
金木犀の香りが芳しく漂い、澄み切った青空と穏やかな陽光に包まれた心地良い季節の今、街角を散歩すると、薔薇、菊と時節の花々が美しく咲き誇っています。庭に花を咲かせるのは楽しいことですが、庭の切り花を差し上げたり、頂いたりするのもとても嬉しいものです。









花束と言えば、フランス人のフラワー・アーチストローラン・ボーニッシュ(Laurent Borniche)さんの指先から紡ぎ出される花束はとりわけ女性の心をとりこにする華麗な美しさに満ちています。



ローランさんはダンディで紳士的ですが、お話をさせて頂くと、優しい笑顔で、薔薇のブーケから映画のことまで、気さくにお話をして下さいました。

マルセル・パニョル(Marcel Pagnol)原作の映画と言えば、私は「マルセルの夏 」« La gloire de mon père »と「マルセルのお城」 « Le château de ma mère » しか観たことがありませんでしたので、いったいどの女性があの華麗なブーケに姿を変えたのかしらと、これを機会にもっとマルセル・パニョル原作の映画を観てみようという気になりました。

マルセル・パニョルは日本人にはあまり馴染みのない作家かもしれませんが、フランス人には好まれているようです。芸術の秋には、花の香りに満ちた芳しい夕べに、普段読まないような異国の小説や映画を鑑賞して、心の旅をしてみるのも素敵ですね。

