日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

二子山で三色のツツジ見物歩きをする。   足尾、二子山/台石山

2013-05-28 23:01:05 | 山行

2013年5月26日(曇、晴) 単独       (二子山、東1300m付近の尾根周辺)
26日は足尾の二子山に登ってきました。私にとっては始めての山です、なので、仲間内でいろいろ最近話の出ているマニアックコースではなく、自分の知る中では最もポピュラーと思える尾根伝いに歩いてきました。予想以上にお花の多い尾根で、歩き終えてかなり満足度は高いです。いつものヤブ山あるきと違って、今日は山中で出会ったのは2組。うち、一組のかた達からは結構興味深い話が聞けました。内容は後ほど記事のなかで・・・
コース: 沢入トンネル南側駐車スペース 6:04   三角点1159.9  7:44   二子山山頂 9:24  台石山山頂 9:49  沢入トンネル北側車道合流 12:18  スタート地へ 12:30 

(スタートは沢入トンネル南側の金網の扉から、中に入るとこんな感じ。異様な空間はちょっと想定外。)


擁壁の役割の頑丈で高い金網の扉を押して中に入る。階段をあがる場所から異様な空間だ。通常、入る場所ではない。中に入っても岩壁を金網で覆いかぶせて落石を防いでいる。(写真下) どこから登ればいいのかわからない、もっとネットで下調べをしっかりするんだった。写真下)の右方向に目印があったが、急だったので、まだマシとおもわれた左のほうから急斜面に取りつく。見た目、急だけれど、なんとかつめていけそうにみえたその取り付き斜面。取り付いてみると、傾斜が急、足場が悪い、掴む枝がまばら、滑ったらかなり下まで行ってしまいそうの四重苦。何とか、斜面を行ったり戻ったりしながら、手袋を泥や木屑だらけにして、安心できる尾根の末端に乗ることができた。


ようやく最初の危険箇所を登りきった地点から、来たほうを振り返る。斜面の先が見えない。(写真下) 苦労した区間は10分にも満たないか、意外に長かったか? その間の写真は撮る余裕ゼロで写真なし。


最初あれだけ苦労したのがうそのような尾根が始まる。傾斜は比較的緩やか、時に急な登りもあるのだろうが、登りの時は、精神が興奮しているのか麻痺しているので、急に感じないようでもある。 先週2日連続歩いたので、今日も登り自体は苦にならない。尾根を少し進むと、朱色の鮮やかなツツジが出迎えてくれる。


この尾根、多少急な登りと水平歩きを繰り返し、小ピークをいくつもこえていくコース。ツツジもきれいだが、新緑も鮮やか。


沢入トンネル北側から登ってくる県境尾根と合流する地点で前にスズの音が聞こえる。おそらく県境尾根方面から登ってきた人がいるのだろう。数分で追いつく、自分より上の世代の男女三人組。へーこんな所を歩く人も我々意外にいるんだねえ。挨拶をして先を行かせていただく。高度を上げるにつれ、朱色のツツジの密度がふえてくる。この尾根、時に面白い形の巨岩が道の真ん中にあったりしてアクセントになっている。(写真下)



ツツジが多いところは、こんな感じ。この真下を登っていく。



スタートから1時間40分で、三角点1159.9Pに到着。そこからは日光方面の山と、その手前に少し前にY姉さんと登った、小法師尾根と思われる長い尾根が樹間から見えている。既に汗でびっしょりの背中をここですこし乾かしましょう・・・。


男体山と手前は社山カナ、そうするとその左のタイラ”は大平山。



三角点1159.9Pを過ぎて少し進むと、今度は白ヤシオが出てくる。もっと前から濃い紫のツツジもちらほら点在してきていたので、若葉も鮮やかな尾根は結構華やか。




優しい尾根、時に細くもなる。(写真下) 危険箇所はなし。登る局面ではルーファンの心配もほとんど無く、ここまで悩むこと無し。


スタートしてから2時間25分経過の地点、(写真下) 尾根が広まりなだらかな山容が続くようになり、周囲は白や紫のツツジも次第に増え出す。踏跡は出てきたり、不明瞭になったり、基本一般登山道ではないレベル。しっかりした道標も全く無い。目印はたまに出てくる。



この尾根、こんな大きな丸みをおびた巨岩がたまに尾根上に並んでいる。


めざす二子山あたりのピークが薄っすら正面に見えてきた。(写真下) 一度尾根型が無くなるような感じのところを、方向を西に定めて進む局面。周囲は3色のお花がきれい。


幅広の尾根を西に進む、ゆるやか登り、多少のアップダウン、水平歩きが続き、距離を稼ぐ。心地よい場所・・・



平坦な針葉樹林の森を抜けていく。


歩き始めから2時間40分経過、樹林間を抜けると明るい草原に出た。ここがたそがれさんのコメントで見た二子平”と呼ばれるところだろうか。(写真下) 広く開放的な草原が広がり、間を小さな沢が沼状に流れている。その周囲は草地、〇〇のかなりの群落もあった。(〇〇は自分の記事では明記しません、知っている人は知っているでしょう。明記しない理由はこのレポで後に書きます。) 草原の向こうには、これからつめて行くのであろう二子山方面、たぶん前衛峰がはっきり見えてきた。



草原の中を横切る小川、多少の水流があった。 岸は泥んこ、ここを横切った。



小さなせせらぎを横切り草原を後にして、西方向へ斜面に取りつく。この斜面、結構急で、心臓の鼓動を確かめながら一歩一歩踏みしめていく。どこを歩いていってもいいような斜面で踏跡もまばら、鹿のツボの足跡やフンがあちらこちらにある。



急な登りも、時にこんなのが目を楽しませてくれる。


こんなのも出てくる。


尾根型の感じられない急斜面を10分ほど?だろうか登りつめると、また進路は尾根型のあるような場所を辿るようになる。(写真下) 大きな岩と、多彩なツツジが出迎えてくれる尾根道を詰めていく。



登り斜面、標高は1500m近くのこの場所まで、ツツジは咲いていた。この花の脇を登っていく。山頂まであと少し・・・



最後の急登だろうか、しばらくの間、樹林間をひだすら登る。



急登斜面も終わり傾斜も緩やかな平原のような尾根道に出て少し進むと・・・(写真下)




歩きはじめから3時間20分で、二子山山頂に到着、誰もいない。ここまで山中で会ったのは、追いこしたあの3人パーティだけ。この山はやっぱり静かだな。 東西に長い尾根上にあるピークで樹林間からは袈裟丸山方面や日光方面が見渡せる。今日は曇り予報だったが、青空いっぱいとまではいかないが、日差しもあり、気温も高く、気分的には晴れ。少し白っぽい景色だが、充分袈裟丸山の姿も楽しめた。なな”は袈裟丸は行ったことがない、今の時期、一般ルートは激混みのようなので、しばらく間をおいて行ってみようかな。
(山頂の三角点)


山頂からは袈裟丸連峰や法師岳方面を堪能する。


二子山山頂でしぱし、景色を楽しんで、直線300mほど北東にある台石山に行ってみる。二子山からは来た道を少し戻り、途中北東方面に向け来た道を分け、樹林間の斜面を方向だけ定めて下り、鞍部からは登っていく。二子山からは20分くらいで到着。山頂には山名板はなかった。テラス状の大きな平石があり、そこに登って袈裟丸方面を撮影した。
(台石山山頂、目印になるものはなにも無い。向こう側に二子山が見える。 )


(台石山から袈裟丸山方面 )


台石山からは、南東方向に斜面を下っていく。(写真下) どこをどう降りても方向があっていればいい斜面なので、下りやすい地点を見つけて直下降する。少し進んで、ちょっと想定より東(進路左より)に進みすぎているのに気づきそこからは意識して南方向に進む。往路に使用した県境尾根に復帰する為だ。


台石山から25分ほど下って、県境尾根に復帰できた。台石山を下っている時、県境尾根方面で,人の声がしていたので先ほどの三人組だろうと思っていた。尾根復帰辺りで二子山方面から降りてきた二人組に出会う。さっきの三人ではなかった。
挨拶をする、一人のおじさんは60超くらいの中日の岩瀬投手が歳を重ねたようなかた。なな”を見て「こんな所、歩いて珍しいね。」と声をかけられる。しゃれた登山用ウェアや装備は身につけていないが、ひと目で二人とも山慣れているとわかる雰囲気を持っている。岩瀬さんにどこから来たのか聞くと、袈裟丸のほうから市の委託を受けて、盗掘防止の為の巡視をしていると言う。どうりで歩きが早いはずで、かなり後方にいた二人にあっという間に追いつかれたのだ。
なんでも、山菜や花が咲く木などの盗掘がかなりあるそうで、見回りが必要だとか。時に市の職員も一緒に回ると言っていた。ついさっき会った3人組も〇〇を採取していて、捕りしまわれたとか。自分が往路出合ったベテランハイカーのことだろう。花が咲く前の〇〇を採取してしまうと、翌年再生できず、ついには群落自体が無くなってしまうのだとか・・・。 不法に採取したものは、没収、反省が見られない場合、通報、罪として問われる、という段階を踏むらしい。最近はネットで、〇〇の群落が有るという情報がでると、その影響が大きいらしい。ネットではそういった核心的な部分はぼかしてほしいと言っていた。歩いているかたの大部分は良心的なハイカーだと思いたいが、取れるものは採ってしまいたいとなってしまうのだろうか。
心ある登山者の皆さん、人目がないからといって、自然のものを傷つけるようなことはしないようにしましょう。

(ご苦労さまです。)


また、二子山から続く県境尾根、昔は防火帯だったと言われていた。今見るとそのようには見えない、人手が入れられなく今のヤブ尾根の姿になっているようだが、以前は山火事の伝播を防ぐれっきとした防火帯だったそうである。

どこから登ってきたのか、どこに降りるのか、心配して聞いてくれる。まず、登った沢入トンネル南脇の扉を開けてと言うと、「だめだよ。」と言われた。あそこを開けて入ったのを何とか省の人にみられると、扉にカギをかけられてしまうらしい。カギをかけられても、帰路はトンネル北側に降りるつもりだったが、なるほどそういう事もあるのか。あの辺から登るならトンネル南の旧道に入ったすぐの地点から尾根に取りつくように教えてもらった。
下りのルートでも途中南に引き込まれる迷いやすいポイントがあるという事で、過去何度も事故が起きていると言っていた。なんでもその間違い尾根を進むと、断崖の上の石塔だか、石灯籠だかの地点に出てしまうと言っていたがちょっと、どのあたりのことかは解からなかった。GPSを見ながら歩いてよ、と言ってくれた。

市に依頼されて山歩きをしながらの巡視のお仕事、なな”はちょっと羨ましくなり、そのことを告げると、なんと全くのボランティアなのだそう。それには、ちょっとびっくりしてしまった。しかも二日後、またちょっと違う所を歩くという。驚きを正直に告げると、「せっかくこんなきれいな自然のある地元に生きているので、この自然いつまでも守りたい為に、誰に指示されるでもなくやっている。」とあまり聞いたことのないイントネーションのお言葉で語られていた。いろいろ為になるお話をありがとうございました。・・・

お二人とは二子平まで一緒に歩く、お二人はそこで草原の巡視をし休憩をするようだ。岩瀬さん達とはここでお別れ。そこからは一人、往路に使用した県境尾根を辿り下る。
(日も高くなり、ますますミドリがきれいに映える尾根、巨岩もいい。)


帰りの下り局面は、お花がより美しく見える。(写真下) この県境尾根、870Pの尾根分岐までは登りで歩いたトレースをそのまま戻るだけ。登りの時はルーファンの心配は一切無かった。時おり、磁石と地形図を見比べる程度。
しかし、下りではそう簡単にいかない。途中進路選択を迷う尾根分岐が何点かある。都度、磁石と地形図とにらめっこ。最初は自分の判断で進み、少し進んでからGPSでカンニング。GPSの裏づけがなければヒヤヒヤの下り歩きだったろう。この日の自分の分岐での判断は全て〇。分岐と気づかなく間違い方向にほんの少しの進行が1回のみ。まだまだルーファンは未熟をよくよく実感。


870m付近で往路で歩いた尾根と別れ、県境尾根を進む。ここからは今日歩いていない尾根歩き、広い防火帯がある尾根を進み、最後まで尾根を追い続ける。この辺はGPSの軌跡もないので、脇道に誘う変な目印をみかけては、ちょっとドキドキしながら歩く。870m以下はお花はめっきり少なくなる。(写真下)



870m付近の尾根分岐から15分ほどで小さな鉄塔のすぐ上に出る。そこからは案外、直下を走る県道が近く見える。(写真下) 向こうに見えるのは、大萱山だろうか。そこも未踏。


最後は尾根末端を強引っぽく下り(しかし薄っすらの踏跡はある) 何かの煙突のある工場の脇に降り立った。歩き始めてから6時間超、ふー、今日はちょっと充実感。短い時間でもみっちり歩けた気がした。
この日は二子山初登頂、長い尾根でのお花見歩き、巡視のかたの興味深いお話、尾根復路での冷や冷やルーファン、と充実の歩きができて、またも満足の山の一日になった。 
(* この日の歩きは昨年4月に同じ尾根を歩かれたハイトス先輩の完全な後追いです。)  ■■

(自分のスバルまでは、このトンネル脇の旧道を歩かなければならない。もうちょっとで行程完了。)


(旧道も新緑はきれい、渡良瀬川上流部の渓谷と1台だけ来たトロッコ列車様をみながら歩いた。旧道の荒れ方も尋常ではなく、1箇所などは、林道の原型をとどめない崩落跡を乗り越えた。)



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6 コメント

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二子平 (みー猫)
2013-05-28 23:47:00
こんばんわ。
歩く場所の色々な情報がわかると、充実した山行にもなるのでしょうね。防火帯だったことで、ぶなじろうさんが書かれていたことなど色々と分かるような気がします。心無い人が居なくなれば良いのになぁ、そうすればその御二人も巡視じゃなく、気持ちよく歩けるだろうにと思いました。二子平、いついこうかな。ななころびさんの記事を拝見しまして、大事にストックしておこうかなとも思いました。お疲れ様でした。
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二子山 (足尾のRR)
2013-05-29 20:38:03
はじめまして、いつもレポート楽しく拝見させて頂いております。
沢入トンネル南の車はやはりななころびさんのだったのですね。最初、裏に自分の車も停めたのですが やりいたいたずらされたくなかったので足尾トンネルのダム駐車場に移動してしまいました。
台石山山頂にはななころびさんの25分遅れで着きました。ニアミスでしたね。二子平では岩瀬さん達は昼食中でした。自分も役所の委託とは聞いていましたが、彼らから見たら自分が一番怪しかったかも(和柄上下にタオルで覆面)
足尾にはまだまだ良いルートやマニアックなルートが沢山あります。次回の足尾のレポート楽しみにしております。
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入り口 (ハイトス)
2013-05-29 23:31:44
こんばんは。
そうですか、例の金網の入り口はあまり好ましくないという御指摘ですので次回から改めなくてはですね。
あにねこさんの様にトンネル南の旧道に入ったすぐの地点からが無難ということで。
ところで○○が意味不明ですので又今度こっそり教えてください。
自分は全く何のことか判りませんので。
しかしそんな様なものがあのアタリにあったかなぁ??

RRさんとニアミスだったようですが惜しかったですね。
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みー猫さん (ななころび)
2013-05-30 00:59:22
こんばんわ。 
巡視のかたのお話をいろいろ聞いて本当に為になりました。教えてもらわなければ、わからない情報ばかりでしたので。我々のように山に立ち入らせてもらうものは、自然のものは、そのまま残す努力をしなければいけませんね、改めて実感しました。
お花も多く見れて良い尾根でしたが、秋の頃もきれいな景色が広がっているのでしょうかね、これから初夏もいいかも。また一つお気に入り山が増えました。
例のたそがれさん”プランもありますし、別ルートでの再訪も楽しみです。
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足尾のRR さん (ななころび)
2013-05-30 01:14:11
こんにちは、はじめまして。
足尾のRRさんの事は、たそがれさんの所などで、見知っておりました。私の記事も見ていただいているとのこと、恐縮でございます。
沢入トンネル南のSUVは、私のだったです。そうですか、25分のニアミスとは、あの寂しい山域での出会いなら、RRさんとわかったと思いますので、とても残念です。またの機会を楽しみにしています。
私の経験やスキルではRRさんのような超マニアックコースは無理ですが、足尾だけでもまだまだ歩くところが山盛りなので、一つずつ歩いていくのが楽しみです。これからもいろいろ面白い尾根、沢情報、聞かせてください。
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ハイトスさん (ななころび)
2013-05-30 01:40:14
こんにちは。
トンネル南の旧道に入ったすぐの地点、帰りに見てみましたが、取り付けそうですね。金網扉から入るよりも危なくもなさそうです。
○○は、今度コッソリですね。。。
先週も二子山周辺でその筋のかたの大集合、私は先日も夕日岳周辺で、ぶなじろうさん、野球親爺さんとすれ違い、今回のRRさんとのニアミスと、この時期、皆さん考えていることが似ているのか集中しますね。
RRさんとのニアミス残念でしたが、まだこの先いくらでも会える機会があるでしょう。
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