見出し画像

銀の河 ~ 長浜奈津子のブログ ~

雪の日の朝、 霜柱をふんで。

有明

   

起伏の雪は

あかるい桃の漿 (しる) をそそがれ

青ぞらにとけ のこる月は

やさしく天に 咽喉 (のど) を鳴らし

もいちど散乱の ひかりを呑む


( 波羅僧羯諦 (ハラサムギヤテイ) 菩提 (ボージユ) 薩婆訶 (ソハカ)



宮沢賢治 「春と修羅」より






追記:鋤鍬を手に土を耕し、雨雪に泣き、青い芽を育てた、宮澤賢治の詩。


冬の朝、雪を踏んで学校へいきました。

新雪は きゅっ きゅっ

霜柱を踏むと パリッ パリッ と音がする。

畑の柔らかい土でできた霜柱は大きい。

気温が低く、寒い朝であればあるほど、雪の表面が凍って朝日にきらめくのです。


その神々しさは、肺に流れこむ冷たい空気とともに記憶に刻まれています。



…ああ、桃の漿とは。

まだ昨夜の月の残る明けの空、なだらかな雪肌に映る朝日の色や…

そして月は、咽喉を鳴らして、ひかりをのみこむ…



この詩に出会ったとき、ため息がこぼれました。


そしてこの雪の下は、農地であろうとおもうのです。

… 土が、静かに眠っています。

















Flores Negras
長浜奈津子のHP =芝居と音楽と語り=


https://www.nappy-cantactriz.com/

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「つぶやき ✒️essay」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事