海の岸辺に緑なす樫の木、その樫の木に黄金の細き鎖のむすばれて ―プウシキン―
皆さんこんにちは、長浜奈津子です🌸
のろくさい女中、お慶を、太宰はいびっていたそうです。
(子どもの頃の話です)
その一挙手一投足が、どんくさくて気に食わない。
絵本の切り抜きも、まあなんと下手くそなこと (笑)
しかもお慶は汗かき。。。
さんざんいじめて、蹴って泣かせた挙句に、まだいじめた。
のっそりたっている姿が、うすみっともなく、妙に疳にさわって。。。
というところを読むと、なんとまあ、お慶ちゃんはかわいそうに、と思うのですが…
大人になってから偶然に再会するというお話です。
書けないのですが、笑える場面もいくつもあって、ラストシーンもなかなかです。
… 面白いのでぜひ、本を読んでくださいね

<船橋の家と夾竹桃>
ところで作品の中で、船橋の家のことが出てきます。
一昨年、私は家を追われ、一夜のうちに窮迫し、巷をさまよい、諸所に泣きつき、その日その日のいのち繋ぎ、やや文筆でもって、自活できるあてがつきはじめたと思ったとたん、病を得た。ひとびとの情で一夏、千葉県船橋町、泥の海のすぐ近くに小さい家を借り、自炊の保養をすることができ、毎夜毎夜、寝巻をしぼる程の寝汗とたたかい、それでも仕事はしなければならず、毎朝々々のつめたい一合の牛乳だけが、ただそれだけが、奇妙に生きているよろこびとして感じられ、庭の隅の夾竹桃の花が咲いたのを、めらめら火が燃えているようにしか感じられなかったほど、私の頭もほとほと痛み疲れていた。
あいかわらず一文が長い… 太宰さんです。それはそうと、このお家はいまは跡地として (いってみたことがあるのですが) 小さな看板が出ています。そのそばには海老川という川があります。13あるうちの橋の一つに、太宰さんのお顔と本の彫刻がみられます。船橋の朗読倶楽部、花音のK子さんに連れていってもらいました。また、文中の夾竹桃は市内に移植されていて、きれいな花を咲かせています。けっこう、大きくて人の背よりも高い花木です。
数年前… 2019年ですが、懐かしくいろいろ思い出しました。
私が『人間失格』を朗読すると知って、いろいろな場所に案内して下さったのです。
太宰さんがよくいったという、赤い鳥居の神社なども。
暑い夏の日、3人で船橋の街を歩いた日をいまでも忘れません。
<関連ブログ>
負けた。これは、いいことだ。そうでなければ、いけないのだ。(文中より)

最後までお読み頂きましてありがとうございました🌷
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