歩かれる際は、浮石と何箇所かある尾根の崩れやせた部分(かなり下のほうです)の通過にはご注意ください。びびるほどではありませんが念の為。
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今回の往路 (たそがれオヤジ)
2012-09-03 13:41:02
「井戸沢右岸尾根」と呼ばれているようですね。
私の今回の記事に対し、「足尾のRR氏」からコメントをいただいたのですが、その中の記載が気になって調べました。
また、これで検索すると、
http://blogs.yahoo.co.jp/enduro_fuji/30360297.html
といった記事も見つかりました。写真、同じですね。

勤務中なのですが、気になって入れさせていただきました。遅ればせながらですが。
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たそがれオヤジさん (★ななころび★)
2012-09-04 22:05:06
こんにちは、数回前の記事でしたのでコメントに気付くのが遅れ失礼いたしました。たそがれさんのブログ、社山南東尾根の話題で大賑わいですね、それにしてもマニアックな。あの烏ヶ森さんからもコメントが来るなんてスゴイです。
紹介いただいたブログ確認しました。写真からも文脈からも私が登りに使ったコースにまちがいないようです。井戸沢右岸尾根と言うのですか。
社山南東尾根は、足尾のRRさんによると"井戸沢右岸尾根程度?石塔尾根のキレットよりはやさしい"とありますので、気をつければ(雪の時期意外は)登れると思います。ハイトスさん同様、私も行ってみたくなりました。しかし私、南尾根もまだなのでそちらからのような気もしています。
紹介されたブログまだ2,3記事しか覗いていませんが、初めて見るブログでありました。ヤブの部分はたそがれさん達のコミュニティーと重複しますね、興味深かったです。
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