狂ったような風が
桜の樹を激しく揺らし
電線も唸り続けていた
その音が夜から静けさを奪い
ぼくは何度も夢から現へと
連れ戻されてしまう
悪戯好きな困った風
眠りたいのに眠れない
こんな夜はいっそ寝るのを諦め
本棚から絵本を取り出して
不思議な世界に自分を解き放って
みようと思った
ゆっくりページを捲っていると
徐々に蘇る子どもの頃のあの懐かしい感覚
読み終えて本をそっと閉じると
睡魔がいつの間にか訪れていたみたい
読んだ絵本はイギリスの桂冠詩人
キャロル・アン・ダフィーの
"なみだどろぼう"。
ニコレッタ・セコリの絵も素晴らしい。
子どもも大人も一緒に楽しめる。
そんな絵本だとぼくは思っている。
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