ひきつづき、昔の本を引っ張り出してきての読書。藤沢周平の密謀読んだ後なので、ま、こんなものかと…。
それより、この本直江兼続の生涯じゃなくて、半生だから。
直江兼続は黒くていいなぁ。上杉景勝に関しては、この本を読んだ当時、寡黙な人というイメージを持った。
景虎様もそれ程口数多そうではないよな、終始眉間に皺を寄せているイメージはあるけど、今年、Gack虎様が見事にそのイメージを具現化してくださっている、ありがとうございます。
景勝にしても直江にしても、自身の家の直系の者ではないところがこの2人を結びつける重要ポイント。
降って湧いたように家督を継ぐ必要が主従の家に起こり、その家督相続が主従両家ともまあ上手くいった例ってのは珍しいんじゃないか。
この2人の仲が良いのは、お互い傍流の家を継いだというところが根にあるのではかろうかと。
景勝は本当に景虎様の後継者に指名されたのかどうかというところから疑問があるらしいと。
長尾&上杉姓ばっかりで、謙信様は長尾景虎様で、上杉景虎ってのもいるからホントにややこしい家ですね。
「お前が女ならまさに一心同体!」
と景勝様が大喜びで兼続相手に言い放っていらっしゃいましたが、大体お前の義父の景虎様(現Gack虎様、長尾の方だ)にしても、
「生涯不犯」と言っておいでになっていますので、ここんちの家系って、そーいった薔薇系のことに関連があるんだろうか?
上杉景虎を相続争いでツブして惣領となった景勝、色々と大変そうである。
しかし、ホントに直江は景勝をびっちりサポートするよなー、景勝は無口だがカリスマっぽい感じだな。
水戸黄門の印籠のような、大事な時にしか出てこないのが社長の役目と割り切れるタイプの男だったに違いない。
あとはすべて部下に任せる、その部下は優秀。
自分の身の置き方を分かっている景勝はいいヤツで好きだ。
一方、血液型B型バリバリの伊達チン、あまり出てこないがそのgoing my wayっぷりも好きだ。
それより、直江のところに前田慶次郎が居候してくるのはいい!
伊達家は食えない上杉家も、前田家はOKなんだな。
上杉家にとって伊達チンのところと隣同士、隣り合わせるとなにかと小競り合いの原因になるんだろう。
「城を盗る話」も上杉家と伊達家の領地争いの話だし。
そしてひそかに義兄弟の契りを結ぶ石田三成。
こういう厄介な輩に好かちまう直江、しかし本人は至ってマジメ。
かぶいている人々がのんけの兼続にちょっかい出して喜んでいるようにしか読めないのだが…。
関ヶ原以降、120万石から30万石に移封になった上杉家、でも、召し抱えた武士を首にしなかったところにその後のお家の台所困窮、上杉鷹山出現につながる(つながる…か?)のだが、渋く大物を出す家系なんだろう。
(同じく童門冬二著「小説上杉鷹山」読んでね)
考えてみれば、隣の伊達藩も、伊達騒動の時に、原田甲斐&3代目(多分)の片倉小十郎が家を守ったと山本周五郎の「樅ノ木は残った」にもあるように、優秀な家臣というものはどこの家にも居るんだなぁ、鷹山は藩主だけど。
確か鷹山も米沢産ではなくどこかから養子にきたんだったよなー。
上杉家の養子縁組は引きが強い、でもそれは大事だ。
慶次郎の墓も米沢にあるところをみると、慶次郎も米沢と上杉が気に入ったのだろうし、この本は楽しげな男たちの戦国生き残り談みたいな感じのする話でございます。
上杉家=cool、伊達家=色モノと思うのだが、これは変な色眼鏡で見てるのか?
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