卓を囲む

オーラス、二萬、左から当たりました、風ドラ三です、でも見ろよ、2面子も切ってるぜコイツの図。
家訓で「お他所の人さまと雀卓を囲んではいけません」というものがありながら、まいっか✨という軽い気持ちで。
囲んだのは、居酒屋店主、セミプロ囲碁棋士、セミプロ雀士という面子で、セミプロ雀士はもちろん、セミ囲碁棋士に勝てる気が全くしなかったのだが、なんでお付き合いするか、向こうもよく我を相手にすると。
案の定、スタート早々ハコ下に沈んだのだよ、まったくもってあっさりとだ。
ヤバイ、マジヤバい、勝てる気がしない！家訓破ったから、このままノーホーラーのド素人丸出しで終わったらどうしようあああああ！とかなり、目の前真っ白になるくらい。カイジのリアルざわ…ざわ。
ルールが、西、北入りだったのでダブ西、西南やらダブ北とかいう聞いたことのない風で、常に自分、今、どこの風？状態。
雀荘のオーナーはそのビルのオーナーで有閑マダム(未亡人)。
「巻寿司食べてね」
「お芋食べてね、喉に詰まるといけないからコーヒーもどうぞ」
脇テーブルにはそれぞれみかん。
「肉まん召し上がる？」
「カレー持ってきましょうか？」
「うなぎのおこわあるの」
「麦茶おかわりは？」
「氷いる人」
めっちゃサービスしてくれる。巻寿司は配給されていたのだが、卓にデンブを撒き散らしそうになったよ。箸を使った食事はしにくいのだよママ！
常連のセミプロ雀士が
「いいよ、何かあったら声かけるから」
と言ったら
「まったく手のかからない人たちねえ」
とつまらなさそうに言われた。そのあとも
「パンあるわよ」
とパンもいただきましたので、翌朝用にお持ち帰りました、ありがとうございます。ところでこの食べ物らは、場代に含まれてるの？食べ放題？
本日は1卓しかいないので、密になることは…ない…はず。
ママとパートのこれまたマダムは延々とおしゃべりをしているのだが、その内容は我々4人の耳にも流れ込んでいたようで、特に
「フランスに家を買った」
話では、全員
「え、は？ナニ！？」
と手が止まりそうになったと後で語り合った。
「そういうことに気をとらわれるのはよくないんですけどね」
とセミプロ雀士(本日で三連荘、明日もやるよ)が言っていましたけど、すべての会話が浮世離れしていて、「え？！」といちいちツッコミ入れたい内容。
しかし、逆もまた真なりで、我がハコ下を起こした後、席替えで
「この席めっちゃ冷えるから」
と言い、その席に座ったセミプロ囲碁棋士もハコ下を引き起こしたため、そのまた次の席替えで
「この席キンキンに冷やしておきました」
と会話していたのを、マダムに聞かれたらしく、居酒屋店主が上着に手を通した瞬間
「エアコン切りますね〜」
とエアコン切られましたよ。マダムたちの会話を聞いていたように、マダムたちにも我々の会話聞こえていたのだ。ってかこっちは客だからな。
蒸したゎー、雀荘…。
「物理的に冷えたって誤解されたんですね〜」
と肉づきのよいセミプロ囲碁棋士が言っていた、特に貴様は暑かろう苦しかろう、マスクもしてるしな、ふふ。
赤牌を入れるのが面倒なのでその代わりに、ドラを最初から2枚目くるというローカルルールを採用した結果、ドラの扱いが超粗雑になったのと、裏ドラ期待の立直で他人から当たっても、ドラがまったく絡むことなく
「3900…」
って、ごくフツーの手じゃないかそれは！が多かった、なんだろう、この引きの悪さったら。
「当たらなければどうということはない」
と言いながら、ドラ切り立直とか、お前はシャアですか？
終了後、軽く食事をしたんだけど、
「あそこでスーピンを捨てた時に」
とか
「ドラ3で上がった時」
とかちゃんと内容を覚えているんだよね、セミプロふたりは。我など自分がどうやって上がったかすら、よく覚えていないのに、他人の捨て牌や配牌を覚えているって、ああ、もう絶対こういう人たちには敵わないし、絶対いっしょにプレイしない方がいいなと思った。特にセミプロ囲碁棋士は棋譜を覚えているからなー。家訓の「人さまと卓を囲むことなかれ」は本当にその通りだと思ったよ。とりあえず、最終は勝ったのでよかったですよ。
今回はフリテンもチョンボもしなかった自分を心から褒めたいのと、次回があるならもう少しモーパイを正確にしたい。萬子、分からなすぎた。今日は、脳の変なところを使ったので、熟睡できそうだ。