ちょっと旅行記を小休止して。
先日、X上で話題になっていたこと。
厚労省の妊産婦の支援の検討会で、参考人の弁護士が「産科は医療安全に前のめりすぎ」「安全が絶対的にいいというわけではない」「原理主義的」と。これは産科医だけでなく、命懸けで出産に臨むすべての妊産婦に対する侮蔑であり軽視だと思う。
— 宋美玄🐰子宮体がん検診は実は不要です (@mihyonsong) November 16, 2024
一人でも亡くなるお母さんをhttps://t.co/gvsIvRbbOt
フォローしている方のリポストで複数回流れてきた。
え~と、産科に限らず医療安全には万全の体制を敷いていると思っていたのだけど、違うの?
4000人に1人の1万ccの出血に備えるのはやり過ぎ?
人体の血液量は、体重の13分の1らしい(日本赤十字社HPより)。
ということは、体重が50キロの人で6.5キロが血液。
AIによる概要で見てみたら、日本人の場合1リットル=1キロと見て良いようなので、6.5キロの血液は6.5リットル。
1リットル=1000ccなので、6.5リットル=6500cc。
4000人に1人が10000ccの出血となると、当然輸血は行っているはずだから、それでも1回以上は体内の血液が全て入れ替わるというようなイメージだと思う。
これで母子ともに死なせないようにするという対策が「やり過ぎ」?
なんか、考え方があまりに違い過ぎてクラクラしてくる。
先月の皮膚科の手術で、輸血こそ必要にはならなかったものの、病室に帰ったときに、傷の一部で出血が止まらなくて執刀医たちがザワザワしていたのを覚えている。
「私が圧迫しておくので、○○(医療用語だと思うが認識していない、以下伏せ字は全て同じ)持ってきて!」
「△△はどうします!?」
「持ってきて!」
「□□は!?」
「一応持ってきて!」
あまりの騒ぎに、同室の患者さんたちに心配をかけてしまったようだ。
私自身は全身麻酔の影響で、医師たちの声をぼんやり聞いているだけだった。
術着も血で汚れてしまったので着せ替え人形のごとく着替えさせて貰った。
何か大変なことが起きている、ということは分かっていたが、それがどう大変なのかは理解していなかった。
場合によっては手術室に逆戻りになっていたかもしれない、と後で理解したときにはぞっとした。
その後もちょっと出血はあったが、医師たちを慌てさせるほどのものではなかったので安心した。
術後が一番大変だったんだな~。
皮膚科で、輸血しなくて済むようにとはいえこれだけ騒ぎになったのに、それとは次元の違う出血量に備えるというのは、当たり前だと思うし、それだけ備えがあるというだけで安心出来ると思う。
私は、「医療安全」に万全を期す姿勢を貫く医療従事者の皆さんを支持します。