とある御家族のこと。
そこの家庭は、
御夫妻と男児お2人の4人でお住まいだった。
男児は、10才、7才。
奥様は「宮沢りえ」さんにメチャ似ていて、
知性と美貌を兼ね備えた感じの女性。
御主人は、大人しくて、真面目で、
少し神経質というか、心が繊細そうな人だった。
いつも日曜日の朝は、御主人の運転され、
家族全員でお出掛けになる姿をよく拝見していた。
ある時のこと、
御主人のお仕事が思うようにならなくなり、
会社が倒産された。
となれば、生活が一変するので、
奥様はお子さん2人を連れて、
当面の間、
奥様の御実家(車で10分位)へ行かれて生活されることに、、、。
残された御主人は、ご自宅のまま。
それから、2週間が経った日のこと。
お子さん(次男、7才)が、
学校で必要な物を自宅へ取りに帰った。
すると、、、
その子供部屋で、御主人が首吊りされてたのだ。
お子さんが父親を助けよう!と頑張ったらしいが、
ビクとも動かず、母親に電話し来てもらった。
その後は、警察や救急車が来たりでバタバタと。
私達が実際に目撃したのはここから。
お子さんは「パパ、パパ、起きて」と叫び続けていた。
奥様は、救急車に同乗され病院へ、
お子さんは、事情聴取を。
といっても、わずか7才の男の子で、
自分が見たことを伝えるのが精一杯の様子。
子供部屋の学習机の上には、
2通の手紙が置かれていたそうだ。
余談だが、
私の高校時代の恩師が住職で、
この御主人の担当されてたから、
詳しいことは、この住職から伺った。
遺書には、こう記されていたそうだ。
奥様への手紙には、
1、再婚しないで欲しい。
2、この自宅を処分せず、住み続けて欲しい。
3、子供達の教育を頼む。
4、お稽古事は継続されてくれ。
5、子供達には、大学を出させて欲しい。
子供達への手紙には、、、
子供のうちは一生懸命、お勉強を頑張って、
将来は、やりたい仕事に就いて、
各々に社会貢献しなさい。と。
お子さん達、すごく礼儀正しくて、
ご挨拶も笑顔でキチンとしてくれるような感じの良い子供さん達。
奥様は、仕事を掛け持ちでされて、
お子さん達を立派に育て上げられた。
あれから23年が経った。
現在、お子さん達は各々に社会人となられ、
上の子が「パイロット」に。
下の子が「弁護士」に。
奥様は、仕事を辞められて、
穏やかな日々を過ごされている。
ってか、
当時7才だった次男君には衝撃だったと思うし、
父の吊られた姿は、今も尚、
強い傷として脳裏に残っているんだろうなぁ。