2022年 1月14日、金曜日。
初めましての生徒さん、1回目のお稽古でした。
やりたい演目を伺うと、彼女の口から『わたしと小鳥と鈴と』が好きでした、との言葉が。
つい先日、朗読倶楽部で『金子みすず』の話題がでて、好きだという方が多かったところ。
詳しくは話せませんが、声のお仕事をされている方で、明るくて、元気のある若々しい声。
その声を聞いているだけで、こちらの心がすっと明るくなるようなひとです。
『 私と小鳥と鈴と 』 金子みすず
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のやうに、
地面を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
詩には興味がなかったということですが、いろいろとその魅力をみつけて下さったようです。
いくつかやりとりをする中、何度か音読をして、最後は瑞々しい声で、ゆったりと声にして下さいました。
素敵な朗読でした______


きっとこれから、誰かのために詩や小説を読んでくださるでしょう。
声を使うのが大好き、と仰っていました。
ところで私は、金子みすずの詩を朗読することはあまりなかったのですが、好きな詩があります。
『 雪 』 金子みすず
誰も知らない野の果で
青い小鳥が死にました
さむいさむいくれ方に
そのなきがらを埋めよとて
お空は雪を撒きました
ふかくふかく音もなく
人は知らねど人里の
家もおともにたちました
しろいしろい被衣(かつぎ)着て
やがてほのぼのあくる朝
空はみごとに晴れました
あをくあをくうつくしく
小さいきれいなたましひの
神さまのお國へゆくみちを
ひろくひろくあけようと
いろいろなことが、心に浮かびます。
私が子どもの頃に、籠から逃げ出した『ピコ』という青い小鳥だったり、
自分の姿に重なったり、吹雪の明けた翌日にみえた、いつかの青い冬空だったり。
その中の一つは、オスカー・ワイルド『幸福の王子』です。
誰も知らない、ひっそりとした場所で息を引き取る、小さなツバメと幸福の王子。
神様だけが知っている。
オリーブの木がゆっくり育ってきました。冬を越して欲しいな。

最後までお読み頂きましてありがとうございました🌷
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