テニスと読書とデッサンと!

時を超えて。



息子がまだ小さかった頃の

家人と息子の会話を見つけました。

*******************************

「あなたは天才の卵よ」

「えっ、いまなんて言ったの?」

「天才の卵」

「テンサイ・・・」

「・・・のタマゴよ!」

「ぼく、全然天才なんかじゃないよ」

「ママも天才だなんて言ってないわ。

いい?天才の卵って要するに

いまはフツーの人ってことよ。

天才の卵の殻ってものすこく固いの。

その殻を破って天才になるには

すっごく大変なこと。努力が必要よ。

誰でもなれるわけじゃないわ。

だけどテニスに集中している時の

あなたは誰よりも楽しんでいるふうに

ママには見えるわ。

それに時々普通の人が考えられない

ようなプレーを軽々やってしまう。

あなたはそんなこと全然感じないかも

知れないけれどね。

あなたはテニスの天才になりたい?」

「もちろんなりたい!」

「なら一所懸命に練習してみたら?」

「そしたらいつか殻を破れる?」

「途中で投げ出したりしないで

努力をずーっと続けていければ

ママはきっといつか破れると思うわ」

「殻を破れなかったら?

「普通の人のままよ」

「殻を破るのにどのくらいかかる?」

「それはママにもわからない。

マイケル・チャンは17歳で、

アンドレス・ゴメスは30歳で

フレンチを取ったわ。

早咲きの人、遅咲きの人、

みんないろいろよ。

あなたはあなたのスピードで

天才を目指せばいいんじゃない?」

「ぼく、絶対に天才になっててみせる。

ママがおばあちゃんになる前にね」

「まあ!そんなこと言われたら

ママ、おばあちゃんに

なり損なってしまうじゃない」

「ママもいつかおばあちゃんに

なっちゃうの?」

「いつかね。そういうあなただって

いつかおじいちゃんになるのよ」

「ハハハ、ぼくはならないよ。

ママもおばあちゃんには

なっちゃダメ!いい?ダメだよ」

「そうね。でもママは

おばあちゃんの卵だから

いつかママという殻を

破っちゃうかもよー」

「ママはおばあちゃんの卵

なんかじゃないからね。

ママはいつまでもぼくのママさ」

「あなたが将来結婚して

赤ちゃんが生まれたら?」

「それでもママはぼくのママだよ。

ぼくのおばあちゃんになることは

絶対にないから安心して」

「まぁ、なんて嬉しいことを!

じゃあママはママの殻を破って

ニューママになるわね。

さぁ、天才の卵のお話はこれで

おしまいにしましょ。

256ページ、応仁の乱からよ」

「えっ、ママ。テニスの天才には

勉強は必要ないんじゃない?」

「あら、そんなことはないわ。

あなたは学業の天才の卵でも

あるとママは思っているの。

だから早く殻を破っちゃいましょ」

「ママ、ぼくは天才の卵を

いったいいくつ持っているの?」

「星の数よ」


*******************************


息子はいま外国の大学に留学しています。

大好きなテニスを続けていますし、

慣れない環境で戸惑いながらも

新しい友だちと仲良くやっているみたい。

そして相変わらずママっ子です。


※写真は高校生の頃のもの。

ジュニア時代からの友だちと有明にて。


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