<市立小樽文学館>
函館から札幌、そして無事に小樽へ到着。駅に降り立つと、潮の香りがしました。
…なかなか距離があるのですよ、北海道の町から町へは。早朝に出て、昼前頃に到着しました。私は初めての小樽なのです。先日FMおたるの田口さまの番組に出演させて頂いた時にも触れましたが、私は函館と同じ港町の小樽に憧れを持っていました。「港町」なので函館も小樽も「北の玄関」と言われます。開港は函館が先なのですが、津軽海峡に面した函館は、内地からの北の玄関、そして日本海に面した小樽は、世界に開く北の玄関、というところでしょうか。
駅につくと小樽文学館へまっすぐいきました。ブログの写真は市立小樽文学館の正面入り口です。3月頃からメールのやりとりをさせて頂いて、6月が延期になり、やっと9月を迎えられたのでなんとも眩しく目に映りました。石造りの建物の、古めかしさが良い。天井が高く、石肌を感じる独特のかおり。はるか坂下には小樽港。
小樽文学館には吉田一穂のコーナーがあって、直筆の書「鎮魂歌」、詩集「海の聖母」、詩文「白鳥」写真他、一穂に触れることができます。ふとした風向きで潮の香りが届くこの港町の文学館に、さりげなく一穂があるというのがとても自然な感じで好きでした。「時間に腐食されない硬質の抒情を築いた言葉の彫刻家吉田一穂」という一文をここに。
ここ半月くらい仕事が重なって、寝不足が続いていたものの、ツアーがはじまると嬉しくて、函館公演を終えて次の公演地へ移動、初めての公演先、初めての街とわくわくしていました。玉川館長様と明日の公演の打ち合わせ、機材確認などをすませて。文学館を出るとすっかり午後に。気がつくと、そろそろお腹も空いてきて旭川ラーメンを食べることになりました。
文学館近くに美味しそうなラーメン屋さんがあってそこに入りました。このラーメンは出汁が効いていてとても美味しかった。…そういえば電車の中で昨夜頂いた差入れのお菓子を頂きましたが(北海道じゃがいものお菓子とクッキー、ありがとうございました。)朝から食事をしていませんでした。
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そして突然の雨… 激しい雨。
でも、静かな午後です。
港町独特の 潮の香り が
雨の小樽 を包み込んでいました。
ぽたぽたと片腕に落ちる雨粒にぬれてこぼれし笑顔かな
これから海岸線を走るバスに乗って今夜の宿へ向かうのです。そこは一穂の海。
少しだけ小降りになった雨の中、積丹線のバス停のある小樽駅へ歩いてゆきました。
おとがたり
朗読 : 長浜奈津子 ヴァイオリン : 喜多直毅
北海道ツアー2020 『啄木と一穂を訪ねて』
9月3日(木) 《函館》
漂白の歌人:石川啄木『啄木といふ奴』~A Guy called Takuboku~