2/14(火)、気温はまだ低いですが、快晴の青空でしたね。
今日は2月の『行徳・詩音朗読倶楽部』です✨帰りに皆さんでお茶をしたのですが、ある方が、月に一度のこの時間は『私の大切な癒しの時間です』と詩音を楽しみにしていると話してくださり、わたしはとても嬉しかったです。お茶会のとき、今日はバレンタインデーなので早く帰ります、といった方がいて皆んなで驚きました。ご主人が待っていらっしゃるとのこと。微笑ましく、良きですね ♪
さて、2月作品は先月の『室生彗星の詩』から、新しく『八木重吉の詩』を読みました。春からは小説など読んでいこうかと思っています。詩音ではいつも皆さんと、ご自身の声で朗読して頂いたり、他の人の声に耳を澄ませたり。ゆったりとした午後の時間を過ごしています。
今日皆さんに持参した『八木重吉』の詩をここでもご紹介します。2冊出版されている詩集から、選んでみました。八木重吉は学生時代に洗礼を受けたクリスチャンで、29歳で亡くなっておられます。詩集には詩作への情熱と、信仰をとおしての暮らし、届かない想い、娘への想い、など短いフレーズでうたわれています。
生徒さんの中には、八木重吉の生家に行ったことがあるという方がいらっしゃって、次回写真を持って来て下さるとのこと。詩集も持っていらっしゃるとのことで、のびのびと朗読して下さいました。
八木重吉の詩は、2行から3行の短い詩もたくさんあり、そのフレーズの奥に描かれている風景や言葉を探りながら、皆さんと一緒に読んでいきました。
『うつくしいもの』という詩は少しだけお話しして、残りの詩は、それぞれの詩に思うところを言わずに、そのままご紹介いたします。 *わたしの主観です。研究家でもありませんし、意見でも答えでもありませんので、読まずに飛ばしてくださってもかまいません*
••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••
『うつくしいもの』 八木重吉(秋の瞳より)
わたしみづからのなかでもいい
わたしの外の せかいでも いい
どこにか「ほんとうに 美しいもの」は ないのか
それが 敵であつても かまわない
及びがたくても よい
ただ 在るといふことが 分りさへすれば、
ああ ひさしくも これを追ふにつかれたこころ
「うつくしいもの」ってなに?
この詩でうたわれている「ほんとうに うつくしいもの」とは、なにをさしている言葉でしょうか?
詩人である我が心が、詩人の魂がうちふるえるほどの『ほんとうに うつくしきもの』に出会いたい。私はそれを思う存分、うたいたいという、声にきこえます。なんとも純粋なうたです。
『ああ ひさしくも これを追ふにつかれたこころ』とありますが、疲れ果てているどころか、詩作への熱い想いに溢れた詩のように(わたしは)思います。諦念でもなく。
晩年、病に苦しんだ詩人は、その苦しみや愛らしい娘の存在なども多くうたわれています。29歳、結核。亡くなられてから世に名前が出たそうです。この詩人の存在を、わたしは知らなかった。ある生徒さんが ”好きな詩人”としてあげてくださり、その名を知ることが出来ました。その方は、八木重吉の詩を朗読して「ああ、やっぱり良い。」と声をこぼしておられました。存命中に、彼の詩が多くの人に読まれて、彼女のようなファンもいることを知らせたかったですね。
…ただ、詩人や音楽家や画家や作家など、そういう方たちは、作品となって生きていると思いますので… 今日、29歳の詩人は、あの青い空から私たちのことを眺めていたかもしれません。
◇ ではここから、八木重吉「秋の瞳」の冒頭の序文と、数篇の詩をご紹介します。
••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••
『序』 八木重吉(秋の瞳より)
私は、友が無くては、耐へられぬのです。しかし、私には、ありません。この貧しい詩を、これを、読んでくださる方の胸へ捧げます。そして、私を、あなたの友にしてください。
••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••
『悲しみ』 八木重吉(貧しき信徒より)
かなしみと
わたしと
足をからませて たどたどとゆく
••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••
『花がふってくると思う』 八木重吉(貧しき信徒より)
花がふってくると思う
花がふってくるとおもう
この てのひらにうけとろうとおもう
••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••
『雨』 八木重吉(貧しき信徒より)
窓をあけて雨をみていると
なんにも要らないから
こうしておだやかなきもちでいたいとおもう
••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••••┈┈┈┈••
『冬の夜』 八木重吉(貧しき信徒より)
皆が遊ぶような気持でつきあえたら
そいつが一番たのしかろうとおもえたのが気にいって
火鉢の灰を均らしてみた
<詩音朗読倶楽部について>
詩音朗読倶楽部は、好きな作品を読んだり、私が持参する作品を音読して練習したり。2018年からもう5年になります。コロナの時も解散もせずに、皆さん長く続けて下さって、気楽に楽しく続けています。
私は個人レッスンもやっているのですが、そちらは一人一人の個性に合わせてしっかり稽古する教室ですが、こちらの会は基本的に和気藹々と、詩や小説に親しむサークルです。もちろん、個々への指導もあります。
*『詩音・朗読倶楽部』にご興味ある方は*
〜行徳・詩音朗読倶楽部〜
毎月第2火曜日13半〜15時半。
月会費、他必要事項は担当者からご連絡を致します。
(会場費と講師謝礼を皆さんで分配する方法です)
見学OK。場所:行徳公民館。
お問合せ⇨Tel:09033391281 (長浜) Mail: nappy_malena@yahoo.co.jp
˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚
ポピーが花屋さんに並んでいました。
行徳・詩音朗読倶楽部
市川行徳、船橋方面のかた*ぜひご一緒しましょう!心よりお待ちしております😊
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
<詩音*関連ブログ>
長浜奈津子のHP =芝居と音楽と語り=
https://www.nappy-cantactriz.com/
https://twitter.com/vivi_gato
朗読ランキング
https://www.nappy-cantactriz.com/
https://twitter.com/vivi_gato
朗読ランキング
最新の画像もっと見る
最近の「長浜奈津子朗読教室📚リモート朗読教室・花音🌼詩音朗読倶楽部」カテゴリーもっと見る
「桜梅桃李」24名の生徒さんたちによる 朗読発表会が終了しました🌼 朗読の中庭〜Reading Garden〜 2024/9/8(日)
『高瀬舟』『ファウスト』…森鴎外「横浜市歌」について 〜リモート朗読教室
朝顔うたふ詩・俳句・都々逸など… あつめて。
夏の庭に薔薇が咲いた〜 本番まで、あとひと月❣️長浜奈津子朗読教室*第二回 朗読発表会「朗読の中庭 ~Reading Garden~」
「あじさい」佐藤春夫 〜細君譲渡事件〜/生徒さんの朗読動画をUP『朗読の中庭 ~Reading Garden~』
「人形物語」竹久夢二「童話集 春」より、生徒さんの朗読動画をアップしました 『朗読の中庭 ~Reading Garden~』
最近の記事
カテゴリー
- つぶやき ✒️essay(260)
- 猫のひたいの小庭〜ベランダガーデニング🌱(18)
- おとがたり ~朗読とヴァイオリン〜(115)
- 長浜奈津子「朗読空間」◇ ひとり語り〜朗読公演・出演情報(10)
- 永井荷風 朗読 ~荷風忌、他~(33)
- 俳優座朗読教室 〜語る魅力・伝える喜び〜(22)
- 長浜奈津子朗読教室📚リモート朗読教室・花音🌼詩音朗読倶楽部(41)
- 長浜奈津子 ❤ 音楽出演・配信情報(94)
- アルゼンチンタンゴ歌の教室・講座&プライベートレッスン(38)
- 赤毛のアン 村岡花子訳誕生70周年記念朗読シリーズ 全10回(32)
- 音楽劇「人形の家」2022 俳優座劇場プロデュース公演(32)
- 「戦争とは…」 劇団俳優座 特別朗読公演(5)
- 映画・演劇・音楽・美術・文学など(4)
バックナンバー
2008年
人気記事