前回の投稿で、サントリーさんの「青いバラ」に大阪人が「青とちゃう、
ちゃう
」の合唱をしたお話を伝えましたが、
その当時のことを振り返ってみて、私なりに事情を検証してみました。
鶴見緑地公園では、同時期に別の会場で、薔薇をふんだんに使ったファッショナブルで華やかな展示会が催されていました。菊人形ならぬ薔薇人形にため息、

そして、ブルーの美しいドレスの数々に入場者の皆さんはうっとりしていました。

そうなのです、すでに私達は(染色されたものではありますが)青い薔薇、水色の薔薇を沢山見ていたのです。

このデジャヴュー体験

のせいか、きっとサントリーさんの「青いバラ」の前では「おもてたんとちゃう~

」の声が上がったのだと思います。
主催者の方々は「青いバラ」を盛り上げようと「青をテーマにした薔薇の饗宴」を考えておられたのかもしれませんが、そのコラボの企画が裏目に出てしまったのだと思います。

良かれと思って工夫して、手間暇かけてしたことが裏目に出るということはよくあることで、

私もせっかくしたことが裏目に出た時にはがっくしです。

そういう時は二重に疲れます。
しかし「青いバラ」に「ちゃう、

ちゃう

」の異論はあったとしても、

やはりこの時の薔薇の展示会は意義深いものだったと私は思います。

あの「青い薔薇のドレス」のお陰で、本当に青い薔薇を創り出すのが如何に困難なことか知ることが出来ましたし、入場者の皆さんがどれほど「青いバラ」に出逢えることを夢見ていたかも実感しました。サントリーさんの「幻の薔薇」への想いはこれからいっそう深まり、いつか大阪人も大納得する神秘的な青いバラが誕生することでしょう。
詩人ノヴァーリスは「青い花」に無限の憧憬を託して美しい文学作品を創造しました。

詩情と情熱と憧憬。

その想いを胸に「幻の花」を創り出そうとしている方々の益々の活躍に期待を寄せています。

そしていつかの日か街角に夢のように美しい花々が咲き誇りますように。