ある日のこと。
そろそろ寝ようと思い、寝室の電気を消した。
数分後、ピーポーピーポーと救急車のサイレンが聞こえてきた。
近くに救急病院があるし、サイレンが聞こえること自体は毎日のことなので、
その時点では全く気にも留めなかった。
だが、次第にサイレンの音が近くなってくる。
うちの前の通りを行くのかな?と思っていたら。
和紙のモルザ越しに赤色灯の光が部屋を横断。
「へ!?こっち!?」
ちょっと慌てた。
野次馬になる気はないんだけど、やはり気になる。
寝室を赤色灯が横断した、ということは、救急車の目的地は現時点では6世帯しかない。
アパートか、我が家の奥にある一戸建てか。
いったん起きだして、居間に行ってみた。
すでに母が様子を窺っていた。
そして「(一戸建て)さんのところ。ご主人かな?」。
うわぁ…。大丈夫だといいけど。
とりあえず、もう夜も遅いしそのまままた布団に入った。
しばらくすると、赤色灯が先ほどとは逆方向に横断していった。
ちょっと待って、サイレンは?とドキドキしていたら、通りに出ただろうところで鳴り出したので一安心。
狭い道路(1台なら余裕あるけど、離合は無理)だし、夜中だし、で配慮があったのかも。
でもサイレンが鳴らない、というのも心臓に悪い。
サイレンを鳴らしてやって来た救急車が、鳴らさずに帰って行ったというのも15年ほど前に経験しているから余計に。
運ばれた人が無事でありますように。