ぶっさきゃら

らくがきとその他色々・・・。

朝の幽霊 25

2016年05月12日 | Weblog
夏の終わり頃の夕方と云っても、やはり散歩に行くと汗びっしょりです。
シャワーしてキッチンに行くと、テーブルの上にビールのギフトセットが・・・。

「これどうしたの」
「さっき、おじいさんとおばあさんが、ありがとうございましたって」
「ん?」
河原で娘を見つけて連れて来てくれましたって。

「やっと娘が帰ってきました、ありがとうございました」って。
「おじいさんとおばあさんって?」
「うん」
「むすめって言ったの?」
「うん」
「うそ・・・孫でしょ」

で、その人たちどこの家?
それが見た事ない人なの。
あそこの坂を下りたところで居なくなったから、あそこらへんの家の人だと思うけど。

「何歳くらいの人?」
「それがぁ、80かぁ・・・90歳以上かも」
「えぇっ、ほんとに?」

あの女の子3歳くらいだった。
 

朝の幽霊 24

2016年05月12日 | Weblog
小さな女の子でも、夕暮れの中では不気味だったけど、思う間もなくしがみついてきた。
「ひとり?」
頷く。
「おうちはどこ?」
声を出さずに土手道路の向こうを指差した。

私が住んでいるところなので、手をつないで連れて行った。
女の子はおかっぱ頭ではないけど、来ているものはワカメちゃんルック。

いまどき珍しいなと思った。

左右を確認して道路を渡って、坂を下って住宅街に入った。
「おうちはどこ?」
家を確認しようと見たら居なかった。

犬の散歩の時はいつも手袋をしているので、手を放したのに気が付かなかった。
女の子の家はここのすぐ近くなんだろう。
と、思ってウチに帰った。