最近というか、ここんとこずっと歴史小説と言えば、北方謙三か宮城谷正光なんですけど、とにかく北方謙三というと、ふくすけのままsには、
「ぐぅわ~」
と言われちょります、そうだよねフツー。
現代ものの、ハードボイルドは、あまりにも生活が近すぎるというか、ああ、歌舞伎町の裏で何かやってんだねって感じで、なんちゅーか、こう
「ないない、そんな言葉にだまされるヤツいないって!」
という生活密着感があるんだけど、これが歴史物になると、「歴史」という時間のオブラートにくるまれてしまい、「ハードボイルド」は2義的なものになってしまうんだな。
で、陽炎の旗です。かなり前に読んだ、「武王の門」の続きでございます。新潟に連れて行った時は全く顧みられませんでしたが、帰宅直後にちゃんと読み終わりました、ホントだぞ。
今回の主人公は、来海頼冬、本名足利頼冬は3代将軍足利義満のいとこなので、刺客に狙われる日々。その義満は、南北に分かれている天皇家に代わって自分が天皇の座に治まろうと虎視眈眈。
そこに、後醍醐天皇の孫に当たる血筋にして、海賊(?)の頭目、月王丸とその息子竜王丸が玄海のあたりで暴れております。
すべての北方作品の根底にある「新しい国をつくる」というモチーフはここでもがっちりとしております。
義満も新しい国をつくりたい。
月王丸たちは既に国境のない新しい国をつくりつつある。
いとこの義満が新しい国をつくろうと謀略を巡らせているのに、オレは一体何やっちゃってんの?と思ってしまった来海頼冬は…。
今回は(前作にもあったかと思うんだけど)、親父と息子の対峙が絡んできます。
「息子には自由に生きてもらいたい」と口にはするものの、実は、
「オレの背中を見ろよ!」
切実に、見てもらいたいお父さんたち、見せたいんだー、へ~。
男がこんなポーズをとっている時は、実はこんなことを考えている。という、男の深層心理を読むなかなかいい参考書ではなかろうかと。
「夢は歳月とともに変るものでございます」
という言葉が、北方氏を代弁しているのだと思います。
「陽炎の旗」は旗自体がまぼろしであってもいいし、そこに書かれている文字が陽炎であっても、そこに書かれている「夢」は常にあなたとともにあるのでございますよ。
って話なんじゃないかと…。
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