日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

憧れの大佐飛山へ長大な雪尾根を辿った   黒滝山/大佐飛山 Pt.1

2014-04-01 00:46:34 | 山行

2014年3月29日(土) (晴)  ハイトスさん おk3、 みー猫さんと    (目の前に大佐飛山が見えてきた稜線 )
今回はノラさん他、おおかたの予想している通り大佐飛山を歩いてきました。詳細は後ほどの記事で見ていただくとして、結果非常に記憶に残る山になりました。一緒に歩いていただいた仲間全員に大感謝です。

大佐飛山なんて、一般ルートのみの登山者だった3年前は知らなかった。その名前と、その深山としての意味を知ってからも、すぐには行けるような実感がわいてこなかった。雪の無い季節はヤブに覆われる長大な尾根も、積雪の時期だけ、歩行にほぼ障害無く歩いて行けるという。ネット記事をあこがれながら観てみると、普通に歩くと12時間とかそれ以上かかるようだ。障害なく歩ける積雪の時期といっても、積雪時期ならではのリスクもあるわけで、長時間勝負と合わせて考慮すると、決行するのにちょっとしたストレスを感じていた。
そんなおり、お仲間のたそがれファミリーの皆さんが大佐飛をやるという。お誘いを断るはずもなく参加を表明。ここ3回ほどの山行は、それを意識し、距離を歩く練習とした。

(登山開始は闇の中にヘッデンの明かりでぽっかり浮かぶ階段から。最初に登っていくのに躊躇し、このコース2度目のみー猫さんに、「先登ってください」と言ってしまった。(笑) 画像は、途中から先頭を恐る恐る進むななころび。)



決行前日の金曜日はお仕事。でも、翌日のことで頭はちょっとした興奮状態で、業務も気もそぞろ。まるで、遠足の前日の子供のようだ。こんなに前の日に決行が楽しみだった山はいつ以来か。高薙山や錫ケ岳の時より、エキサイトしていたのじゃないか。
17:30会社を終え、18:20帰宅。すぐに簡単な食事、シャワーですぐ睡眠。 19:40 にベッドにはいる。 途中、登山口で前夜泊のみー猫さんから、林道情報を主旨とするメールが2度ほど入るが、すぐ眠りにつけた、2時間ちょっと寝た22:00頃、みー猫さんから林道登山口に着いた連絡メールが入る。 読むと”登山口に今ついた。空は満点の星空、夜景がきれい。他にエクストレイルが2台ほど・・” というような、内容。このメールはちょっと自分にはいけなかった。何か、また急に精神が覚醒してしまい、すぐに登山口に飛んでいきたくなった。それではイカンと思い、布団の中で寝ようと努力するが、もう寝られなかった。23時には、起きて出発準備、予定より2時間早く、自宅を出発し黒磯百村に向かった。

(主稜線に立ったと思った地点で、平野部を見下ろすと、消え行く夜景の残り火がきれいだった。)



林道入口が暗闇のせいもありよくわからず、先の寺まで行ってしまいユーターンして少しうろうろ。間違ってすぐ手前の民家の庭に車の先を突っ込んだりして、ようやく林道に入っていけた。
林道も予想以上に長く、しかも途中から荒れ気味。雪はほとんどなかったが、小さな落石がぱらぱら転がっていたり、倒木の小枝が左右両側から迫ってきていて、ぎりぎりか少しこすりながら走るような有様で気持ちヒヤヒヤ。いつまでたっても、登山口に着かないのでちょっと焦りだしたころ、みー猫さんの車を発見し、安堵。起さないように、静かに走り、少し離れて停車。これが1:30。 3:30集合目安なので、少し寝れるぞと思い、車の後ろでシェラフに入り少し寝た。結局1時間くらい眠れただろうか、3時に目覚ましで起きて、朝飯用の菓子パンを食べたりしていると、ハイトスさんのSUVが上がってきた。奥さんとは、”なな”もみー猫さんも初対面。暗闇のなか、顔もお互いよく見えないような状態で、初対面の挨拶をした。体調はすこぶる良いが、睡眠時間が3時間ほどしか取れなかったというちょっとした不安を抱えての出発となった。


スタート地のここまでの労力で、かなり精神的エネルギーを使うほどエキサイトして、もう一仕事終えた気分の暗闇の夜明け前。
3:58頃スタート。 取りついた斜面は、百村山から黒滝山に続く稜線に上がる為の、枝尾根を登っていくもの。ほんの30、40分程度のがんばりで稜線に上がれるはずだ。暗闇の中、ヘッデンのあかり頼りに登っていくが、かなり急。踏跡は薄っすら夜目にも確認できた。10分ほどで、前を行くみー猫さんにちょっと悪い気がして、なな”が前に出てみる。最初ちょっと闇に戸惑うも、慣れてくると何とか登っていくことができた。気温は高いようで、全く寒さを感じないほどだった。20分ほど登ると、周囲は全面の積雪地になった。

主稜線にでるまで、予想以上に時間がかあるなあと思いだしたころ、主稜線らしき一角に登り着いた。躍り出た主稜線上は潤沢な雪の尾根。ネットなどよく観ていた通り、左サイドに雪庇ができている。あまり、左よりにならないよう登っていく。この辺はなな”がなんとか先導。



COUESE: 新登山口 3:58 ・・・  三石山 5:13 ・・・ サル山 6:10 ・・・ 山藤山 6:53 ・・・ 黒滝山 7:57 ・・・ 大長山 9:41 ・・・ 大佐飛山 10:50-11:35 ・・・ 大長山 12:47 ・・・ 黒滝山 14:14 ・・・ 山藤山 15:02 ・・・ 三石山 16:02 ・・・ 百村山 16:46 ・・・ 新登山口 17:13

この日は、グループの長たそがれさんは諸事情で欠席、残念。でも影のリーダーのハイトスさん、登攀隊長みー猫さんがいるので、Tファミリー歩きといってもいいでしょう。(と前回と同じようなことを言う。)
途中、サル山手前だったか、急な登り地点が出てきたので、4人そろってそこで、アイゼン装着。ロープが渡してあった斜面はそこだけ結構急で、用心が必要だった。




今日はグループ歩きにおK3が初参戦。さすがに長丁場のこの山に関しては、走行時間等気にされていたようだが、歴戦の数々を観ると心配は無用の気がした。みー猫さんは、それでも気遣って、適宜休憩を入れてくれていた。
(振り返ると、がんばってしっかり付けてくるおk3。さすが、キャリア10年長のベテラン登山者だった。)


地形図で黒滝山ピークまでの、所々の急登は覚悟をしていた。こんな登りが、結構有ったりする。登りの時って、気持ちが興奮しているのだろう、あまり急な登りをしていたと思わないで、通過したりしている。下り(復路)として歩いた時、こんなに急な登りが続いていたっけ、と思ったものだ。



山藤山山頂部には、意外にもテントが3張あった。内、一つのテントのかたは、まだ周囲にいらして、片づけ中。そのかたは多分、あと下山だけだったような気がする。あとの2張のかたは、今アタック中なのだろうか。そのかたたちとは、のちに大長山付近ですれ違うことになる。




いつしか、後方や右サイド(北東方向)に那須連山の巨大な塊は見えてきていた。積雪は時に、少しだけゆるくなったりするが、大部分は、結構しまって、登っていきやすかった。
空は、ちょっと雲が多め、振り返ると今歩いて来た尾根の連なりが確認できた。(P ↓)
(ロープが渡してある急登地点を登ってくる、ハイトスさん夫妻)


目の前に、黒滝山らしき山容が目に入ってきた。黒滝ピーク達成も視野に入ってきたようだ。人の話では、どれだけロングコースなんだよ、と恐れていたこのコースも。黒滝まで行くと、約半分の行程のイメージ。そこからは、高低差のあまりない、距離を稼げる尾根のイメージ。夢中で歩いているせいか、ここまでかなりあっさり来られた気がする。
(黒滝山を視界におさめるなな”)


黒滝ピーク手前で、ほぼ同時期に出発した、男4人パーティと男二人パーティが追いついてきた。この2パーティ、平均年齢では、こちらの隊より若め。このあと、我々とその2パーティがほぼ同時に黒滝山頂に到達する。
(雪庇とみー猫登攀隊長。)



急登地点をつめるなな” 結構急斜面だったんだなー。(こういった画像はもちろん、みー猫さん、ハイトスさんにいただいたもの。)



ハイトス隊長 WITH 黒滝山。



スタートから約4時間分で、黒滝山頂に到達。途中ゆっくり休憩を挟みながらなら、ほぼ想定内の経過時間だと思った。山頂で なな”はおたく的にひとり、こんなことをやっている。(みー猫さんは、こんなのも撮ってくれるんだねえ。感謝です)



黒滝山までに、2度ほど軽い栄養補給を含む休憩を取った。これは、全てみー猫さんの考えての作戦。 自分の単独時のペースとは異なるが、今日は大佐飛のピークハントとその過程の尾根歩き事態が目標。こういうペースで行くのは、今日の場合かえってよかったのかもしれない。
黒滝山頂からは森の中の、やや複雑地形を歩き、尾根を乗り換える形で、進んでいく。このあたりから、時おり、雪の踏み抜きのひどいのが出始めてくる。特に、被害のひどかったのが体重のやや重いハイトスさんで、黒滝山直下では踏み抜きを連発されていた。いったん雪を踏み抜くと、膝や股下まで入った足を引っこぬくのに、通常の登山では使用しない筋肉を酷使するようになるので、体力を消耗してしまう。ハイトスさんの状態を見て大変そうだなー、などと傍観していたなな”であったが、結局この日、このあと何度も踏み抜きをやらかすことになる。
黒滝山から35分ほどで、西村山ピークを通過。
樹林帯が途切れると、南西方向に高原山や日光の山々の見事な眺望が見えだしてきた。
(高原山)



なな”的にはいつもと逆向きの日光連山。


大長山周辺の樹林帯の尾根道は、なな”のヤブ山の原点於呂具羅山的でもある。こういうのは、とても好きな雰囲気だ。



北東方面の那須連山の稜線が見放題の状態になってきた。ここからは、噂に聞くパノラマコース、歩をすすめることに、パノラマが変化していく。




大長山付近を先導して歩いていたなな”は一人だけ、山名板を見過ごす。(帰りに確認しよう。) 大長山ピークだった地点を過ぎると、一時なだらかにしばらく下る尾根になり、大佐飛山が目前に広がってくる。一気に気持ちが高揚する瞬間。



那須連山から大倉山、流石山方面のパノラマはこの尾根の眺望のMVP。西村山以降、ほとんどの地点から絶え間なくその姿を堪能することができた。
この眺望を見た辺りで、前から来る6,7人の高齢者を含むパーティとすれちがった。あの山藤山のテントのパーティだった。先導のおじさんと少しお話をする。浅黒く雪焼けをした、やせているけれど、山をいくらでもあるけそうなタイプのおじさんだった。メンバーに70後半では?と思うおじいさんがいて、一歩一歩踏みしめて進んでいる姿に感銘を受けた。 ゆっくり、テント泊の山あるきもいいなあ。



大佐飛山へと続く尾根ははっきりと確認できた。あとはこうやって一度降りて、あの尾根をこうやって緩やかに登っていけばいいのね。なんて感じで、皆で確認。ようやく、あともう少し感が出てきた。



だんだん大きくなる大佐藤飛山を正面に見て進む、ハイトスさんとおK3。 このあたりでの気分のよさは文章にできない。



大佐飛山のピークが近づいてきた。でも、大きな山塊の山容は、近くに見えてからが、意外に遠いのだ。案の定、この地点から簡単に到達!! というわけには行かなかった。

長くなってしまうので、以降は =====>  パート2に続きます。
      ▲▲



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様でした (みー猫)
2014-04-01 07:28:52
おはようございます。
土曜日はお疲れ様でした。皆さんとの時間もあっという間……というわけでもなく、長く楽しめましたね。前夜のメールの件、そんなに興奮させちゃったんですね。申し訳ないです。写真の共有は大丈夫だったみたいで良かったです。自分のほうはPC更新も重なってアップまでもう少し時間がかかりそうです。
返信する
そろそろかなって思ってました (ノラ)
2014-04-01 20:52:51
ななころびさん こんばんは。そろそろかなって思っていました。お疲れ様でした。これが終わったら,初夏の宿題が出来てしまいますよ。みー猫さんが言われてませんでしたか?それにしても気持ち良さそうですね。ここが雪が無くなるとなかなか,通常では行けないコースになるなんて思えないですね。雪ある天上ハイウェー楽しく歩くも雪が無い時想像するとまた来ようになりましたでしょうか?
返信する
みー猫さん (ななろこび)
2014-04-01 23:20:18
こんばんは。
大佐飛では大変お世話になりました。
メールの件、自分が勝手に盛り上がってただけで、みー猫さんのせいでもなんでもないですよ。
今回の山行は貴重な体験ですが、その前日の準備段階からの気持ちの盛り上がりなどが、実に思いで深い出来事になりました。
下から見た鴨内山、でっかかったですね。
返信する
ノラさん (ななころび)
2014-04-01 23:27:34
こんにちは。
大佐飛山、行けてよかったです。ノラさんには、山名まで読まれていましたね。
初夏の宿題って何ですか? また、恐ろしげな計画があるのでしょうか。
雪の時期はあんな爽快な尾根なのに、夏にその場にいたら、どんななのでしょうか。ちょっと見てみたい気はします。

みー猫さんは、今回は、夏歩きの偵察だったみたいですよ。   (うそです。 4/01なのでご容赦を・・・)
返信する

コメントを投稿