龍は地に堕ちた。彼は気がついた。我が身に起きたことを。しかし、我が身より己に疑問を持っていた。『私は誰だ。何も思い出せない。 否、誰かに追われていた。』『いつ存在した?どこにいる?どうして?』龍は言葉を話すことはできない。テレパシーでしか話せない。翼はあるのに動かせない。もうじき死ぬのがわかる。本能的に。『そうか...誰にも理解(わか)って貰えずに死ぬのか。自分が何者かを知りたいのに。残念だ。』