
入山日 2013年3月16日 (晴) 相棒Yさんと (下山時1425pに向けてなだらかに下る尾根、 このあたりの尾根道は爽快)
16日(土)は相棒Yさんと足尾/小法師岳を歩いてきました。小法師岳といえば、ここ数週間、週末、山のお仲間Mさんから、その他のお仲間や私に対して山行のお誘いがあり、おのおのの予定が繰り合わず、決行できずにいる山でした。数日前Yさんから山行のお誘いがあり、花粉の酷い低山のルーファン悩みのヤブ尾根はYさんと行くのは不適切と思い、かねてから自分のテーマのひとつだったを思いつきました。2週間前備前楯山からみた方面はなだらかな山容ながら存在感のあるボリュームある長大な尾根の姿が印象でした。その時はまだ雪が多そうに見えましたが、この2週間かなり暖かな日が続き、積雪もかなり減ったに違いありません。Mさんに事前に連絡をしておこうかとも思いましたが、Yさん連れの山行でMさんに気を使わせてもまずいと思い、今回の連絡は見送りました。(多分Mさんの求める小法師岳歩きは大量積雪期のトレースなしを歩くことと思われるので、今回私達の行きを不愉快には思わないだろうと勝手に判断。)久しぶりに快晴のもと、尾根の面白さ、眺望、帰りのルーファンのドキドキ感、そして何より予想以上のコースのボリューム感など多岐にわたり楽しめた山行でした。 (以上、予報告編から)
コース: 庚申ダム脇駐車地 7:38 巣神山 9:55-10:02 小法師岳山頂 12:01-12:20 スタート地へ 15:28
庚申ダム脇駐車地にYさんのスバルを置きスタート。(写真下)ここからほんの少しだけ車道を下り、最初の橋を渡った所、涸れた沢状の右岸から斜面に取りつく。いきなり破線無視、Yさんを連れて、こういうのはアリか?と一瞬考えてしまう。
取りつき直後だけ、緩やかだがすぐに尾根は猛烈な急登になる。(写真下) 岩まじりでもあるし、いかにもきびしそうという感じであるので、直登は避け、尾根の向かって右に回りこみ側面から攻略にかかる。先ほどの沢の右岸を数分間緩やかに登る。最初は作業道風の踏跡があるがすぐに心細い獣道になってしまった。そのあたりで、恒例の尾根取りつき時の急斜面直登、ジグザグ登攀を開始、いつにもまして急な直登を数分強いられる。
尾根に乗るまでの急斜面直登(写真下) 先にななころびが歩く場所を見つけながら先導、Yさんも難なくついてくる。こんな踏跡のない急傾斜、歩く事もめったにないでしょうに、Yさん、すいません・・・。
急斜面をつめること数分、高みを目指して這い上がると予想通り気持ちのよい、ヤブ障害のない歩きやすい尾根上にのることができた。(写真下) 岩混じりの尾根道は、時に広葉樹林帯も出てくるしょっぱなから感じのよい尾根だった。最初の尾根に乗るまでがかなり急傾斜だったので、尾根に乗った時は緩やかな登りになった気がしたが、写真で見たり、復路で下りに使用したりした時、この尾根もかなり急傾斜に感じた。
歩き始めて約1時間で三角点945Pに到達、ここは最初から計画に入れていたポイントだった。このあたりの歩きも破線ルート無視。 (写真下) ここで衣類の調整や簡単な栄養補給を兼ねた休憩、Yさんの女性登山パートナーからメールがYさんに入る。(自分はお会いした事がないかた) 今日は寅巳山に登るそうだ。ふーん、こちらに来ればいいのに・・・、急遽仕事に行かなくていい状況になったようで、近場の寅巳山なのだろう。寅巳山って場所によっては、わかりづらいヤブ尾根もあるとYさんを介してメールしてもらった。(メールしてくれたのかな?)
945Pからは主に北西や、西方面に向かって高度を上げてゆく、おおむね緩やかな登りだが、登り一辺倒と時に気持ちのよい平坦な尾根歩き。針葉樹林帯を抜け、非常に開放的で気持ちのよい尾根道が続く。Yさんも気に入っている様子・・・。
時に巨木の残骸などが出てくる。人はあまり入っていないルートだとは思うが、行くべきルートは明瞭、小枝のミニヤブが多少出てきた程度。
進路右、北東には先々週、ななころびが歩いた備前楯山/南尾根の連なりが見える。(写真下) 歩いた連なりを見れると気持ちがいい。3時間半かかって備前楯山頂に立った話をすると呆れられた。姉さん、でも今日のほうが距離、長いんだよ・・・
巣神山直下、気持ちのよい尾根道が続く。この辺は破線ルート上に乗っているはずの地点だ。(写真下)
行く手に巣神山と思われるピークが迫ってくる。ここまで、結構時間がかかっている(約2時間)。そう急ぐ旅でもなし、今日は天気もいいし、尾根も素晴らしいので、ゆっくりでもいい。
巣神山山頂の三角点、山名板は大小あわせて3枚ほどあった。山頂といっても尾根の途中で、進路の方角を少し変えるようなポイントの単なる通過点的な小ピークだった。
実はY姉さん、業務の都合上、山歩きは3週間ぶりだそう。3週前の山も足利方面の低山短時間歩きだったようなので、実はこの日あまり快調ではなさそうだ。自分は毎週、日光近辺の山を最低6、7時間以上ほっつき歩いているので、今日も普通に調子がよい。このところ、頭痛にまで発展している花粉症やその薬(抗生物質)、そしてここ数日の寝不足の影響もあまりないようだ。Yさんの調子次第では、今日、小法師山頂まで行けなくてもいいと思っていた。庚申ダムから、意外に距離はあると思う。下りもピストンなら同じ距離だし・・・ 巣神山当たりでYさんに進退を確認するといける所まで行こうと言う、そうだYさんは自分よりよっぽど強力だったんだ。
(巣神山から少し進んだ地点から進路左に袈裟丸連峰らしき山々がよく見え出す。)
巣神山から20分地点、尾根の感じのよさはますます極まってくる。下は笹原となり、歩行は多少面倒くさいわずらわしさが出てくるが、それもたいしたストレスにはならない。ここまで雪はほとんど無し。 (写真下)笹の斜面をつめるYさん。
巣神山から約50分で1425P手前のピークに到着。(写真下) ここは地形図で見ると破線ルートが消える地点で、実際に行ってみると、目の前に左右に連なっていた稜線にT字路のような形で今登って来たルートが突き当たる、交通の要衝のようなポイントだった。目印が有るのと事前保護を呼びかける赤い看板が立っていた。ここまでで歩き始めから3時間10分、結構かかるなあ。地形図を確認すると、まだ結構な距離がある。直線にしても約2キロ無いくらい? 登りでの2キロは結構ある。焦ってもしょうがないので、ここで結構ゆっくりミニ食事など。ここに来てぶち当たった僚線の上に立った形になり、北方面の日光の山々が一望できるようになった、それと足尾の庚申山方面らしきものも。この角度で見るのは結構新鮮だった。この辺の稜線歩きの爽快感は本当にすばらしい、言葉に言い表せないくらい。それと尾根の周囲に5月の頃、ピンクのお花をつけそうな木々が非常に多くあることも特筆すべき点かも。春つつじの咲き誇ったこの尾根を歩いてみたいと思った。
ここまで今日はだれとも会わないので、大きな声を発してみる。最初”わあっ”とか”おーい”とかだったと思う。結構周囲に響きこだまする感じ、面白くなって年甲斐もなく大声で”やっほー”とやってしまった。通常こんなことは絶対やらないタイプなのだが、それだけこの日は気持ちが高揚していたのかと思う。
1425P手前辺りからは、残雪が出始める。大した量ではないが、踏み込むとかなり沈むので、できるだけ脇のヤブを進む。(写真下) 今日の先導は約半々づつ、ルートの不鮮明やちょっとやばそうな地点はななころびが前に、爽快な尾根道は主にYさんに先に行ってもらった。
1425P少し先の地点からはと思われるピークが見えてきた。左のピークだと思うが、この時点ではよくわからない。 (写真下) だいぶ、山頂近くまでつめて来たとは思うが、こうやって見るとまだかなり遠い印象。Yさんに打診すると、まだまだ行けるお返事、12時で山頂に着かなかったら諦めるという目安を作った。
小法師岳すぐ東の1526Pへは樹林間の急登が結構長い。それが終わると今度は明るい開けた残雪の斜面を直登して行かなければならない。(写真下) 雪は緩く時々踏みぬくので、できるだけやぶの中を歩く、雪上を歩くとどうしてもなかなか進まなくなる局面だった。
1526P直下に行くと、1526Pと小法師山頂の鞍部に行けそうな感じがあったので、雪の斜面をトラバース。踏跡であるのは、鹿のものだけ。1526Pはスルーした、後に帰宅後ハイトスさんの記事を見ると、このピーク1526Pに名前があったようで、行けばよかったかなとちょっと思った。
(小法師山頂手前の鞍部から小法師岳方面、さすがにもうすぐだろう。かなり歩いた感はある。)
(残雪の稜線を少しずつつめて行くと・・・)
遂にの山頂に到着。念願だっただけに大満足、それもヤブをやらないYさん連れで、とてもいい尾根を歩けただけに喜びも大きい。ここまで、約4時間20分かかった、あれハイトスさんより50分以上多くかかっちゃってるよ、・・・。到着時間12:01 リミットぎりぎり、よかったー。
(山頂に山名板の前にあった三角点らしきもの、字がよく確認できず。)
山頂からは北や南の眺望が素晴らしい、特に北に見える庚申山、皇海、鋸の稜線、男体山、社山、栃木の常念岳/半月山など見ていて飽きない。 (写真下) 皇海山、庚申山(右) この角度、始めて見る・・・。 満足感に浸りながら、食事を少々、休息を20分とって、下山を開始する。せっかくこんな山奥に来たのだからゆっくりすればいいのだが、安全の為には、早めの下山が鉄則。下りでは間違いそうな枝尾根が下部にいくつかあったので、迷いなどでのタイムロスにも気をつけなければいけないし。
山頂から自分達の踏跡を辿り下る。(写真下) 1526Pと小法師山頂の鞍部から、今日来た尾根に復帰するのにちょっとひんやり。自分達が歩いたトラバース踏跡を見つけられずに、疑心暗鬼で斜面をトラバースして、登りで使った尾根らしきものに乗った。Yさん連れでもあるので細心の注意として、ここからはGPSでカンニングを時々する。GPSがないとかなり不安にもなるような気がした。
帰りの尾根道歩きも気分爽快。下りはやはり早い。
これからのテーマになりそうな、薬師岳/地蔵岳方面。
巣神山までの行程は、簡単には辿りつけない長さがありながらも、素敵な稜線の為飽きはこない。下りの爽快な地点の歩きはYさんに先導してもらう。
巣神山からの下りは、予想していた通り注意が必要。巣神山より少し下った先で進行方向を南東から北東に変える尾根分岐を選択ミスし、間違い尾根を直進してしまい数分のロス。その後も悩む尾根選択が3度ほどはあり最後まで気は抜けない。時間も午後2時を過ぎてこんな時間帯からの彷徨道探しはYさん連れでは絶対避けたい。かなり真剣にルーファンをすることになった。数時間前登りで使用した尾根道をピストンするだけなのだが、やはり下りで使用すると、進路尾根の選択が難しくなる。午前中歩いたばかりなのに下りで使用すると道を本当に忘れているものだ。こんなに急な下りだったっけとか、こんな所から曲がって来たんだというような発見が何度もあった。
(巣神山への尾根道)
尾根の末端が近づくと急な下りがやたら多くなる。
尾根末端まで、尾根上を進めない気がして、途中で進路左に降りてみる。尾根脇の急斜面を斜めに移動しながら直に急降下したつもりがトラバースしているうちに、また元の尾根に乗ってしまった。(写真下) もう一度尾根左への急降下を試みる。木の幹、根っこ、岩などにしがみつきながらなんとか3,40メートルの斜面を降りきった。
降り立った沢から下りてきた急斜面を見上げる。
降り立った沢を数分歩いて県道293に出た。足腰の疲労感はさほど感じないが、尾根の長大さからか、8時間近い時間を要して少し頭がしびれたような感じがある。(前の日、早く寝ないから悪いんだよ。)
今日は新しく2つの山名のある頂を踏めた。それと途中の三角点945Pも。 尾根も終始心地よい面白さ、季節を代えてきてもいいし、バリエーションで登っても面白いかな、でもバリエーションはこの山の場合、ちょっと考えづらいけど。まずは、大満足の山行だった。
帰宅してハイトスさんやオッサンの記事を見ていて気になることがあった。というかしまったと思ったと言うほうが正解かも。なんとは山頂らしき場所が2か所あって自分の到達して引き返したのはどうも手前(東側のほう)のようだ。東側には主三角標石があり、行かなかったほうの西側には国土地理院の三等三角点標石があるらしい。これって、小法師岳に登ったことにならないんじゃないか? ふと思ったが、堅いことは言うまい。そこまで几帳面な人間じゃないからね。80M先に別の三角点標石があるのを知っていれば、絶対行ったものを・・・ハイトスさんレポをもっと隅々まできちんと読んでおけばよかったと後悔した。 ■■
(降り立った県道293から見た、歩いてきた沢)
ご心配には及ばず。全く問題ないですよ(笑)。大量雪を求めているわけではないのですが、雪を踏むのが好きなんだけナンです。今年は太平洋側は少なめになっちゃったようですので、花まで待つのもまた一興かなとも。それに行きたければ何度でも、来シーズンでも・・・もともとソロなのですから。今日は急に仕事になっちゃったので予定が大狂い!(ほどでもないですけど)・・・記事アップを楽しみにしておりますね。
コース詳細の状況は記事本編に書くことにして、まず先にお返事しちゃいますと・・・。
”お花の頃まで待つ”、これは正解だと思います。大正解と言えるかもしれません。それと、意外とコース下部は相当な角度の傾斜がありまして、積雪期や凍結期はどうかなといった印象を持ちました。
帰ってきて、ハイトスさんの同山の記事を見ておりまして、もう一度行かなければ行けないかなと思うことを発見しちゃってますが、本編で書きます。
あの辺、5回も6回も歩けば、いろんな、おもしろいルートも見えてきます。巣神山だけでも、夜半沢からも歩けますし、安易ではありますが餅ヶ瀬林道からもあっさりと登れます。いつぞやは、巣神沢を誤って下ったこともありました。切幹の尾根末端からは歩いたことがないので、いつかはとは思っております。
小法師岳の三角点云々の件、それほど、こだわることもないでしょう。はなのですから、それよりも、法師岳までの区間、2回経験有りですが、気がおかしくなるくらいの激ヤブ体験ができ、なかなか面白いですよ。いずれやってみてください。中袈裟経由、六林班経由、どっちでも十分に日帰り可能です。
それにしても、巣神もも、女性の姿があるだけで、随分と、そこいらの山ではなくなって見えるのがおもしろいですね。
お気に入り登録です。今年は花が良いのではとの噂もあるようですね。5月と周回の組み合わせ!あっ、象山もあったんだった!・・・・随所にななころびさんの気遣いがあふれていて、ほのぼのしてるところが良いです。雪は予想通りでしたでょうか。
二つの山頂の件、ノラさんもやっちゃってましたか、これはもう一度来なさいってことでしょうかね。
登り始めのルートは、今回は最初から三角点945Pを絡めての計画でしたので、ある意味予定した通りの急斜面の激戦をしたという形です。次回が有ればノラさんの言われているほうのルートを歩いてみようかしら。
巣神山から先、やっぱり5月頃ヤシオ、いいですか。またその頃行きたくなってしまいますねー。候補が多くなりすぎて困ってしまいます。
巣神山だけでも、たそがれさんの言われるように、いろいろ歩けそうですね。晩秋に唐風呂からの尾根を登り切幹への尾根末端まで歩くなど面白そうです。たそがれさんのこの辺のレポ、まだ見てないような気がしますので、これからちょっとさかのぼります。
法師岳までは激ヤブありですか、ちょっとまでのルートからは想像できませんでした。法師岳経由で六林班峠からの周回はかなり覚悟が要りそうですね。今回は、ピストンだけでもかなりお腹いっぱいでしたよ(笑)。
Yさんは前日、自分がと決定するまで、その存在を知らなかったそうです。でも登ってからはいたく感激しておりました。
みー猫さんのよく言われる象山って1167.3Pのことでしょうか。下る場合、地形図で見ると、車道までのアプローチがきつそうな感じですね。周回も面白そうですが、大変そうでもあります。脚力を鍛えなければ・・・
雪は1400m以上の開けた場所にあるのみ、予想していた通りの少なさで、歩行に障害はほとんど無しでした。
Yさんと同行なのに雪のとは思い切った選択だなぁと思っておりましたが満足されて戻られてなによりです。
幅の広い防火帯は気持ちが良さそうですね。
自分の一番の記憶もこの場所ですね。
さて、から先へ行って法師岳へ、そして六林班は日帰りできなことはないでしょうが、うかつに誘いに乗ると大変な目にあいます。(笑)
薮の急登とその後に背丈を超える笹藪が控えておりますので12時間超えは必定です。
の先は、かなりワイルドなようですね。昔、皇海の帰りに六林班を通過した時、背の高い笹がルートを覆っていて、一般ハイカーだった自分は一瞬焦りましたが、法師岳/六林班峠間はもっと酷い状態のなのでしょうね。やるなら、プラスアルファのオプションをつけて、山中一泊も面白いかもしれません。でも、重い荷物をしょって、あんな寂しい山中でテント泊もちょっとストレスですね。
YさんはハイトスさんのHPの隠れファンのようで、おK3のことを”オケースリー”と読んでいました。