日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

前地蔵の東面は、降りも登りもちょっといやらしかった 粕尾・地蔵岳/前地蔵/三角点1025p/ 1027p

2016-05-10 14:58:35 | 山行

2016年5月1日(GW)    晴、曇   (南方向から見た前地蔵、地蔵岳) 
前の日に秋山の氷室神社から氷室山北東の1027P付近までつなぎました。次の日は疲れるので、山は休もうと思っていましたが、天気予報を見ると2日、3日とあまりよろしくない天気のようです。ならば、連日になっても歩いてしまいましょう。しかし困ったことに歩く山選びに困ってしまいました。行きたい山はいくらでもあるのですが、急に何日間も何してもいいよ、って連休になると、日頃から計画を立てていないと、慌ててしまうもんです。ふと、思いついたのが、前の日の尾根の続きを歩くこと。氷室山を超えてゴールの峠まで歩く尾根から北に地蔵岳らしい山を前日見ていたのが、決め手になりました。家のパソコンでいつもお世話になっている瀑泉さんの該当区間の記録を探そうとしましたが、あれれ どうしたことか見つかりません。他のかたの記録もなかなか適当な記録が見られなくて、今回は地形図だけを見て、自分の思考だけで前準備です。前地蔵岳から南東に尾根通しで歩くところが、尾根型が不鮮明になって、しかも急傾斜。ちょっといやな予感を持ちながらのスタートです。

2日連続して足尾の町から粕尾峠への林道を走ります。今日は粕尾峠付近の地蔵岳登山口付近に車を路駐します。前地蔵岳までは栃百にまだ興味があった頃、地蔵岳登頂狙いで夏に歩いたのですが、その時期、粕尾峠・前地蔵岳ピストンは、ほとんど面白くない歩きだった記憶があります。
昨日同じ林道を佐野秋山まで走った時、林道から地蔵岳、前地蔵岳の東斜面が見えて、斜面が一面ピンクだったことも、今日この山域に入った理由のひとつです。
(地蔵岳直下の急な斜面を見下ろすと、アカヤシオがいっぱい咲いています。天気が今ひとつ、光量不足の画像ですが、雰囲気だけ感じ取ってください。)


コース: 粕尾峠周辺路駐 7:24 --  地蔵岳山頂 8:03 -- 前地蔵岳山頂 8:21 -- (1098pから間違い尾根往復 10:10--10:52)--- 三角点1025p 11:36 --- 1027南 12:16 --- 三角点1025p 12:52 --- 前地蔵岳山頂 14:34 --- 地蔵岳山頂 14:55 --- 粕尾峠周辺 15:28
アカヤシオが咲く地蔵岳山頂は軽くスルーして一旦下って、登り返して前地蔵岳山頂へ。前地蔵岳山頂直下の東面はやはり、すごい急な傾斜です。(P ↓)
鞍部から東面に降りていく破線が地形図に書かれていますが、全く取り付く島がないといった状態でしたので、そこからのアプローチは諦めです。



前地蔵岳の山頂、山頂の周囲はアカヤシオがたくさん咲いています。やはりこの時期のこの山はいい雰囲気です。



前地蔵のピークから東や北東の斜面は、見下ろすと足元が切れていて危うい。注意すれば危険はないですが、ここを歩く破線路があるとはちょっと考えずらい地形でした。



前地蔵山頂で、写真をいくらか撮って、いよいよその先への尾根歩きへの入場です。まづは尾根なりに南に少し進む降下です。(p ↓)



50mほど山頂から南方面に尾根を降りると、尾根上に境界標がありました。これはいい目印、ここから降りれば南東尾根を忠実に進めるはずです。と、境界標の脇の東斜面を覗き込みますが、顕著な尾根も踏跡もほとんど見当たりません。本当に、ここでいいのかいな、って行先の稜線を探してみますが、それらしき山塊は見えましたが、そこに続いている稜線が、まったくはっきり認識できない状態。まずは、覚悟を決めて境界石の所から一番行きやすそうな斜面を下ってみます。恐る恐る入りますが、かなりの急降下で、こんなのは久しぶりです。
(急降下を少しすると、次の境界石を確認です。)


急降下は落ち葉で歩きづらい、うっかりすると、傾斜からずり落ちそうです。少しでも安全な所へ、斜面をトラバースを試みると、またも危うい脆い斜面にあたり、ずり落ちそうになったり。こんなことを何度も繰り返しました。この時、他のかたの記録を見ていない行程なのに、ロープをザックに入れてこなかったことを後悔します。ツェルトは持ってきているのですが、ロープを使わないで、死んでからではツェルトも使えないので、ロープのほうが大切だと思いました。(死ぬっていうのは、大げさですが・・・)
(降りてきた斜面を振り返る、まともな写真はとっている余裕はなし。)



距離や区間としては、そんなに長くはないですが、危うい県境の尾根を下って、ようやくなだらかな区間に出ました。もう大丈夫でしょう。その後は、しばらく平穏で静かな尾根歩きです。その周辺はあまりお花は咲いていません。




本日の目的地1027pまでは基本、前地蔵岳からは南東や南へ稜線通しに歩きます。前地蔵の次のピークあたりの稜線脇に明瞭な作業道のようなものが走っているのが見えました。地形図を見ると、県境は稜線のセンターに引かれていて、その左右を縫うように破線がひかれているのが、その作業道なのでしょう。その作業道はかなりしっかりしたもので、かつては車も通っていたのではと思うほど立派な区間も多く、結局最終目的の1027p付近まで続いていることになります。
(前地蔵から3つめくらいのピークはヤシオの群生地で、お花の盛りでした。)




県境の境界杭が数多く出てくる尾根を進みます。時々アカヤシオもでてきますが、徐々にミツバツツジの花の領域に入っていくようです。作業道を追うのでは、この稜線を歩いた意味が無くなろうかと、作業道が無かったとの想定で、いつもの通りの稜線あるきをしながらアップダウンして進みます。



ときどきでてくる急な登りも、標高差からはたいした時間は要しません。 たしか1098pへの登り。




たぶん1098pだったろうかと思いますが、グンと急登して見晴らしのよい明るいピークに立ってパンを食べての小休止。作業道がすぐ脇を走っているのと、県境杭が次次でてくるので、安心しきって現在位置確認を怠り、1098pから間違い尾根に引き込まれました。最初はなんの疑問を持たずに結構下りました。境界杭のようなものは出てきていて、日光社寺”ってあります。何か進む方向が変です、南か南東に進むべき所を、東よりかあるいは時に北東方向へ行っています。一時的な稜線のアソビかと最初は考えますが、3度くらい地図を読んだら、やっぱり誤り尾根を歩いているようです。たぶん1056pに向かっていたんではとおもいますが、直線距離300mを登って、引き返しました。
(この杭たちに騙せされました。)



1098pまでふうふう言いながら登り返して、南への稜線をとってルート復帰。そこからは真剣に地図読みをして現在地を確認しながら歩きました。
(作業道と稜線がほとんど混在する地点。)



途中1040m級ピークで、南東に方向転換する地点を注意して方向転換クリアー。1025p手前のピークからは歩いてきた方面の稜線が見渡せました。(p ↓)



三角点1027pは林の中の地味なピークで、こんな名板がありました。



稜線を南下すると次第にミツバツツジの尾根になって、気温も上がって体感も暑くなってきました。たまらず長袖シャツを脱ぎます。前方に、目指す最終目的地のピークらしいものも見えてきました。



作業道を歩かないで、できる限り稜線センターを歩きます。もう4時間以上も歩いているので、楽の方に逃げたくなる誘惑との戦いですが、往きは歩かざるおえない場合以外は作業道は歩きませんでした。
鉄塔が前に見えて、目的ピークは目の前です。(p ↓)



稜線は、こんな感じで少々ヤブっぽい。ですが、仕事の関係か、時には同業のかたが歩くのか、尾根センターにも薄く踏み跡はあります。目的地直前付近。



4時間50分もかけて1027p南の杭の地点に到着です。ここは昨日、南から歩いた最終地点、(氷室山へ尾根分岐地点)だったので、ここで線は繋がりました。(p ↓) この杭の場所自体は何でもない場所なので、すぐに来た道を引き返します。往きで5時間近くかかった行程で現時刻が12:16だと、何時に歩き終えられるのか、少し不安になったからです。一瞬、すぐ東にある林道(粕尾、秋山線)に降りようかと思いましたが、林道の登り返しもきつそうなので、ここは普通にピストン戻りです。



先ほど、間違い尾根から戻って、少ししてストックを持っていないことに気づいていたので、復路はまず丹念に来た稜線をアップダウンしながらストック探しをしながら戻ります。そのことさえなければ、作業道で平坦移動できるのにと、心にかなりのストレスです。アップダウンして、作業道に一瞬降りたとき、前を同一方向に作業道を歩いていく単独男性を見ました。
結局、尾根方向転換の1040mピークあたりまでストックは稜線上で見つかりませんでした。創作断念です。古いから諦めましょう、拾った方がいたら使ってください。そうなれば、作業道を急いで歩けます。アップダウンの少ない平坦道を歩くのが、なんと楽で、早く歩けることか。
(作業道も時に、細くなります。細くなった地点を歩いている局面。)



帰りは早く前地蔵岳直下までこられました。2時間程度です。前地蔵直下まで作業道を追いましたが、最後は前地蔵の南に行くふりをして、作業道は消えました。少し後戻りして、朝降りた斜面より北を目指してみます。破線ルートはやはり見つからず、前地蔵ピークに直登する東尾根に取りついて登ってみることにします。尾根歩きなので、ある程度行ける気はしましたが、上部でどうんなことになっているのか、不安を持ちながらの登りは、少しストレス。



急斜面を木や岩をつかみながらよじ登って、大岩(p ↓)がでてきて、ヤバイ、と感じましたが、最初左から巻こうとして、今ひとつ危ない気がして右から巻きます。




その大岩を巻いてよじ登り超えると、あとは、木の太い幹を探して、捕まりながら斜面を登って、頭上のヤシオなんかも見る余裕もないので、写真なんて撮る余裕なしです。ようやく振り返り写真を1枚とって、こんな感じです。(p ↓) それでも、朝の県境の斜面よりは安全かな、という気もします。


尾根も最後の一瞬も平坦になって、前地蔵山頂に立つと、朝とおなじアカヤシオが迎えてくれますが、そのピンクがなんと綺麗に見えたことか。
(前方に地蔵岳)


(前地蔵、西面)



登ってきた、尾根のすぐ脇の崖斜面もアカヤシオがたくさんです。



折り返し地点で想定したよりだいぶ早く前地蔵まで戻ってこられました。一旦下って、地蔵岳に上り返し途中で、急斜面の上りを終えて安心したのか、終わりが近くて気が抜けたのでしょう。岩に腰を下ろして、コーヒーとか、ペットのお茶をガブ飲みします。地蔵岳山頂からの降りもアカヤシオは多数咲いていて、見ながら降りてゆっくり一般ルート級を粕尾峠付近まで歩いて、今日の歩き終了。
往路は前地蔵の斜面降りと、間違い尾根の往復、あとは写真撮りで時間がかかりました。それにしてもなんで、あんなに時間を要したのでしょう。往路でアップダウンがあるのと、帰路の作業道歩きの時間差はかなりのものです。予想以上に歩いた感の残る往復でしたが、昨日の歩きがあったので、余計今日歩いた気がしたのかもしれません。
今日の歩きで、粕尾峠から南の不動岳南の御神楽町まで繋がりましたが、こんなのは単なる自己満足ですが、それでも面白いので仕方がないです。今度はどこつなげましょうか、今シーズンの安蘇方面の歩きはそろそろ終了のような気がします。  ■■

(粕尾峠付近に降りてきました。)



最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (野球親爺)
2016-05-10 12:52:34
連日のお歩き、お疲れ様でした。
今回ななころびさんの歩かれたところは前から歩こうと思っていたのですが、なかなか実行にうつせていません。危ないところもあるんですね。いずれ後追いさせていただきます。
返信する
野球親爺さん (ななころび)
2016-05-10 17:35:36
こんばんは。前地蔵から東斜面は急でしたが、ロープがあれば、もっと安全に行けると思いました。ロープなしでしたので、なかなかてこずりました。
私はピストンだったのですが、野球親爺さんなら面白いコースとりは考えられるのかも、と思います。
返信する
地蔵岳 (瀑泉)
2016-05-10 20:54:31
はネェ・・・足尾の山を歩くたびに,呼ばれている気がするんですが,いつも近いうちに行くよと言いつつ,まったく足が向きませんヨ(汗)。
この界隈,地蔵岳を除けば,其れなりに足を運んでいるんですが,氷室から前地蔵・地蔵を繋げないのは,自分は,安蘇山塊の最高峰は根本山と考えているからだと思います。
それにしても噂どおり,前地蔵の登下降は相当急だったようですネ。それと,こだわりの尾根歩きとなると,かなり時間もかかりそうダシ。
まぁ,歩く時は黒坂石からの大周回になるでしょうしネ。それに,自分の中の安蘇山塊は椀名条山までという意識があるから,林道をサッサと歩くような気がしますヨ。
返信する
瀑泉さん (ななころび)
2016-05-11 02:04:52
こんにちは。
たしかに地蔵岳って、安蘇の山って感じではもうなくなっていて、足尾や前日光ってイメージですかね。前地蔵の境界尾根はほとんど踏跡の痕跡なしで、急傾斜です。
鹿しか歩かないと思って下っていて、赤い古いテープなんかが巻いてありました。
椀名条山って、また馴染みのほとんどない山名が出てきました。面白いんでしょうか、瀑泉さんの過去記事をまた参考にさせていただきます。
そうはおっしゃられても、瀑泉さんは、そのうちこだわり尾根を丹念に繋ぐような気がいたします。
返信する
Unknown (ふみふみぃ)
2016-05-11 07:51:42
前地蔵からの急斜面は参考になりました。登りで使うにしろ下りで使うにしろここは注意する必要がありそうですね。
隣に作業道があると楽しちゃおっかなと誘惑に駆られますね。
地蔵-前地蔵は以前歩いたのですが地蔵から沢で石倉山に向かうという妙な動きをしたせいで粕尾峠-地蔵岳も歩いていないのでそちらも合わせて過去の記事を参考にさせてもらいつつ、秋頃に歩いてみようと思います。
返信する
ふみふみぃさん (ななころび)
2016-05-12 21:17:35
コメント返し、遅れましてすみませんでした。
前地蔵から東面は、急です。東尾根を登る時、いやらしかったのは、登って途中で登りきれなくなるのではないかという不安からのストレスがあったからです。
どちらかというと、前地蔵の東尾根のほうが登降が安心のような気がします。
私は石倉山って、まだ行っていないのです。ふみふみぃさんと同様、今後は秋頃行くことになるのでしょうね。
返信する

コメントを投稿