日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

塔ノ峰から、久しぶりの庚申山へ尾根を辿り歩き   足尾/塔ノ峰、庚申山  Pt.2

2013-06-05 00:45:54 | 山行

笹ミキ沢左岸尾根を登り塔ノ峰に至り、そこから西へ庚申山をめざす。途中1750mのピークからの続きです。
2013年6月2日            (見出し写真: 4年ぶりの庚申山山頂、そこから見える皇海山方面。この山に登るのは皇海山を見る事ができるというのが、大きな要因。(私にとっては・・・))

1750mピークは平坦な尾根の途中にある目立たないピーク。暗い森林帯の中で、眺望はきかない。そこから一度ゆるやかに下り、草原状の広い稜線にでると、そこからは正面に中倉/沢入/オロ山から延びてきて庚申山に続く稜線が横一列に見える。西に進み、その稜線に合流、合流後左折して庚申山に向うイメージ。進路左に山頂部がだだっ広い庚申山も見えている。
(1750m地点を過ぎ庚申山へ向かう途中、正面左に庚申山が見えてきた地点)



正面に見えていたオロ山からの稜線に乗るためには、最後に胸たけほどの笹ヤブを掻き分けて斜面を登っていかなければならない。斜面は時に急、時にゆるやかになるが、基本普通の斜面。ただし踏跡の乏しい濃い笹ヤブを分け進むので、とにかく歩きずらい。
基本、歩いている地点は理論上判っているのだけれど、こんな深山をこれ以上すすんでいいの?というような一般ルートハイカー時代の感覚がほんの少し湧き上がってくる危ない感覚。もうすぐ庚申山への到達を前に、生みの苦しみ的な、この日最後のヤブ歩きの苦労を味わう至福の一瞬だ。
(オロ山、庚申山間の稜線が近づいてきた斜面を登る地点、ここは笹ヤブが濃かった。)



塔ノ峰から約1時間20分でオロ山、庚申山間の稜線に乗れた。北方面をふりかえるとオロ山へ向う明瞭な尾根型が続いていた。この尾根もいつか歩きたい。(写真下)



西方面に皇海山、鋸山の山容が見える、堂々とした姿。ここからの皇海山の形は三角錐、庚申山頂から見える姿とちょっと違う。




北西方面には県境尾根と、三俣山方面だろうか。もっと晴れた日にも観てみたい気がした。あの周辺も歩いてみたいな・・・



稜線に乗った地点から庚申山は、西へ直線400m。その庚申山方面に尾根が続いている。これから、そこを辿っていく。向こうのピークの奥に庚申山山頂があるのだろう。




庚申山山頂への稜線歩きの最後は赤いシャクナゲが迎えてくれた。稜線に出るとヤブもそんなにうるさくはなくなり、地味な樹林間の稜線歩きをする。(写真下) 最後は暗い森の中のような広い尾根のセンターの薄っすら踏跡をゆるく登ると、まさに山名板がある山頂地点に到達した。塔ノ峰からは2時間弱、歩き始めからだと5時間超で到達。




約4年ぶりの庚申山頂、4年前にここに来た時は、Y姉さんとの4人組登山だったな。こんな方向から歩いてこられるルートがあり、自分がそこから歩くなんて、去年春までは夢にも思わないこと。山頂には誰も居なかった、誰かいて大袈裟に驚かれてあれこれ聞かれたい気持ちがあったのは、こんな時の常(私の場合)。  Feel so good to be so unusual. 
少し西にある展望地に行ってみる、まさかと思ったがそこにも誰も居なかった。この季節、珍しいのではないだろうか、こんなに静かな庚申山は。それとも時間がもう遅い為に、皆さん下山後なのだろうか、それとも天気のせい? しばし、山頂からの景色を楽しみ、小休憩。天気はかなり悪化したようで、日は翳って、周囲、薄っすらガスが巻いて来ている。




(山頂の展望地から、しゃくなげ越しにみえた皇海山。)



何度来たか数えなければわからないような庚申山山頂を後に、下山を開始。ここからは、一般ルートで一の鳥居経由で銀山平まで戻る。何度も来た道、しかも一般ルート、緊張感は無くなり、鼻歌交じりのような歩きができる。山頂直下で10人くらいの団体さんとすれ違う、この日初めて会ったハイカー、結構高齢グループ。こんな高齢者があの岩場の脇のルートをよじ登ってきたのか、すごいねエ。
(下山を始めるとルートはガスにまかれた。)


そろそろ庚申山名物の岩場が登場してきた。今日はいきなり下りでのご対面。ここはこの岩のすぐ下(脇)を通過する。


ここはこの岩の前(脇)を通過。


ここは側面を通過。


ここは岩のすぐ下、半トンネルのようにえぐられた箇所を通過する。(写真下) ここでトラブル発生。何度もここ、歩いた場所なのに。 ちょっと考え事をした瞬間、半トンネル地点通過時、上部の岩に頭を下から突き上げたかのように強打してしまった。痛ッ”数秒痛くて動けないほど。まさかとは思ったが帽子をとり手で頭部を触れると、手のひらに少々血がつく。裂傷になってしまったようだ。その後、おでこに血の筋が3本ほどたれて固まるような無様なことになってしまった。
皆さん、馴れた道でも細心の注意で歩くようにしましょう。怪我はいつ、我々を襲ってくるかわかりません。


ここは、すぐ下を通過、したかな? 忘れた。


ここはまさに、大岩の間の空間をくぐって降りてくる場所。


この尖った岩はすごいなー。ここはすぐ脇を通過。


このはしごを伝って降りてきた地点。
この場所ではなかったが、はしごを降りきって振り返る瞬間、顔の高さの木のぎざぎざの切り株に左あご周辺を強く接触。かなり痛い、口の下に傷をこさえる。これは目立たない傷ですんだ。こんなに、怪我をする山行も珍しい、大怪我でなかったのでよかったが、一人歩きが多いかたは特に注意が必要だと思った。が、お前が一番危ない、と言われそう・・・。そういえば相棒のYさん、GWの穂高の帰りに腕を骨折して、最近はギプスをして中禅寺湖周辺を歩いているらしい、それもすごいが・・・。  皆さん、本当に事故には注意しましょう。


垂直の大岩。


ここは、秋に来ると岩にこびりついた潅木が紅葉して美しかったな、とか思い出しながら歩く。


大岩の下部に洞窟風のくぼみ、そこが濡れていて、清水が流れ出している。神秘的な空間・・・



ガスにけむる岩壁や大岩などは晴れの時よりかえって写真の撮り応えがあるような気がする。写真を取りながら、通常より時間をかけて庚申山荘付近に。(写真下) 険しい岩場の歩きとはお別れの地点。新緑がきれいに映えている。



庚申山荘より少し上部にこんなものがあった。ここは何度も歩いていて、この祠の存在、今まで全く意識していなかった。目に入っていなかったのか、頭で認識していなかったのか。



仁王門、庚申山の守り神だそう。 この間をすり抜けて、降りてきた。


下に見えるのは、夫婦蛙岩。 数年前より少し、コケむしたというか、草などが生えていたようだ。季節的なものか? ここに春に来るのは初めて。


鏡岩。下に立つと巨大。 伝説というか言い伝えが説明板にかかれている。



百丁目の石柱、これについてはほとんど造詣がない。今度たそがれ”さんのブログを読み直してみよう。皆さんも是非・・・



一の鳥居までに二度ほど沢をわたる。 新緑が見事、前回4年前に来た時、この辺紅葉が見事すぎて、Yさんが騒ぎまくっていたのを覚えている。



一の鳥居に到着。山荘からここまでは、結構飛ばして下った。途中4人の下るハイカーさんと出会う。今日のハイカーさん遭遇はそこまで。その筋のかたと思われる人はいなかったようだ、たぶん。


庚申山周辺。林道歩きも侮れない。 今回は寄らなかった庚申七滝や、工夫滝、そして天狗の投石(写真下)など、代わる代わる登場してくる。



今朝とり付いた笹ミキ沢の箇所と、その先丸石沢の中間の山側の斜面にこんなようなハシゴがあった。これは何の為のハシゴ?? この先を歩く為用だったらかなりマニアックなのでは、今度調べてみよう。


林道の藤、帰りは光の具合で往路の時よりきれいに見えた。



庚申山山頂から2時間30分で自分のスバルに到着。(銀山平、林道入り口のゲート前) 今日も朝の出発時のことがかなり遠い過去に感じる、自分のレベルとしては充実歩きができた。塔ノ峰はまだ、いろいろなルートで歩けそうだし、オロ山,沢入山も近くで見てしまっては行くしかあるまい。そして庚申山頂からみた三俣山方面も今後のテーマだし、皇海山直下の国境平などの県境尾根ルート、そして袈裟丸も自分はまだ未踏なのだ。
なんだア、そう考えると、自分なんかはまだまだ初心者だな、”日光山系~ ”のブログタイトルが恥ずかしいよ。でも考え方を変えれば、まだまだ日光だけでも、いくらでも歩くルート(楽しみ)があるのだし、追求していくとキリがないですね・・・   ■■

(今日は長かった。そんなに長時間ではないが、みっちり歩けたというのが印象。)




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2 コメント

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庚申山の手前 (たそがれオヤジ)
2013-06-05 08:45:54
おはようございます。
今回もまたお腹いっぱいの歩きだったようですね。
日曜日はずっと曇り空だったのでしょうか。写真も霞んでいますね。
1750mを過ぎ、オロ山からの稜線にぶつかるあたり、レポでは胸高のヤブだったようですけど、そんなに激ヤブでしたっけ。どうも記憶がないのですよ。時期的なものなのか、シカが少なくなったからなのでしょうかね。
ななころびさんのブログの影響で、今週末あたりは、白ヤシオ見物で塔の峰も混雑ですかね。混雑といってもタカが知れていますけど。ちょっとばかり嫌な感じだなぁ。中倉山の稜線と違って、塔の峰付近でハイカーと出会うというのは、あまり期待したくないシチュエーションですよ。
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たそがれオヤジさん (ななころび)
2013-06-05 17:40:04
こんばんは。
今回、塔ノ峰に登れたこともあり、まずは満足です。当日は1750Mあたりからかなり雲が出てきて、庚申山山頂からはガスに巻かれました。
オロ山からの稜線に合流前の斜面は歩く場所が悪かったのか結構笹ヤブがうるさかったです。踏跡もあまり無くて・・・でも胸高はちょっと大袈裟だったですかね、でも結構高い笹ヤブもありました。鈴を2度ほど持っていかれそうになりましたので。
私のブログなんて影響力は少ないですから、今週末の塔ノ峰も静かですよ、きっと。
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