テニスと読書とデッサンと!

希望はどこかに。




戻ることのない舟が出る

乗った覚えのない舟が出る

港はどんどん遠ざかり

星の見えない海の上

舟を漕ぐあなたは誰?

私はどこに向かってる?

水平線の向こうが

わずかに明るくなって

弱った月のような太陽が昇る

昼間になっても空は暗く

凪いだ海は舟を揺らさない

長く悲しく寂しい時間が流れ

ときどき思い出したように

間の抜けた風が吹く

港はどこだ 私を帰せ

私は絶望から逃れようと

振り向き怒声を上げる

その時になって私は気づくのだ

この狂ったように広い海に

私はたったひとりなのだと


************


年を取り力がなくなって

いつしか周りに負担をかけている

そんな自らの存在が許せず

焦り苛立ち不安に襲われる

介護するほうはそんな不安を

少しでも和らげてあげられるような

方策を模索してみるのだけれど

徐々に意思の疎通ができなくなって

途方に暮れそうになる

それでも不安を感じさせないような

介護のカタチを模索しなければ・・・

希望を作ることと安心をあげること

私の父と母はあの時

どんな気持ちだったのだろう

分からないまま私は今を生きている



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