皆さんこんにちは、長浜奈津子です🌹
今夏7月のおとがたり北海道ツアー。2018年6月より4回目となる北海道ツアー旅日記を残します。
それでは、札幌編 その2です。
<おとがたり 朗読とヴァイオリン 北海道ツアー2024夏 「桜の森の満開の下」坂口安吾>
| 7月4日(木) 札幌 俊カフェ19時開演
| 札幌俊カフェ、客席を鑑賞しやすく工夫して頂き、当日は満席でした。
札幌で朗読をしている、また愛好される皆様、私の朗読生徒さん、私の北海道時代の仲間、お忙しい平日の夜に集まって下さいました。皆さま、本当にありがとうございました。
坂口安吾作品が好きなお客様が(ここには書けませんが)直接私に嬉しい感想を下さり、翌日の小樽へも来て下さると。会場が違うと、朗読がどう変化するのか聞きたいと仰った。こちらこそ頭が下がる思いで、心がいっぱいになりました。
<これまでの俊カフェ公演、コロナ時期に歩いたこと、当たり前でない今日。>
| 2018年6月初演は『港に着いた黒んぼ』小川未明でした。
この頃、おとがたりではもう、永井荷風「濹東綺譚」や坂口安吾「桜の森〜」は初演をおこなっていました。「港に着いた〜」はツアーのためにレパートリ〜として創り、池袋で初演を。手応えを感じて、またおとがたりで再演したいお話です。
ヴァイオリンの喜多直毅さん。直毅さんは、物語に深い陰影と感動を施し、朗読と共に物語を鮮やかに描き出して下さいます。それは2017年の東京公演から今日までずっと。
その歩みの中に、コロナ禍がありました。その時期にも私たちは朗読公演をおこなっています。もちろん直毅さんはご自身の音楽活動の歩みを止めずに、着々と演奏活動をされていました。
そんな中、私は北海道公演への思いを伝えました。それに快諾を頂いたので、2020年おとがたりは北海道へ行くことが叶ったのです。直毅さん、ありがとうございました!
<コロナ時期に歩いたこと>
| それから2020年に『啄木といふ奴 -A GUY CALLED TAKUBOKU-』石川啄木の世界。この時がコロナでした。まだ世の中が、コロナについて何の経験もない頃。
5月は皆、自宅から出られない状態でしたね。
演劇・ライブ、全ての活動が休止。日常生活がストップしました。そんな時「Go To キャンペーン」がありました。自宅待機をいわれ、旅行を促す…不思議な状態です。それと文化庁の「ARTS for the future!」がありました。せっかくサポートがあるのだからと私はその扉を叩きました。
私にとっては、コロナが背中を押したと言っても、間違いはなかったと思います。
| 北海道公演を9月におこないたいと、心に決めました。閉じこもり不安になられている人たちを励ましたい。自分も歩みを止めたくない等等、いろいろな気持ちがぐんと湧き起こり、北海道札幌、初めての小樽、函館で公演をしたいと、動き始めました。
俊カフェの古川さんに相談すると、お客様を15名様に限定して、換気と消毒、検温を実施して、おとがたりの朗読公演をやりましょうと、受け入れてくださり、ご協力頂きました。
それに続き、函館、そして初めての小樽と、現場の職員、スタッフ皆様のご協力を頂いて、2020年のコロナ期に北海道で朗読公演を実現することが出来ました。その後、お客さまにも私たちにもウイルスの影響の発熱もなく、無事でありましたことを、改めてここに残しておきます。
| それから、2022年に坂口安吾『夜長姫と耳男』、そして2024年『桜の森の満開の下』と続いたのです。これまでの歩みは、確かな足跡として残り、見るたびに自分を励ましてくれています。
<当たり前でない今日に感謝>
| あのコロナ時期、皆んなが色々な分野で悩み、トライして、また慎重に様子を見るなどして、頑張っていました。誰もが大変な思いをしました。コロナは無くなったわけではないけれど、少なくとも、わからないものに対する大きな不安は少なくなり、対処することを覚えたのだと思います。
もちろん、まだまだ、これから何が起こるかわかりません。その時、自分がどういう判断をするのか、いつも心のどこかでコロナを忘れずにいようと思います。
あの時に比べて、今の会場をみる。
ご来場の皆さんは、マスクを外して、楽に耳を傾けていらっしゃる。今は指紋が無くなりそうになるくらい指先をアルコールでこすることもない。
これが当たり前ではないと、今ならよくわかります。考え方もするべきこともどんどん変わってゆくと思いますが、これからも感謝を忘れずに、するべき努力をする、これに尽きる日々です。
<俊カフェ、古川さんのオーガニック食>
| 古川奈央さんのこだわり玄米おにぎり、お味噌汁を開演前に頂きました。
体に良い食事、体が喜ぶ食事。古川さん美味しかったです、ご馳走様でした!
そして、たったお一人での会場サーブに頭が下がります。本当にありがとうございました。
ブログをお読みの皆さま、もし皆さんが札幌にゆかれました時は、ぜひ「俊カフェ」でひとときお過ごし下さい。身体に優しく美味しい飲み物、オーガニックのお菓子と、お食事。
谷川俊太郎さんの詩と古川奈央さんの笑顔が皆さんをお迎え下さいます。
< 札幌俊カフェから小樽へ >
| 札幌から小樽への移動。
「俊カフェ公演」が終わると、私は翌日の「小樽市文学館」での公演のために、前のりで小樽へ移動することになっていました。会場に残られたお客様とご挨拶をすませ、着物を脱いでたたみ、洋服に着替えると、会場の方の片付けをして、スーツケースに仕舞いこむ。
これはいつも、演劇の旅公演でしていることです。
そして、「俊カフェ」と古川さんにご挨拶をして22時すぎ、夜の札幌駅へ向かいました。
「小樽へ移動編 」へ続く…
最後までお読み頂きましてありがとうございました
<公演期間と開催場所>
2024年 7月4日(木) 〜7日(日) 室蘭・小樽・札幌・函館/坂口安吾『桜の森の満開の下』
演目「桜の森の満開の下」坂口安吾
7月4日 木曜日 札幌 俊カフェ
7月5日 金曜日 市立小樽文学館
7月6日 土曜日 室蘭 港の文学館
7月7日 日曜日 函館市民会館
otogatari
公演詳細
演目:『桜の森の満開の下』 坂口安吾
【札幌】7月4日(木)
<無頼派・坂口安吾について>
骨太・硬派と呼ばれる、坂口安吾の筆で書き描かれた朱玉作品「桜の森の満開の下」と共に札幌・小樽・室蘭・函館を訪ねました。
2022年、坂口安吾の傑作『夜長姫と耳男』を、北国の小樽市文学館と札幌の俊カフェで上演しました。残酷で美しい夜長姫と、鬼となり一心不乱に仕事に打ち込む、耳男。物語の初めから最後まで、熱の途絶えることのなく、衝撃的で静かな最後の場面を皆様と共に迎えました。
2024年は、山賊の男と、妖しく美しい残酷な女の幻想的な怪奇物語。坂口安吾の傑作短編小説『桜の森の満開の下』を上演致します。坂口安吾、必聴の幻想小説。
「桜の森の満開の下」~あらすじ~
桜の森は、恐ろしい。満開の桜の木の下を通ったものは皆、気が狂うという。鈴鹿峠には山賊が棲み、山のすべてを我が物としていた。ある日、山賊はいつものように都からの旅人を襲って、身ぐるみ剥がして殺し、美しい女を家に連れ帰り、女房にした。わがままで冷酷な女。「美」という魔術。やがて都へ戻ると、女は男に命じて切り落とした都の人々の
首で、遊び耽る。都の暮らしに馴染めない男はやがて、懐かしい山へ帰りたいと考えた。はらはらと舞いあふれる桜の花びら、夢にまでみた桜の森の満開の下、男の孤独が深まってゆき、やがて…。1947(昭和22)年5月15日初出
<長浜奈津子> 長浜奈津子 公式サイト 芝居・歌・朗読
<喜多直毅> https://www.naoki-kita.com