ぶっさきゃら

らくがきとその他色々・・・。

朝の幽霊 23

2016年05月08日 | Weblog
でも、ムスタングって陸軍の戦闘機だったと思う・・・。
陸軍の戦闘機がどうして日本の空を飛んでたのか?

やっぱり辻褄が合わないなぁ。
白昼夢だったんかなぁ・・・。


「なにぶつぶつ言ってんの」
「ん、別に」

この事とあれと関係ないと思うけど、ぶっさんはもう2週間以上帰ってこない。


それともう一つ不思議な出来事があった。
雑草が密集している河原。
人や犬が歩いて草をたおして細い道が有る程度。
もう夕日が落ちようとしている薄暗くて無風の暑い時間に、さぁ~っと風が吹いた。
がさがさっと音がして、草むらから小さな女の子が、草をかき分けてまっすぐ近寄って来た。

朝の幽霊 22

2016年05月06日 | Weblog
ほんの一瞬の出来事だったし、
「今のなに?」
驚いたけど後は何もなかったし、家に着くころにはもう忘れてた。

ただ・・・。

「なに」
その飛行機さぁ。
「ムスタングだった」
「ん?」
「ムスタングP51」
「なんでそんな事知ってんの?」
「子供の頃、プラモデルおたくだったから、でも、アメリカの戦闘機は作ったことなかったけどなぁ。
 だから戦争中の風景かな?
 それも、終戦に近い頃だと思う。
 いまから考えたら、本当の出来事かどうかも分からない」
 

永遠の0でラストの頃に、主人公の一人のすぐ上に零戦がゆっくり飛んできて、パイロットが敬礼するやん。
「あのシーンで思い出したの」
「そんなシーンあったっけ?」


関係のない話かと思うけど、そんな事が有った。




朝の幽霊 21

2016年05月06日 | Weblog
「ここへ越してきて間のない頃に、不思議な事が有って」
瞬間的な事だったから忘れてたけど。
何年か前に「永遠の0」って映画観に行った時のワンシーンで思い出して、
時々散歩の時に「あれはなんだったのかなって」

「なになに」
「なになに」
二人ハモって聞くほどの事でもないけど・・・。

何の用事か向こうから橋を渡ってる途中。
携帯のメールを見ながら下向いて歩いてたら、一瞬空気が変わって。
地面がコンクリートの色から木に変わって、結構隙間があいてる。
「あっ」と思って前を見たら、見慣れた景色じゃなくて、橋は木造だし、土手道は舗装道路じゃないし、
人が一人通れる程度の土手道。
その向こうは草ぼうぼうで何にもないし、
「すぐに川端食堂と釣り具屋さんあるやん、それもなんにもなくて草ぼうぼう」
その瞬間、飛行機が頭の上すれすれくらいに横切ったんで、思わず後ずさりして振り返ったら、
向こう側はいつもの景色だった。
一、二歩後ずさりして目線を前に戻したら見慣れた景色。
食堂も釣具屋もあるし、橋もいつもの橋。


朝の幽霊 20

2016年05月05日 | Weblog
「でも、それと違うんとちがう?」

家で嫁と娘に話したら。

「うん、種類が違うと思う」
「そう云えばそんな感じするなぁ」
「でも、幽霊に種類ってあるん?」

知らないけど、あの橋では一度不思議な事がありました。

朝の幽霊 19

2016年05月05日 | Weblog
「最近、ぶっさんみないねぇ」とお向かいのおばあさん。

脱走中で・・・。

「散歩中に?」
「ええ」
詳しい事話すのは億劫なので。
「あの橋のところでなんか見つけて追っかけてそのまま」

「そう・・・でも、なんかって何?」
「ちゃんと見てないので分かりません」
「あの橋ねぇ」

「むかしから、出るって言うの。
 戦争中にね、艦載機の空襲であの橋のあたりで何人も・・・」

艦載機って、このおばあちゃん確実に80歳超えだわ。
「空母艦載機=航空母艦に積んだ戦闘機(雷撃機等も含みます)

そんな話初めて聞きました。

「最近ここらも新らしい家が沢山建って、新しい人が増えたからこんな話は知らないでしょう」


「わたし見た事あるわ、おなかに大きな穴があいて倒れてる人。
 飛行機の機銃ってすごいんよ」


朝の幽霊 17

2016年05月04日 | Weblog
小3が言うには、要するにくんずほぐれつしながら川に落ちたそう。

走っていくには距離が有りすぎ。
家に帰ってミニバイクで探しに行ってくるけど、みなはどうする?
「車で川沿いの道走る」
「わたしは家で待ってるわ」

手分けして探したけど見つからない。
随分川下まで行ったけど・・・。


「明日、日曜だから朝から探そう」

半日、探したけど見つからない。

親戚家族が帰った後。
迷い犬のポスター作った。
何でこんな時にインク切れるん(怒)
珍しく嫁が「買ってくるわ」

「あした保健所かどこかに届を出してから、探しながらポスター貼り」
だけど・・・勝手に貼っても良いのかな。

朝の幽霊 16

2016年05月04日 | Weblog
「ぶっさん、まてっ!いくな!まて!」

おまえあんなに怖がってたのに、どうする気?

すごいスピードで直ぐに視界から消えた。

3歳くらいになって身体も大きくなって力も強くなってきた頃には、
2度ほど首輪やリードをぶちきって脱走したことが有った。
その頃には首輪2つと、ハーネスもしていた。
リードは2本。
でも7歳になって、落ち着いてきたから最近はそんな事もなかったけど、
やっぱり力は強いんだ。


「ぶっさん、たたかってるみたい・・・とびついたりしてる」
小3には遠くても見えるみたい。
「まともに見るな、目線をずらして」
「ん?」

「おちた」
「え?」
「川におちた、ふたりとも」

みんな呆然とその方向を見てる。

朝の幽霊 15

2016年05月03日 | Weblog
「見るなっ!」と怒鳴ると、驚いてこちらを見た。

その瞬間、ぶっさんが唸りだした。

「何を見てた」
「なんかしろいの」
「はっきり見たのか」
「遠いからはっきりは見えない」
「どこ?」
「橋の下」
最初にあれを見た橋は50m位の距離なので、私でも視認出来るが居ない。

「向こうの橋」
向こうってかなりの距離。
この小3の末っ子は視力測定不能な程目が良い。

「細長くてひらひらしてる」
「だから見るなって」

バチーンと音がしてぶっさんがリードをぶちきった。
気は弱いけど力は天下無双。

あれに向かってダッシュした。