日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

汗と雨でびしょぬれになって登った後に、観たのものは・・・     只見/浅草岳

2014-06-27 21:55:21 | 山行

入山日 2014年6月22日(日)  雨(、最後だけやんだ)  Kさんと     (浅草岳南尾根の稜線から観た山頂付近)
22日は山開きと掛けて只見の浅草岳を山友Kさんと予定していた。決行数日前に雨混じりの予報だったので、(ほとんど新潟に近い)只見遠征は見送り、近場の低山のピークハントにでも切り替えたらどうかとKさんに打診をいれるが、「いやー、行きましょう。」とのお言葉が返ってきて、なんとも強気。 山歩きに夢中になった頃というのは、だれでも毎週のように山に向かいたくて仕方がなくなる熱中期があるようだ。今の彼女はそんな時期なのかもしれない。従来、自分としては、登り始めに雨なら、山歩きは中止派だったけれど、2週前の大戸岳で終日雨降り登山をして、あれより酷いことにもなるまい、と考え直し、全く初めてとなる浅草岳周辺の山々と向き合ってみることにした。

只見駅の前の広場から送迎バス数台で、南尾根の登山口までは、山開きのバスで送ってくれる。数台出たバスの一台めをほぼ先頭きって乗車(笑。 予想どうりというか、最初からレインウェアを着てのバスのりとなる。登山口まで、意外にも長くバスに揺られ到着。登山口広場で山開き式典に参加し、しっかり御神酒とお目当てのバッジをいただく。
(雨の登山口からの沢を隔てた尾根の末端は結構荒々しく見え、「おいおいいきなりかよ」という気分だった。)


COURSE: 南尾根登山口 6:36 ・・・  浅草岳山頂 9:37  (山頂、前岳間散策) 10:30 叶津口  13:26
当日深夜1時30分に今市を出発、Kさんには少し車中で仮眠してもらって、約3時間で只見駅に着いた。前日は会社だったが、帰宅して4時間はみっちり寝られたので、睡眠には問題なし。
今回の山行は南側から登り、北東方面の尾根を伝い下山。下山地点で只見町のスタッフがいて、タクシーで分乗して駅まで戻れるらしい。単独歩きだとなかなか、こういう歩きはできない。
今回も雨天にも関わらずかなりの登山者が山開きに参加していた。(ざっと見て100人以上の感じ) 山好き人間恐るべし。今回の歩き始めは、かなり先頭に近いので、すいすい進んでいけた。最初は雨の降る沢沿いの登山道を進む。



この日早朝、只見駅のトイレで、なんとなく見覚えのある男性と会った。2週前に大戸岳でとなりに駐車していて下山後お話した会津若松市の青年(tomさん)だった。山開きは各地転戦していると聞いてはいたが、こんなにすぐ再会するとは面白い。 この日は、終日、一緒に歩かせてもらい若い福島の山友ができたみたいだ。
(40分くらいの歩きで沢を離れると、巨木の混じるブナ林を進むようになった。 )


沢から山斜面に取りつきしばらくは急のぼりの連続。今日のKさんは水玉牛模様の雨具で牛やアニメの泥棒のようなコミカルなスタイル、でも悪くない。 足場が悪いにも関わらず、しっかり歩いている。雨は降り続け、暑いしウェアは脱げないし、かなり不快感マックスになる。 帽子は最初かぶらずウェアのフードで頭を隠していたら、流れる汗が目に入り続けて、目がシバシバと痛いこと、まいった。 この時点で下山後のひとっ風呂が非常に恋しくなった。



歩き始めて70分で、稜線に出た。おじさんが数人休んでいた。晴れていたら爽快な景色なのだろう。ここで、多少風通しがよくなり、いく分かは涼しくなる。前方のガスの先に浅草岳山頂から続く稜線のようなカゲが薄っすら見え眺望への期待が脳裏によぎる。


西隣に走る鬼が面山方面の稜線とその下の急峻な斜面や雪渓がどどーんと見えて、いきなりテンションが上がる。この雨とガスの向こうの新潟的な景観は自分としては、かなり新鮮。


歩き始めて約90分の稜線、目の前に見えるのが浅草岳だろう。


浅草岳までは、途中まで尾根伝いに行くよう。その後の後半の急登は山容を見る限り、コースが想像できなかった。稜線の足元にはたぶんコケモモの小さな花やイワカガミが雨に濡れて咲いていた。




高度を上げるに従って鬼が面山の稜線の上部(北側)もよく見えてきた。とにかく急峻、前後して歩いていたいわき市のおじいさん(80才)のお話では、鬼が面山へも向かって周回できるらしい。今日は、その予定はナシ。


コースは昔からよく歩かれているような道が一貫して通っていて、超巨木の根元にこんな説明板がいくつかあった。



稜線にでてからも依然雨降りは続くも、多少小降りになったのと、風とおしが良くなったのと、眺望が出てきたので、かなり爽快感はある。
ようやく山頂直下、先行者が豆粒に見えるのでまだかなりある。最後の斜面はジグザグに樹林間を登りつめていくらしい。




ジグザグの登りが始まるも、道脇のお花を観ながら粘り歩き。 ジグザグなので、距離にはなるけれど、猛烈な登りはない。



ヒメサユリといっていたかな、おじいさんに教えてもらった。なな”はこの花は今までほとんど見たことがなかったと思う。眼下の急峻な崖の岩場にたくさん咲いていた。



さっきまで見上げていた鬼が面山の稜線と同等の目線の高さまで来た。もう山頂まであとわずか。


雨降りの中3時間で山頂に到達、浅草岳初登頂。どうやら日本300らしい、帰宅するまで知らなかった。 なな”の持つエアリアマップ1995年版では山頂まで3時間40分の記載。Kさんもなかなかがんばったんじゃない。 標高はたいして高くないけれど、かなり骨のある山を悪天候で登れて、ある程度の達成感に包まれる。
 


山頂でひとしきり記念撮影や周囲の写真を撮って、少しだけ食料を摂って、西約10分にある前岳方面に向かって散策してみた。いっしょに歩いていた会津若松のtomさんは、ここでアブだかぶよだかの対策で、アミを帽子の下にかぶる。ホームセンターで800円くらいで売っているらしい。顔の前がまっ黒になるようなイメージ、写真を撮ったらブイサインで 「不審者です。」とか言っておられた。自分もアミ、欲しくなった。 (燕巣山のようなことは二度とごめんだからね。)
前岳へは、木道を辿る楽園歩き。今日はこちらへは、あまり人が来ないみたい。湿原の向こうに守門岳と思われる山が見えていた。





鬼が面の向こうに見えるのは毛猛岳になるのだろうか。かなり立派な山容、初めて意識して見た。



前岳手前に広い雪田があった。その先は笹のヤブがひどいようだったので、前岳寸前で引き返した。他の人に自分の趣向のヤブ歩きを強要させるわけにもいかない。
(山頂に戻って、前岳のほうを振り返る。広い雪の斜面の先端まで行って帰ってきた。)



山頂からは雲海というのか、クモの切れ間から所どころの山の眺望が見えた。登って来た方面を振り返ると田子倉ダムが遠くに見えた。



これは会津朝日岳方面かな、今登山中止らしい。 細かい山座同定は全くできていない。




下りは北西方面へ広い尾根斜面をゆっくり下る。すぐ右脇にでっかい雪渓が残っていて、登山道脇には様々な花が多数咲いていた。シラネアオイは地元白根山で見たことがない。きちんと見るのははじめてではなかったか。


つい最近雪が消えたと思われる斜面を下る。 この辺に来ると人影もまばら、静かな山歩きとなる。



振り返って、浅草岳山頂周辺を仰ぎ見るとこんな感じ。


道脇には、しろ系のお花が多く咲いていた。 これはなんでしょ?。


直角にルートが折れる地点、以前はここに小屋が有ったらしい。ガスに巻かれると直進してしまいやすいとは、只見町の説明。右折して、雪渓を横断する。
(横断中の雪渓を仰ぎ見る、かなり急峻でダイナミック。)


白いお花2.


これはカニコウモリ? お花は非常に可憐だった。自然にできたものと思えない繊細さ。



かなり高い木に咲いていた白い花。これは??。




何度聞いても忘れてしまう、このお花の名前。 この日は雨に濡れてとても綺麗だった。




雪の斜面をいくつか横断して除じょに高度を下げていく。樹林帯はあくまで自然で、深山の雰囲気。巨木も林立していた。
(自然林のなかを下るtomさん、Kさん )



尾根歩きとはここでお別れ、石祠と巨木があった。直角以上に右折して、あと強引に急斜面を下っていくルートに変った。



歩き始めて7時間弱で、吐津口の登山口に到着。そこでは、只見町のスタッフのかたが陣取っていて、歩いて来た我々をいろいろもてなしてくれる。 町の女性のみなさんから甘酒や麦茶をいただく。甘酒などあまり好んで飲んだことはないけれど、こんなにおいしく感じた甘酒は人生初。 tomさん、kさんと甘酒乾杯の写真などを撮る。
スタッフのかたはとにかくもてなしに徹してくれて、いろいろ教えてくださる。なな”としては、この時一番気になっていた、風呂の場所を聞き込んでいた。 只見町の三山山開きポスター(立派)、只見町の紹介パンフ、周辺地図、観光案内、只見町のうちわなどをいろいろいただく。ちょっとこれは、保存版行きだね。 このあと、少しゆっくりして乗り合いタクシーで只見駅まで戻る。途中”蒲生岳”の驚くほど鋭角な山容をみてタクシーの中で盛り上がる。(みー猫さんの写真で知っていたけれど、生で観るとまた凄いね。) 式典のなかの町長さんの挨拶もよかったが、只見町が一機に好きになって、今後この辺にもいろいろ来なくちゃいけなくなってしまいそうなのが、今日の収穫。  ■■


(濃厚な甘酒、旨かった・・・。)



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9 コメント

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浅草岳 (野球親爺)
2014-06-28 00:27:36
こんばんは。
相変わらずの精力的なお歩き、敬服いたします。
浅草岳、以前にさるお方から蛇がウジャウジャいるというようなことを聞いており、にょろにょろしたものの苦手な私には縁遠い山と思っておりますが、今回は遭遇はなかったでしょうか。
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野球親爺さん (ななころび)
2014-06-28 06:44:10
こんにちは。 精力的な歩きなのか、遊び人なのか・・・は微妙なところです。
野球親爺さんの蛇のコメントを見まして、記事のなかのお爺さんが、そんなことを言っていたようなことを思い出しました。しかし、今回は全くそんなものは見かけませんでした。季節的なものなのでしょうか。
この周辺の山もデビュー戦だったのですが、浅草岳は標高1500台ながら、歩き甲斐もあり、眺望や風景もすばらしい、お奨めの山でした。野球親爺さんは、晴れの日に是非・・・。
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浅草岳は雷の思い出の山です (ノラ)
2014-06-28 10:25:40
ななころびさん こんにちは。今日は又会津ですか?それとも明日かな?三つ岩に声がかかっていたような?やはりここで帰りに蒲生岳見られたんですね。私も蒲生岳は行ってないんです。浅草岳はやはり花の山ですね。そばの守門岳もそうですが。私は夏のお盆のころに行ってるのですが,その時もヒメサユリは残ってました。その時は晴れてましたが登りでばてて,山頂で昼寝してしまって少し遅くなり,帰りに山中で雷に遭いまして30分動けなかった思い出があります。ななころびさんが登られた尾根だと思います。それから何度も雷に遭ってますがあの時が初めてで非常に怖かった思い出です。
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ノラさん (ななころび)
2014-06-28 10:52:17
こんにちは。
今日は、早朝からあいにくの雨。ここのところ、ずっと違和感のある右足付け根の痛みも考え、家で皆さんの記事をまとめて楽しんでいます。明日は、また会津ですね、たぶん。
蒲生岳の角度は凄いですね、本当に登れるの?と思ってしまいました。要害山は普通の低山?それともうひとつ尖がった山がありました。いづれもリピート必至です。
浅草岳は雨ふりの天候でも非常に楽しめました。あそこで雷に会ったら恐いでしょうね。今度は山頂から見えた守門岳に興味が沸いてきました。こうやっていると、きりがありませんね。
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オオカメノキです(笑) (みー猫)
2014-06-28 16:16:32
こんにちわ。
視界がちょっと残念だったみたいですが、自分も初回の天気はこんな感じだったですが、ヒメサユリが見れて良かったですね。只見は好きなエリアです。ななさんもハマりましたか?初回に行ったときの花ですが、これのURLに入れてみましたので覗いてみてください。蒲生岳は鷲ヶ倉山(上級コース必須?)とセットで是非お願いします(笑)
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URL (みー猫)
2014-06-28 16:19:54
すみません。↑上でうまくはいらなかったみたいなので・・・・こちらです。
http://blogs.yahoo.co.jp/torachatojp/9623899.html
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みー猫さん (ななころび)
2014-06-28 18:51:53
こんばんは。
URL お知らせいただきありがとうございます、為になりました。
只見はいい所ですね、いづれまた行くことになるでしょう。鷲ヶ倉山は上級コースとか別のコースがあるのですね、ちょっと調べないと行けないですね。
あの辺の秋の景色を見てみたいです。
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キツイけど大好き (はなゴン)
2014-06-28 20:35:26
おお、浅草岳に行かれましたか!
豊かな森、雪渓、花、ガスに煙る展望と素晴らしい山行になったようですね。
この山、私も昨年ヒメサユリが見たくて鬼ヶ面方面から登ったのですが、アップダウンが大きくて果ててしまいました…。でもまた行きたい! 
毛猛山は私も気になっています。
http://blogs.yahoo.co.jp/hanagon60/45655331.html
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はなゴンさん (ななころび)
2014-06-30 03:14:37
こんにちは。お返事遅れて失礼しました。(山で疲れて、寝てしまった。)
鬼が面山は見るからに、縦走はきうそうだとは思っていましたけれど、はなゴンさんの記録を見ると本当に大変そうです。(でも、そうなると恐いもの見たさで、行きたくなってしまうんですよねー。)
鬼が面山周辺のヒメサユリは、7月には凄いことになるのですね。非常に参考になりました。紹介いただきありがとうございました。
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