☆ C h e r r y B o m b ★

一番好きな映画。



↑写真は25日の月




3年前の今日、初めて映画『幻の湖』を観て
それからというもの観るのは、これでもう何回目だろう。

私は、この作品に出会うために生まれてきたのかもしれません。

断言できます。自分の中で
この映画を越える作品は後にも先にもない。


初めてこの映画を見た時の衝撃は忘れることができません。

日本映画専門チャンネルで他の映画を予約録画したつもりが
間違ってたらしく、後から再生してみたらこの映画が入ってて
(途中から。お市さんが警察署にいるシーンあたりから)

なんか、直感が働いたので次の放送日に見てみることに。

第一印象は、なんか変わってる映画だな~って感じでした。

ちょうど折り返し地点あたりの
戦国時代シーンの時間が長すぎて
本気で次の映画が始まったのかと思ってしまうほど。

途中で、お市さんが一瞬、映るから
ああ~まだ映画、続いてたんだ~って思ったけど。

倉田さんとのお別れドライブのシーンあたりから
この映画、いつ終わるの?って不安すら覚えた。

日夏が“湖の城”に来てお市さんキレて
包丁を取り出して日夏に迫る。狂気です。
その時の階段をかけ降りる速さ!!!

自分の目を疑いました。

で、ラストの『勝った!!!』から
こうなって、ああなって、ドッカーン。

この瞬間、完全にこの作品の虜になったのでした。

最後の放送日にビデオに録画して何回も見て
のちに図書館で原作まで借りて読みました。
1年半前にはDVDを買った。


今ではちょい悪オヤジ(古い)の雰囲気バリバリ出してる長谷川初範が
東洋銀行 大津支店に勤めてる爽やかな好青年役だったり

“湖の城”に、どう見ても特殊浴場には相応しくない
容姿の人が、1人ばかり働いてたり(源氏名“お楽”って人。多分。)

東京から帰ってきて雄琴駅に着いたお市さんの
ボストンバッグが行きに持ってたのと違う・・・なんで?とか。

好きな人への手紙に、お市さんが
自分の髪の毛をざっくり切って入れちゃうとか。

突っ込みどころ満載。

笑っちゃうようなことを全く疑いもせず自然と
大真面目にやっちゃうのが、一番の見どころなのかもしれません。

滋賀の観光PR映像を思わせるような
琵琶湖の四季の美しい風景。

それからなんと言っても音楽がイイ!!

物語に相応しいのか相応しくないのか分からないほど大げさな感じ。
それでいて、なんとなく映画に合っている感じ。

なんなんだ!


雄琴の特殊浴場で働いてるとはいえ
22歳で1800万の貯金があるお市さんはすごい。

“湖の城”の控え室の黒板に
10月の指名表グラフが貼ってあるんだけど

淀君が文句なしのナンバーワン。
続いて、ねね、お市さん、次にキリシタン(ローザ)

ローザも頑張ってたんだなぁ。

“指名5以下 2ヶ月以上 自主退店”と書いてありました。

湖の城って意外と厳しいんだね。

一時停止して細かいとこまで見てみると面白い。


何気なく滋賀の特殊浴場協会のHP見てたら
(なにやってんだ自分・・・)

映画中に見覚えのあるお店があった!

YOUNG六本木、金瓶梅、御三家、江戸城
鎌倉御殿、ダイアモンドクラブ、アラビアンナイトなどなど。

淀君がお市さんを河原に呼び出して犬の写真を
渡すシーンではバックに聚楽、花影などが映ってます。

今と全く同じ建物。なんだか感動してしまいます。

特に聚楽の、あの廃墟のような物々しいなんとも言えない感じ。
花影は、雄琴に初めて建った特殊浴場だそうです。

今は亡き特殊浴場もたくさん。
石亭とか二条城とか鍵屋とか英国屋とか。

夜のネオン輝くトルコ街も素敵。

お市さんの職場“湖の城”は
実際に使われてる特殊浴場だったのか
映画用に作ったものなのか何なんだろうって思ったけど

シロの悲報を聞いて“湖の城”を飛び出すお市さんのシーンや

ラストの方の日夏を追いかけるお市さんのシーンを見ただけでは

ダイモンドクラブの角から曲がって
ゴールデンゲートの方に走っていくところを見ると

場所的に実際に使われてる建物だと人魚の城か
龍宮城のあたりな気がするんだけど・・・

龍宮城だとドキッとするほど似てるけど色が違う。
でもけっこう似てるんだけどな~改装したのかも。

念のため、左隣のシャトールイの写真を見てみたら
右にある建物の端っこが映ってるんだけど、赤い!

“湖の城”の外壁は赤系。

自分の中で、“湖の城”は龍宮城の建物を借りたってことになりました。
形がほとんど同じだから。で、そのあと改装したに違いない。

地図検索で見ると位置関係が分かって面白いです。


特殊浴場は老舗のお店が多いっていうのは知ってたけど
映画が公開された27年前から、すでにあって
今までずっと営業してるってなんかすごいな。

浪漫を感じました。

いつか滋賀に行ったら雄琴の遊郭街も見てみたい。

夢はロケ地をすべて回ること。

絶対に行ってみたいとこは
雄琴、高月の渡岸寺、小谷城址
琵琶湖大橋、鵜川四十八体石仏など。

映画中には出てこないけど比叡山 延暦寺も絶対に行ってみたい。

やってみたいことは琵琶湖一周。
で、白い犬を手懐けて追いかけて走る。

楽しそ~~~う!!


ここで個人的に好きなシーンBEST3

3位『シロとの出会い』

シロに出会った時の事を思い出すシーン。

「雄琴に来て、なんとか5ヶ月。だけどもう、続かない。」
と、仕事に疲れ放心状態で散歩に出かけていたお市さん。

そこで、ふと自分のあとを付けてくる1匹の犬がいることに気付く。
薄汚れた犬を冷たくあしらうお市さん。

湖畔のカフェに入ったけど故郷の両親の事を思い出して涙を流す。

でも、お店を出たところに、さっきの薄汚い犬が自分をずっと待っていた。

「あたしを、あたしをここで待ってたのね。」

ここで、この犬を飼おうと決心したのか分からないけど
一緒に道路を歩いていると、犬が走っていってしまう。

「待ってよー!待ってー!!」

と言うと、犬が全速力で戻ってくる。

この時の、お市さんの笑顔、超かわいい。

因みにシロが死んで火葬した後、仏壇が作ってあるんだけど
そこに原作でシロの大好物だったお菓子“湖舟”が置いてある。

こういう細かい演出がスキ。



2位 『湖東の旅』

突然、川崎に転勤することになった倉田さんとのお別れドライブ。
びわ湖タワーのスクランブル交差点が映る時の音楽が始まる瞬間がスキ。

ここではお市さん、ガールらしさを全面に押し出してます。

琵琶湖大橋を渡っている時、急にハイテンションになって
車から降りて琵琶湖を見たいと言ったり

小谷城址や渡岸寺を見つけて感激して騒いだり

でも、渡岸寺を見たあと、テンション下げ下げ。
一言も話さないお市さんに倉田さん、困ってます。

でもでも、車で走ってる時に、沖島を見つけてまたまたテンション上がる。

「沖島!わたしと同じ一人ぼっちの寂しい島だと思ってたのに!!」
と、言って泣き出し、倉田さんと抱き合い、お別れデートのはずが婚約まで。

お市さんがトルコで働いているのを知ってて
婚約する倉田さんは優しい人だけど
喜怒哀楽の激しいお市さんと生活してくのは
草食系男子の倉田さんには無理だな。。。

新婚早々お市さんの尻にしかれてる姿が安易に想像できる。

その数日後、シロのお墓で長尾さん(イケメン笛吹男の宇宙飛行士)
と会って「この人、やっぱりこの人。どうして私は倉田さんと・・・」

お市さん、気が多すぎる!!!

ここでのお市さん、100ガール。



1位『やってきた客』

婚約して、あと2日でトルコから足を洗うって時

いやいやいや。
婚約したんだから、あと2日とか言ってないで
今すぐトルコの仕事はやめなさいよ。
なんて思ってたら。。。

お市さん「お市でございます。」

と、顔を上げたそこには日夏の姿が。

お市さん、日夏の顔を見たとたん開いた口が塞がらない。

日夏はナンバーワンの淀君を指名したがダメで
結果お市さんに回ってきたというイキサツ。

お市さん凍り付く。

更にボーイの平山さん
「さっ、市っちゃん。日夏先生なんて滅多にないチャンス。ご案内して。」

なんと酷な。。。

部屋に入ったはいいけど全く接客する気になれない
お市さんを見かねて支配人が入ってきます。

てか、自分が殺した犬の写真が、すぐそこに
置かれてるんだから気付けよ。日夏。

支配人
「今日のお市はちょっと・・・
他にも、ねね、フレッシュな由良など
上玉をそろえておりますので。」

日夏「いや。この人でいい。名前が気に入ったな。」

など、話し出す。

最初は驚愕し力が抜けていたお市さんだけど
支配人と日夏の会話を聞いて次第に
怒りが込み上げてきてガタガタ震え出し発狂します。

シロの仏壇から包丁を取り上げて突きつける。

支配人、日夏をおいてさっさと逃げるし・・・

ここからはもう、修羅場です。
部屋の薄暗さも手伝って狂気に満ちてます。

危機一髪、部屋から出られた日夏。

この時の、日夏を追いかけるお市さんの
階段を駆け下りる速さの速いこと速いこと。

そしてジョギング対決になりラストに続きます。

これが一番、大好きなシーンです。



この映画は自分は大好きだってだけで他の人には
あまり簡単にお勧めできないけど。

なぜなら普通の神経の人が見たら
“はぁ??ナニコレ!!意味わかんねーしっ!”って思われそうだから。

好きな映画リストには万人受けするような作品も入っているけど

上位に挙がる『幻の湖』『田園に死す』『追悼のざわめき』
いずれも、逝っちゃってるのばっかなんだもん。


ロケに1年かけて上映開始1週間で打ち切り。

原作・監督の橋本忍 氏は
この作品を機に映画界での信用を失った。

本人は走る女の話を書きたかったのだけど
物語は、あらぬ方向へ行ってしまったらしい。
(何かに書いてあった。)

監督にとってこの作品は消したい過去なんだそうです。

でも、自分は監督が居なかったら当然
この作品も生まれなかった訳だから
私は橋本忍 氏が大好き。

監督が人生をかけて真剣に一心不乱に
この作品に取り組んだんだなーってことが
痛いほどにビシバシと伝わってくる。

この映画がここまで、なんじゃこりゃ映画
だと言われるのは、完璧に作っちゃったからかな。

キャスティングからストーリー展開からキャラ設定から
舞台に至るまで完璧なんだもん。本当に。

自分は失敗作だとか馬鹿にしたようなことは全く思ってないけど
それでも、この作品、逝っちゃってるな・・・と思うんだから不思議。
(いい意味で。いい意味で逝っちゃってるって・・・)

YOU TUBEに予告編あったけど
あの短い時間に詰め込むと何がなんだかさっぱりです。

何度も映画見てる自分でも呆気にとられてしまったし。

全く内容が伝わってこない。ってコメントが入ってたけど
その通りです!!


見るたび思うけど、自分はこの作品に出会えて本当に良かったです。

玲子姉さんって・・・やっぱり綺麗だなぁ・・・

うんうん。


もう何度見たか分かんないくらい見てるのに
また幻の湖に魅了されてしまいました。

こんなにも自分の心を射止めてくる作品は他にないです。

久々に見た感想。
ここまで飼い主に愛されてるシロは宇宙一の幸せ者。


グンナイ
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